「中先代の乱 北条時行、鎌倉幕府再興の夢」 鈴木由美 中央公論新社
鎌倉時代から室町時代への過渡期、歴史の推論と事実との整合性について古文書などを根拠に追求した書籍です。
北条氏を先代、足利市を当御代と呼び、その中間にあって一時的に鎌倉を支配したことから「中先代の乱」と言われる。
鎌倉時代が終わり、南北朝時代を経て室町幕府の成立へと移行、詳しくは把握していなっかたけれど、北条氏の抵抗はなかなかしぶとかったとこの本を読んで理解した。潔く自害するのが武士の世界と思いきや、何度も逃げて再起を誓う。まさしく北条時行はそういう人物。
たった20日間だけではあったが鎌倉を奪還した事実には、彼のリーダーとしての資質に感服する。
ただ享年25歳、人生のほとんどを一族再興のために戦ったと思うととても切ない。