私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

西野内小代

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「雨かんむり漢字読本」 円満字二郎  草思社

「雨かんむり」だけで一般向けの本ができるなんて…!という興味で読み始めた一冊です。

漢字のルーツ、そしてそこから意味等を憶測する推理力!

豊富な知識あっての根拠ある想像となり、説得力も増してきます。

確実な知識という礎の上にこそ明確な類推は存在する。

漢字の美しさに触れた一冊でした。

西野内小代

 

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私の一冊

重光通子

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「もしも魔法が使えたら  戦争孤児11人の記憶」 星野光世 講談社

今年も終戦日が来ました。

この時期、戦中戦後の様々な出来事が報道されますが、身寄りを亡くした子供達がたくさんいたこと、又、その子供達がどのような道をたどったのか話題になることは少ないと思います。

ゴミのような扱いをされ、山に捨てられ、多くの子供達は死しかなかったでしょう。そんな中で生き残った数少ない方々のこの事実を後世に残したいと書かれた本です。

戦後74年、沖縄の地上戦、そして日本中が戦火で焼土になった事が風化されつつある今、今ある平和は“二度と戦争をしない”と明記した憲法が、日本が戦をしない歯止めになって守られて来たと私は思っています。

愛おしい人たちが二度とこの様な事にならないことを願いつつ、戦争の悲惨さを少しでも覚えている世代として、ぜひ多くの方々に読んでいただきたい一冊です。

重光通子

 

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私の一冊

西谷紅葉

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「山賊ダイアリー」 岡本健太郎 講談社

狩猟生活は世の男子の夢!のはず!

僕はこの漫画を読んで田舎暮らしをしようと決意したところもあったりします。

免許を取り、罠を作るところから獲物をさばいて食べるところまで、親しみやすい絵でユーモラスに描かれているのでリラックスして読むことが出来ます。

サバイバルの豆知識もたくさん出てくるので為になりますが、この漫画の真骨頂は食レポにあります。

ん?雑か?と思いきや主人公の表情で美味しさ度合いが伝わってきて、言葉が少し足りないところも想像力を刺激し、「食べたい!」気持ちを駆り立てられます。

全7巻で完結していますが、続編の「山賊ダイアリーSS」という海をメインに描かれた漫画も出ているので、そちらも合わせておすすめします。

西谷紅葉

 

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私の一冊

藤田純子

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「富士山うたごよみ」 俵万智 短歌,文 U・G・サトー,絵 福音館書店

自転車のカゴからわんとはみ出して 何か嬉しいセロリの葉っぱ

今日までに 私がついた嘘なんて どうでもいいよというような海

はなび花火 そこに光を見る人と 闇を見る人いて並びおり

さよならの形にススキが手を振って 駆け抜けてゆく 風の輪唱

落ち葉踏む音を比べて歩く道 しゃかしゃかはりり しゅかしゅかぱりり

湯からあげ タオルでくるむ 茹でたての ホワイトアスパラのようだね

藤田純子

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「ヴィオラ母さん」 ヤマザキマリ 文藝春秋

漫画「テルマエ・ロマエ」を描いたヤマザキマリさんが、自分を育てたお母さんのことを書いた一冊。

現在86歳というお母さんが20代の頃、まだ女性が仕事を持つということが難しかった時代に「やりたいことをやる」とヴィオラ演奏家になり北海道へ移住、各地で開かれる演奏会をこなしながら、なかなかのハチャメチャぶりで二人の娘を育てていく。「これはすごい…」と思わず唸ってしまうような出来事の数々がこれでもかと飛び出して来ます。

当時、女性が自分の思いを貫き通すことは相当の覚悟がいることだったでしょうし、並大抵のことではなかったと思います。そのお母さんのそばでマリさんは、お母さんの背中をちゃんと見ていたのだとわかります。

「鼻息荒く駆け抜ける野生の馬のように自分の選んだ仕事をし、子供を育てて来た一人の凄まじき女の姿を思い浮かべてもらうことで、自分や子供の未来に対してどこまでも開かれた、風通しの良い気持ちになってくれたら嬉しく思う。」

もう一度「テルマエ・ロマエ」を、そして他の著書も読んでみたくなりました。

鳥山百合子

 

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私の一冊

石川拓也

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「日本の文脈」 内田樹, 中沢新一 角川書店

内田樹と中沢新一。二人とも1950年生まれの同学年という思想家が、さまざまな機会に対談をしたものを綴った対談集。

内田樹は、古武道や能を通して「中世の日本人の体の動かし方を知りたい」と考える。その先には日本人の精神性の大元はどういうものだろう?という疑問がある。

中沢新一は、「アースダイバー」の著者。元々はチベット密教を体験体得し、それを科学的に、なお且つ平易な言葉で表現できる人。その地点から「日本とは?」という問いを発する人。

だいぶ乱暴な説明になってしまいましたが、この二人、アプローチは全然違うのに考えていることは大きく共鳴しあっているようで、それが対談を通して伝わってきます。

特に日本文化に対する眼差しは厳しくて温かい。「日本文化の中心は実は空っぽで空洞です。本質はその周縁部にある。」といったような指摘は思わず「なるほど」と手を叩いてしまいました。

 

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私の一冊

西野内小代

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「平成史」 保坂正康 平凡社

 

重大事件等の羅列かと思いきや、昭和の精神・昭和の出来事の分析、その後に引き起こされた事象を深く追求し、引き継がれた平成での事象とを関連付け、論理的に平成という時代を検証した内容でした。

平成の時代に起きた特異な事件や事故がその後誘発した流れは、政治的な分析も含め昭和と相通じる事。
ぼんやりとしているようで、しかしながら確実な平成の流れは、やはり過去と同じリズムで繰り返されている事。

現代社会を真面目に論じた内容でした。

西野内小代

 

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私の一冊

藤田英輔

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「師匠は針 弟子は糸」 古今亭志ん輔 講談社

「遊ぶ時期に遊んでおかなきゃ水藻も苔も生えないんですよ」。
きれいな水槽に当たる光は反射せずにただ通るだけ。透明な落語になる。行儀は良いけど詰まらない。

そんな考えから「如何にも芸人らしい」生活を送ることで「生涯を漠然と生きる」ことの怖さにフタをしてきた。

師匠(古今亭志ん朝)が63才で亡くなる(2001年10月)。当時48才の弟子の自分との年の差が15。「15年という期限付きで生きてみよう」。そう決心する。1年にひとつの落語を完成させたとして、15年でたった15席。しかし、完成はあり得ないと本人は云う。「死んだ気になって」とは、こういうことかと思いながら実践した。

そして道半ばの現在(2011年)改めて気づいたことが「他人は他人。自分は自分」。もうひとつ「落語を普通にやる」。
「端っから判りきったこと、そのままじゃん」と正直な処、思った。しかし、考えてみると、「改めて気付く」ということは『過去を含めて肯定すると考えられるので、早く気付くに越したことはないが遅すぎることはない』が本当の処だと解釈したい。そして、自分自身「改めて気付く」ということが大事なことだと改めて気付いた。

志ん輔さんは落語家。
・1953年9月 東京生まれ(大塚英夫)
・1972年3月 志ん朝に入門(朝助)
・1977年3月 二ツ目昇進(朝太)
・1985年 9月 真打昇進(志ん輔)

現在の高座を一落語ファンとして楽しみにしている。できればLiveでね。(テイク・ファイブ. スターダスト♫ つい聴いちゃった)

藤田英輔

 

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私の一冊

藤田純子

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「昭和こども図鑑」 奥成達 文,  ながたはるみ 絵 ポプラ社

昭和30年代、当時は全員で映画を観るという小学校の学校行事がありました。田舎の小学校で、子どもたちに文化的な娯楽のチャンスを与えてくれたのでしょうか。私の小・中学生の頃、それはそれは時間の流れがゆったりしていました。

この本に載せられている生活の道具や様々なあそび。庶民の暮らしぶりは本当に懐かしい。今よりずっと不便で貧しかったけれど、素朴であたたかい人情があり、暗黙の規律やルールが人々の中にあって生きやすかった気がする。

セピア色になってしまった今は亡き家族、かわいがってくれた親族、近所の人々、子どもだった自分の様々な出来事が、くるくるくるくる蘇って、何だか胸がいっぱいになりました。

 

*「マタンゴ」という映画を見たことがありますか?
難破船が流れ着いた島で食物を探していると、森の奥にキノコが大量に生えており、それを食べると体からニョキニョキとキノコが生えて、ついにはキノコのバケモノになってしまう…。「おいしいよ、おいしいよ」と手招きしつつ、体がキノコに侵略されてゆく気味悪さ。世にも恐ろしい内容で、子ども心に強烈な恐怖心が植えつけられ、夜中のトイレがイヤだったこと(笑)。この映画を小学校の総見で1年生から6年生まで全員で観たのです。「先生、どうして“マタンゴ”を選んだの?」と今でも不思議(笑)ですが。

藤田純子

 

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私の一冊

西野内小代

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「消えた21億円を追え」 NHKスペシャル取材班   朝日新聞出版

 

日本の高度成長期、「コンピューター付きブルドーザー」・「今太閤」等、数々のキャッチコピーを冠した経済発展の中心人物「田中角栄さん」。カリスマの代名詞のような総理大臣でした。

そして彼の政治人生終盤での落とし穴「ロッキード事件」は新聞・テレビで連日報道された大疑獄事件でした。詳しい経緯も不明なまま幕を閉じたように記憶しています。

ロッキード社から戦後最大のフィクサーに渡ったとされる21億円の謎が解明されていない為に、焦点の定まらない結果となったままなのです。

この本はNHKスペシャル「未解決事件」シリーズの為に40年ぶりに再取材した内容を活字にしたものです。経済をコントロールする政界、更にその裏で暗躍する黒幕達への直接取材等で明らかになった新事実が展開していきます。

人間の欲望が世界を駆け巡り、政治をも操作する怖さ・国家の深き闇が行間からにじみ出てきます。

西野内小代

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