2017年10月

笹のいえ

おこめ

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「おこめ」はうちの飼い猫の名前で、もちろん「お米」が名の由来だ。

千葉に住んでいたとき、路端にひょっこり現れたところを保護。
生後二ヶ月ほどだったが、周りに母猫がいる様子もなかったので、そのまま放置もできず、以来家族となった。

笹での生活が落ち着いた頃、預かってもらっていた家から彼女を連れてくることになった。
車とフェリーを乗り継ぎ、二日掛けて高知に引っ越してくるときは、ずっと不安そうに鳴いていた。
人間の都合で申し訳ないことをしたなと思う。
猫は家につくというから、新しい環境に慣れてくれるのか心配したが、笹のいえを気にいってくれたみたいだった。

彼女を迎えるまで、家はネズミ天国。天井を走り回るわ、台所の野菜を齧られるわ、困った状態だった。
おこめを飼いはじめると、ネズミたちはどこかへ引っ越してくれたのか被害は一切なくなった。

朝起きたとき、狩ってきたばかりのネズミやトカゲが枕元に置いてあって、ドキッとさせられる。
横にドヤ顔の彼女が座っているので、褒めてやって、亡骸に手を合わせる。

千葉でも高知でもひとの出入りが多いところで暮らしているので、人懐っこくて甘え上手。
猫好きのヒトが分かるようで、足元に絡んできて喉を鳴らす。
でも、実は子どもが苦手で、特に人数が多いとぷいとどこかに行ってしまう。

作業に追われ忙しい時間を過ごしているとき、陽だまりのある縁側で優雅に毛繕いをしている彼女が目に入ると、
「まあそんなに急がなくてもいいか」と思わせてくれる。

拾い猫ゆえ正確な歳は不明だが、大体七歳くらい。うちの子どもたちよりも長い付き合いだ。

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私の一冊

藤田純子

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「新 冒険手帳」 かざま りんぺい(著) 佐原輝夫 (絵) 主婦と生活社

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土佐町ストーリーズ

家の主

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彼女は大抵、雨上がりにひょっこり現れる。

去年亡くなった姑が、生前よく彼女についてこう言っていた。

「私がここへお嫁に来た頃からずーっとおるがやき」

「草を引きよったら、じーっと横で見よったがね」

「この家の主よ」

 

 

大先輩なのだが、彼女が現れるたびに私は挨拶するどころか

悲鳴をあげてしまう。

 

そんな彼女はヒキガエル。

 

デカい。

15cmくらいある。

私は“超デカい!!”と思っているのだが、この辺ではこれくらい普通なのだろうか。

 

その図体の割に動きは素早い。

一瞬目を離すと、遠くへ移動している。

あれがジャンプして飛び掛かってきたら・・・と思うと背筋がゾンゾンする。

なので、いつも刺激しないように気配を殺して通り過ぎる。

 

私と子ども達はこのヒキガエルが現れるたびに

『おばあちゃんの友達が出たー!!』

と大騒ぎする。

 

私がおばあちゃんになってもいるだろうか。

 

 

 

 

 

 

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私の一冊

佐藤恵

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「親指こぞうニルス・カールソン」 リンドグレーン(作) 大塚勇三(訳)岩波書店

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笹のいえ

建具萌え

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秋の長雨が続くこの日、思い立って障子の張り替えをすることにした。

建具を雨に当て、古い障子を剥がす。
桟を束子で擦って、埃や古い糊を水で洗い流す。
その後乾かして、新しい障子を貼る。

ピシッと障子紙が張れたときは生きる希望が湧くけど、シワが寄ってどうにもならなくなると、
この世の終わりみたいな気持になる。

僕は、なぜだか骨だけになった建具が好きだ。

直角に交わった桟、寸分違わぬ臍や切り込み。とても自作できない。
建具職人たちによる知恵と技術が代々伝承され、この障子が今ここにあると思うと、胸がざわざわする。

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私の一冊

田岡三代

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「無名仮名人名簿」 向田邦子 文藝春秋社

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土佐町ストーリーズ

芥川岡林家

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芥川、黒丸の岡林家は、藩主山内家の一族で、山内家の裏紋の白一黒一が家紋だという。

山内家は武家でおれんようになるので早く山奥に行った方がいい、ゆうて、吾川郡吾北村(現在のいの町)の清水に来て、
それから芥川に居を構えた。

芥川には”芥川の三軒家”ゆうて、筒井姓二つと岡林姓一つがあったが、岡林しげおさんの家が本家じゃった。

今は面影の無うなったその家には,

女人禁制の”武士の間”、万一の切腹の時の”入らずの間”などがあった。

本家の主人の健在なうちは先祖祭りもしていたが、岡林家の名刀一振は神社に納めているという。

土佐町史p883

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「夜の木」 バッジュ・シャーム (著), ドゥルガー・バーイー (著), ラーム・シン・ウルヴェーティ (著), 青木恵都 (翻訳) タムラ堂

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笹のいえ

今日の保存食

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今年もチャーテの季節がやってきました。

たった2株から1日に20個も30個も採れます。

チャーテは使いやすい野菜なので大好きですが、さすがに20個も30個も食べられません。

そこで粕漬けや、福神漬け、キムチ漬けなどたくさん漬物を作ります。

今回漬けたのはキムチ漬け。

実に50個分のチャーテで作りましたが、タッパーに詰めたら4つ分。

醗酵して味が馴染む2週間後が一番美味しく、1ヶ月以内で食べきるのがオススメです。

50個切るのは大変ですが、作り方は簡単。

好みの大きさに刻んだチャーテをたっぷりの塩で揉んで重石をして一晩。

上がってきた水を捨て、軽く水洗い後ざるにあげて半日日陰で水切り(量が少なければ省略可)、

合わせておいた漬け液(甘酒、韓国唐辛子、すりおろしにんにく)と合わせて出来上がりです。

好みでニラやねぎ、しょうがやナンプラーなど足すともっと美味しいです。

自分の好みの味を見つけられると最高です。

自家製キムチ、挑戦してみませんか。

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私の一冊

佐藤恵

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「棚田 ふるさとの千枚田」 ふるきゃらネットワーク編

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