「あなたが誰かを殺した」 東野圭吾 講談社
有名な別荘地で起きた連続殺人事件、犯人は直後に自首するが、黙秘を続けるために謎は解明できない。被害者の家族が集まり、真相を知るための「検証会」が開かれる。
集まった人々はそれぞれ「あなたが誰かを殺した」という手紙を受け取っている。集まった中に被害者家族以外の人が2人居る。1人は敏腕刑事、もう1人は自身を偽った人物として参加している。
刑事の導きにより真相が徐々に明らかとなり、犯人と共犯者の2人が確定され、これで事件は解決と読者は油断する。果たして刑事の推理はまだ続く、「あなたが誰かを殺した」という手紙の伏線が見事に回収される。3人目の容疑者が居たのである。
アガサ・クリスティーの作品を彷彿させるような構成に感じられたが、やはり東野圭吾ワールドが際立つ作品だった。