2023年1月

土佐町ストーリーズ

95年間のキヨ婆さんの思い出 19

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土佐町栗木地区に近藤潔さん(95歳)という方がいます。潔さんは書くことがとても好きな方で、今まで、高知新聞の「あけぼの」というコーナーに何度も投稿されてきました。とさちょうものがたりでは、「95年間のキヨ婆さんの思い出」と題し、土佐町で過ごした思い出を綴ってくれます。

 

高知の生活の始まり

高知で最初に住んだ家は、相生町という高知駅の少し東でした。学校は、家から十分位の所の第二小学校でした。校門の前に堀川があって、川向うには、山田八幡宮がありました。運動場も広くプ-ルもあるし、生徒の多いのにびっくり。一学年が三級にA、B、Cと別れていて、私はB組女子ばかりで、先生は百田先生。中年の優しそうな先生でした。

チビなので一番前、岡村輝子さんと並びました。学級毎にスピーカ-があり、給食も注文で食べられて、相川の学校とは何もかも違っていました。

馴れるまで一番困った事は、言葉使いでした。何か喋ると皆に笑われるのです。その点、一年生の妹は、平気で相川弁で喋っていました。

一番先に仲良しになったのは、村上さん、西澤さんでした。二人共、色々と教えてくれて助かりました。今でも目を瞑ると浮んで来ます。

父は当時「土陽新聞」の仕事で郡部を廻っていたらしく何日も帰らず、母は牛乳屋の壜洗いに一生懸命働いていました。

今から八十四年も昔々の思い出です。

 

 

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私の一冊

西野内小代

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「聖書がわかれば世界が見える」 池上彰 SBクリエイティブ

「目からうろこ…」という表現は聖書に出てくるエピソードに由来している。

アメリカの巨大企業が利潤を投入して、益々規模を拡大し、莫大な収益をあげるのに躍起になっている根底には、「勤勉であれ、時を無駄にしない」などという神の教えに忠実であるという精神が宿っているため。

ブッシュ大統領(息子)の「十字軍~」という失言により長き戦争(9.11以降 約20年間)に突入してしまったのは、十字軍の何たるかについての知識不足が引き起こした悲劇という事実。ロシアのキリク教皇がウクライナ侵攻を祝福(肯定)した経緯。選挙において巨大宗派の支持を得られなければ、当選は危うい、そのための対策が必須であるらしい。

宗教と一口では片づけられないキリスト教の勢力を、アメリカ大統領選挙に関する解説で実感。

このように一国の文化・政治に深い影響力を持っているのがキリスト教である。世界的ベストセラー「聖書」を読んで、世界共通の常識を身に着けようと「あとがき」に書かれている。

いつもながら理解しやすく説得力のある池上さんです。

 

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土佐町ポストカードプロジェクト

2022 Dec. 2 和田

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和田小学校 | 池沢稟・花・藍

 

冬にはやっぱり雪景色が撮りたい。
高知県で記録的な大雪が降った翌日。

国道沿いでは残念ながら雪は跡形ものなく溶けて消えていたものの、少し標高の高い和田地区に行けばこの雪景色。

現在では廃校になった和田小学校の校庭は、明らかに誰ひとり足を踏み入れていないまっさらな状態でした。

自然と追いかけっこと雪のぶつけ合いっこが始まる稟ちゃん・花ちゃん・藍ちゃんの3姉妹。

和田小学校で響く子どもたちのうれしそうな歓声は、久方ぶりのものだったのではないでしょうか。

 

 

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読んでほしい

新年を迎えて

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昨年末、実家に帰省するため、高知龍馬空港から飛行機に乗り、窓から眺めた空はどこまでも高く、青く、澄んでいました。眼下の海はいくつもの波がさざめいては光り、その変わらぬ繰り返しが眩しくて目を細めました。山頂が白く染まった稜線が見え、連なるように緑深い山々が続いていきます。その谷間に道があり、家があり、街がある。そこには人の営みがあります。遡れば、山谷を自ら歩き、道を切り拓いた人たちがいただろうことにも思いを馳せました。

この空はどこまでもつながっていて、辿っていけば世界中どこへでも行くことができます。世界は広く、美しい。一方、この同じ空の元、ロシアによるウクライナ侵攻は続き、日本では元首相が殺害され、新興宗教団体の言動がより明るみに。度重なる値上がりに生活は圧迫され、コロナ禍の終わりも見えず。争いや憎しみ、行きどころのない閉塞感の感触に息苦しさを感じていました。

でも、土佐町での暮らしの中に救われるような瞬間がいくつもありました。近所で顔を合わせた人との「おはよう」や、晴れた日に交わした「いい天気ですね」といった何気ない一言。「元気にしてる?」「大丈夫?」という相手を気遣う言葉。ある日、玄関先に届けられていた野菜。届けてくれた人に「ありがとう」とお礼を伝えること。その出来事がどんなに嬉しかったか。驚くほど目の前の風景が違って見えました。

争いや憎しみを生むのも人間であれば、救うのも人間なのだと感じています。そして、その人間自身を助けてくれるのは、特別なことではなく、日々の何気ない、さりげない日常なのかもしれないと今思っています。そして、その日常こそが、人間らしさなのではないかと。

いいこともしんどいことも、楽しいことも悲しいことも、全部ひっくるめた中で何を支えに生きていくかというと、一見当たり前のような日常なのではないか。だから、当たり前のように毎日を送れるような社会であることが大事なのだ、とそんなことを考えた新年でした。

難しく考えすぎるのではなく、格好をつけるわけでもなく、人間らしい言葉を発し、行動する。当たり前を、何気ないことを大事に。そのことを忘れずに、この町での2023年を過ごしていきたいと思います。

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あけましておめでとうございます。

みなさま、今年もよろしくお願いいたします。

とさちょうものがたりは今年も、土佐町を視点の軸にしながら、人として大切なこと、自然や暮らしの美しさを形にしてお伝えしていく所存です。

日本では、世界では、日々さまざまな良いこと悪しきことが絶えず起こりますが、そんな時にこそ立ち返れる日常の小さな視点をご紹介していきたいと思っています。

今までと同様、みなさまのチカラを借りることも多々あると‥‥というか借りてばかりな気もしますが、多々あると思います。

2023年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

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