和田亜美

土佐町ストーリーズ

知らなかった

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今年の夏、相川コミュニティセンターのプールで見つけた蟹。

卵を持っています。

 

どこで産み落とすのかなー、なんてその時は思っていました。

38年間生きてきて、私は知らなかったのです。

蟹が卵をどうするのか。

 

みなさん、知ってます?

 

こうなります。

 

見えますか?

お腹に蟹の赤ちゃんがわんさか・・・。

これは、友達の子どもが川に遊びに行った時に見つけた蟹で、私が見つけた蟹とは別蟹です。

 

 

 

 

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土佐町ストーリーズ

家の主

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彼女は大抵、雨上がりにひょっこり現れる。

去年亡くなった姑が、生前よく彼女についてこう言っていた。

「私がここへお嫁に来た頃からずーっとおるがやき」

「草を引きよったら、じーっと横で見よったがね」

「この家の主よ」

 

 

大先輩なのだが、彼女が現れるたびに私は挨拶するどころか

悲鳴をあげてしまう。

 

そんな彼女はヒキガエル。

 

デカい。

15cmくらいある。

私は“超デカい!!”と思っているのだが、この辺ではこれくらい普通なのだろうか。

 

その図体の割に動きは素早い。

一瞬目を離すと、遠くへ移動している。

あれがジャンプして飛び掛かってきたら・・・と思うと背筋がゾンゾンする。

なので、いつも刺激しないように気配を殺して通り過ぎる。

 

私と子ども達はこのヒキガエルが現れるたびに

『おばあちゃんの友達が出たー!!』

と大騒ぎする。

 

私がおばあちゃんになってもいるだろうか。

 

 

 

 

 

 

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土佐町ストーリーズ

晴天の霹靂

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私が住んでいる地区では4月と6月と9月に『道つくり』があります。

地区の人達が協力して、草刈りや側溝の掃除をするのです。

 

9月の道つくりの前日、小学校6年生の息子が急に

「明日の道つくり、手伝いたい」

と言ったのです。

 

私が何回も何回もお願いして、やっと重い腰をあげて洗濯物を取り込むあの息子が!

皿洗いを頼むと舌打ちをしながらしぶしぶ皿を洗うあの息子が!

手伝いをしないとゲームさせないよ!!といつも怒られるあの息子(以下略)

 

一時の気の迷いかとも思ったけれど、当日息子は早起きをして父ちゃんと道つくりへ。

草刈り機を扱えるわけでもないので、集会所の草引きをまかされたのだけれど

やり遂げて、地区の人達と一緒に昼ご飯を食べて帰ってきた息子を見て

誇らしい気持ちになりました。

 

少子高齢化で、道つくりの人員がいないという声がチラホラ各所で聞かれる今日この頃。

まだまだ幼いと思っていた息子も、頼れるようになる日が・・・来るのかな?

文:和田亜美 絵:川原将太

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土佐町ストーリーズ

ミッキィとテイジ

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土佐町で、カラオケボックスといえば田井の上村商店の横にある『すたあふるうつ』。

でも私が子どもの頃は、同じく田井にあるスーパー、末広ショッピングセンターの隣にサンライズというレストランがあって、

その横にもカラオケボックスがありました。

今ではレストランとカラオケボックスはなくなってオンベリーコというイタリアンレストランになっています。

 

 

小学校の頃、同級生とその保護者で、よく一緒にカラオケに行きました。

 

同級生のお父さんに “ミッキィ” と “テイジくん” がいます。

この ”ミッキィ” のイントネーションは、千葉県にある某ネズミの国のネズミの呼び方とは

また違ったイントネーションなのですが、それはそれとして。

 

この “ミッキィ” 、良く言えば個性的な歌声。

悪く言うと音痴でした。

ごめんねミッキィ。

 

その “ミッキィ” と “テイジくん” が2人で歌う定番の曲がありました。

 

山本コウタローとウイークエンドの『岬めぐり』。

 

2人は普通に歌っているつもりです。

でも、見事にハモるのです(笑)

奇跡のコラボレーション。

子ども達はもう大爆笑。

 

今では一緒にカラオケに行くことなんてなくなってしまったけれど、

また久々に聞きたい、2人の『岬めぐり』。

 

 

文:和田亜美 絵:川原将太

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土佐町ストーリーズ

化粧地蔵(土居)

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「ワシらぁが子どもの頃にはもうあった。誰が置いたのか、どうして置いたのか・・・」

 

土佐町役場の駐車場の片隅にひっそりと佇むお堂があります。

その中には一体のお地蔵さん。

そのお地蔵さんは、顔と手が白く、体は全体的に緑色で袴の部分が黄色。

白い顔には、黒いラインで目と瞼と口が描かれています。

そのお地蔵さんは化粧地蔵と呼ばれています。

最初に「化粧地蔵っちゅうのがあるんじゃ」と聞いた時は、いわゆる女性がするお化粧を想像したけれど

そうではなく、全体的に色が塗られている、そんなお地蔵さん。

 

「お四国巡拝みたいなことをして回りよった人、といういわれがあるけんど定かじゃないねぇ」

そう教えてくれたのは和田富雄さん。土居に住む80歳。

両サイドにも石像があり、こちらは欠けたり頭がなかったり。

 

「ワシらぁが子どもの頃にはもうあった。誰が置いたのか、どうして置いたのか・・・」

「お正月とお彼岸にはお大師様と一緒にお祭りするねぇ。お膳とお茶を用意して」

「地域を守ってくれゆうお礼にね」

お大師様と阿弥陀如来が、化粧地蔵が祀られているお堂の裏側に置かれています。

 

そのお堂の中には、昭和62年にこの化粧地蔵のことを取材した高知新聞の記事が

切り抜かれてクリアファイルに入った状態で置かれていました。

その記事は、喫茶「みなみ」の主人である和田裕吉さん(当時43歳)に聞いた話でした。

この化粧地蔵は、九州の山伏がここへ来て行き倒れになったものをお祀りしたものだと言われているとのこと。

もとは濡れ仏だったものを裕吉さんのお母さんが小さなお堂を作って安置されたとのことです。

 

この記事が書かれる数年前、裕吉さんが夜中にふっと目を覚ますと、

お風呂場に煙がもうもうと立ち込めているのを発見。

朝まで寝ていたら火事になるところだったけれど、目が覚めたのはお地蔵さまが助けてくれたのだ。

そう思ってそれ以来毎月十日と二十日にはお菓子を供えてお参りしていたそうです。

 

今でも、工事などでここを通る、という時などは建設会社の社長さんがお供えをしてお参りし、

「ちょっと通らせてください」とお願いするとのこと。

 

 

文:和田亜美 絵:川原将太

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土佐町ストーリーズ

オハル淵とモチガ淵

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昔、自分が子どもだった頃は、友達と連れ立って川へ遊びにいったものだけど、

今自分が親になってみると、子どもだけで川へ行かせるのはとても不安。

そんな話をしていたら、町長登場。

土佐町長 和田 守也。昭和31年生まれ。

 

 

『相川には“オハル淵”っちゅうところがあってにゃあ、そこでは泳がれんと

親からキツう言われちょったんじゃ。』

 

『相川口からアラカシの坂を少し上ったら左手の川に大きな岩があるがにゃあ、

その辺を“オハル淵”っていうがよ』

 

『“オハル”という人が溺れて亡くなったき、泳がれんと言われよったがにゃあ。

本当かどうか知らんけど。』

 

『床鍋のカーブの辺も、“モチガ淵”とゆうて、泳がれんと言われよった。

こっちは餅を背負うて歩きよって、足を滑らせて亡くなった人がおるき

“モチガ淵”とゆうらしいけど、そんな話あるかにゃあ(笑)』

 

適当か!

 

でも、昔の人達は、そうやって子ども達を危険なところに行かせないように

していたんだろうなぁ。

そういう言い伝えをたくさん教えてくれる。

町長の話は尽きない。

 

文:和田亜美 絵:川原将太

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土佐町ストーリーズ

夏の思い出

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30年くらい前、保健福祉センターが建っているところには公民館がありました。

当時小学生だった私。

ある夏のこと。

公民館の横の木だったか、電柱だったかにとまっているセミを見つけたのです。

虫取り網を持っていなかった私は、何を思ったのでしょう、

石をぶん投げてセミを捕ろうとしたのです。

石はセミから大きく外れて、公民館の窓ガラスをぶち破りました。

(いかん!逃げようか・・・)

と思ったものの、足は動かず。

そうこうしているうちに中からおんちゃんが出てきました。

『この石、投げたのあんたかね?』

『はい・・・』

怒られるー!と思ったけれど、そのおんちゃんは

『よく正直に言うた、窓ガラスはかまんき』

と許してくれたのです。

その時の私がどれほどホッとしたか。

 

あれから30年。

あの時のおんちゃんは、町長になりました。

 

 

文:和田 亜美  絵:川原将太

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