2018年1月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

川村光代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 

「島ひきおに」 山下 明生  (文) 梶山俊夫(絵) 偕成社

土佐町みつば保育園の園長先生、川村光代先生が教えてくれた「島ひきおに」。
先生がこの絵本を見せてくれた時、絵の美しさにはっとされられました。

「この本はね、読みながら涙が出る…。鬼は人間に友達になってほしいんやけどね…。」
と涙ぐみながら話してくれた先生。

『海の真ん中の島に鬼が住んでいて、ひとりぼっちで寂しがっていました。人間たちと一緒に暮らすにはどうしたらよいかを尋ねる鬼に困惑した漁師たちは、自分たちの島は狭いので、鬼が島をひっぱってきたら一緒に暮らせるのだが、と、口からでまかせを言いいます。これを真に受けた鬼は、島を引っ張って海を歩き、人間たちの島へと行くのですが…。』

この本について調べてみたら、作者の山下明生さんのふるさと、広島県の能美島の近くにある敷島という無人島にまつわる言い伝えを元にこのお話は作られていて、鬼の引っぱってきた島だから引島、それが敷島になったのだそうです。

こんな背景があることを知ると、現実と物語がぐっと近づくような気持ちがします。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
お知らせ

新年のご挨拶

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

あけましておめでとうございます。

とさちょうものがたりから新年のご挨拶をお届けします。

当ウェブサイト「とさちょうものがたり」は2017年6月にスタートしました。

ちょうど6ヶ月が経ったことになります。

旧年中には土佐町内外から多くの読者のみなさまに訪れていただき、また暖かな励ましや手助けもたくさんいただきました。改めて熱く温冷…じゃなかった、厚く御礼申し上げます。

先にも書いたように、とさちょうものがたりは生後わずか6ヶ月のメディアです。

まだよちよち歩きの赤ん坊のような状態ですが、とさちょうものがたりが伝えていきたいこと(=私たちが感じる土佐町という場所の魅力)は日を追うごとにはっきりとした輪郭を伴ってきている感覚があります。

 

 

 

上の写真は土佐町のとある農家さんのお庭で撮影したものです。

そこに流れるのは天然の山水。ですので24時間流しっぱなしです。

溜まりにはいつでもきれいな水があふれ、畑で採れた季節の野菜がプカプカと浮いています。私たちが訪れるときには「お昼はこれ食べよう」と溜まりから野菜を持ってきて台所で料理をして、美味しい昼食をご馳走になったりします。

とさちょうものがたりを通して、私たちが伝えたいことの一端がここにあります。

長い年月を経て先人が作り上げ、磨き、現在に至るまでこの地の人々が守ってきた美しさ。慎ましさを忘れない人間の暮らしが、自然の掌の中に優しく包まれているような感覚。

ここには言葉や写真ではなかなか伝わりにくい美しさがあります。

ふわふわもやもやとして、なかなか捉えどころがなく、「美しい」としか言いようがないもの。

とさちょうものがたりはこの伝えにくい「美しさ」を、できるだけそのままの形でみなさまのところへお届けしたいと思い日々発信しているメディアです。

時には上手に伝わったり、逆に伝わらなかったり、いろいろなことが今年も起こる予感はもうすでにありますが、昨年に引き続き、みなさま楽しくお付き合いいただければ幸いに思います。

2018年元旦

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

山下志保

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 

「はらぺこあおむし」 エリック=カール (著),‎ もり ひさし (翻訳) 偕成社

土佐町みつば保育園の山下志保先生が教えてくれた「はらぺこあおむし」。あまりにも有名なこの一冊。
志保先生の息子さんが2歳の時、この写真にある「そのばん あおむしは、おなかがいたくて なきました」のページで決まってくすんくすん…と泣き出したのだそうです。(なんてかわいい!)

何度も何度も読んだのでしょう。この本のこのページだけ何箇所も破れていて、セロテープで直してありました。
その時のことを懐かしそうに話す志保先生は「お母さん」の顔でした。
きっと息子さんもセロテープで直してあるページを見る時、この本を何度も読んでもらったことを思い出すのかもしれないですね。

たかが本、されど本。
本はたくさんの思い出も運んで来てくれます。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
5 / 512345