私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

西野内小代

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「現代語 古事記」 竹田恒泰 学研

「古事記、おもしろいよ」と次男が言っていたのを思い出しこの本を買ってみました。

「序にかえて」で『日本は現存する唯一の古代国家』と書かれています。全く意識していない事だったので、驚きと共に少し誇らしささえ感じました。

【私にとっての法則:古事記=神様大発生=覚えられない=読まず嫌い】でしたが、「神様と人の名前が出てきたらすぐに忘れること」という記述に後押しされ、どうにか読破できました。古事記における神話は絵本や童話でチラホラ知ってはいるものの、単発的な読み物としての枠でした。

世界最大のベストセラー「聖書」は『高尚さ』『教養人としての常識』を感じさせるのに対して、同じ神話というカテゴリーにおいて「古事記」というと荒唐無稽な絵空事と感じてしまう。日本人として「古事記」という書物を大切に伝えていかなければ…と、少なからず使命を感じた読後です。

西野内小代

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「繕う暮らし」 ミスミノリコ 主婦と生活社

薄くなった靴下のかかと、Gパンのズボンのポケット、木登りして盛大にお尻の部分が破れた息子のズボン、転んで穴が空いたズボンの膝小僧。

裏側から布を当てて、色々な色の糸でチクチク繕う。夜は眠くなってうとうとしながら縫うので、針で指を刺してハッと目が覚める。

息子が小さかった時、穴のあいた箇所をチクチクと繕ったズボンを嬉しそうに学校へはいていった。そうやってちょっと手を加えたものは古くなっても小さくなってもなかなか手放せず、引き出しに大事にしまってある。

ひと針ひと針、針を進める作業は自分の心と会話する時間でもある。

ざわざわ、モヤモヤする気持ちを軌道修正しながら、縫いあがってちょっとかわいく生まれ変わった靴下やズボンをたたむ。ふと見渡した周りの風景が、いつもとはちょっと違うものに見えたりする。

鳥山百合子

 

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私の一冊

石川拓也

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「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」 ヤニス・バルファキス ダイヤモンド社

 

著者のヤニス・バルファキスは、ギリシャの経済危機に際して財務大臣であった人物です。

お父さんが10代の娘に説いて聞かせるように、平易な言葉遣いで、経済の本質的な部分を整理して語っているのがこの本。

経済という、誰もが無縁でいられないけれど誰もが実態を分かっていないものを、根本から紐解こうとしていることに面白みがあります。

この時代、システムが大きく複雑になりすぎて、人間を振り回すような状況になってきています。

その始まりは人間にとって必要だから作られたはずのシステムや制度が、いつの間にやら形骸化して中身のないものになっていたとしても、システムだけは回り続けて人間を振り回すようになっている。そういう意味では「経済」というシステムはその中でも最大最強のものではないでしょうか。

その状況を前にして、人間としてどういう態度をとるか。

◯既存のシステムの中で良い点を取れるように頑張るか
◯古いシステム自体を塗り替えて次の世の中を作ることに力を注ぐか

実は意外と近いところにその選択肢を選ぶときが来てるのかもしれません。

 

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私の一冊

藤田英輔

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「くじけないで」 柴田トヨ 飛鳥新書

少し弱気になった時。

自分の年齢を思う時。

一寸立ち止まって想い返したい時。

開いています。

特に「こおろぎ」に共感します。

ねえ、「ほんとうは…」何だったの?何を想ったの?

藤田英輔

 

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私の一冊

尾崎康隆

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「ドオン!」 山下洋輔 文, 長新太 絵 福音館書店

うちから追い出された“オニのこ ドン”と“にんげんのこ こうちゃん”。
ふたりの間で突然始まったドラムバトルに、気づけばおとうさんやおかあさん、ペットのねこやうし、まちのみんなも加勢して…。

ドンドコ ドンドン ドン!

ドコンコ ドコンコ ドン!

ドンドコ ドンドコ ドコドン ドン!

ドカシャバ ドカシャバ ドカドカドカ!

ドンカカ ドンカカ ドカカカドン!
そして、不意にみんなが同じタイミングで鳴らした「ドオン!」

 

長新太さんの絵本は大好きで子供たちにもよく買って帰るのだけど、その中でも、ジャズピアニストの山下洋輔さんと共著したこの本は特別。
「みんなで生きる」って、きっとこの本で描かれたようなことだと思う。
ひとりひとり違うリズムは、ひとりひとり違う意見や哲学をもっているってことでもあって、それがぶつかり合うとケンカになることもある。
けど、ふとしたタイミングで、同じ「ドオン!」を鳴らしてしまうこともあって、ワッハッハって笑って「またやろうね」って別れることもある。

ひとりひとり違う人間。無理に合わせる必要なんてない。
それでも、ちょっとした一瞬の「ドオン!」があれば、一緒に生きていけるんだよ。

尾崎康隆

 

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私の一冊

藤田純子

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「牛をかぶったカメラマン」 レベッカ・ボンド 光村教育図書

この本はまさに、事実は小説より奇なり!でございました。

ロンドンの町にまだ馬車が走っていた頃、リチャードとチェリー兄弟が、鳥たちをできるだけ刺激せず自然体で撮影するために、様々なカモフラージュを自作したり、困難も危険も気転にサバイバルしたり、自分たちのわくわくを探求するまっすぐな心で成し遂げていった素晴らしい功績のお話です。

特になんとか工夫するという精神を大いに発揮して実現させていく行動力には、読んでいて彼らのわくわくが伝わりました。
本の最後には、実際の撮影風景も載せられていて「本当にこんなことをしてたんですね!」って。

実はここが一番好きでした。
やはり事実は、心に訴えるものがありますね。

藤田純子

 

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私の一冊

西野内小代

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「人は皆、土に還る 」 曽野綾子 祥伝社

カトリック教徒の曽野綾子さんの作品です。
援助の品を送った国には、そこがどんなに渡航に困難な地域でも必ず自らが赴き、ご自分の目で援助が正しい目的で使われているかどうかを確認されるというパワーの持ち主です。

そこらのエセ篤志家とは格が違います。作品にも説得力があります。

 

世話をし過ぎると成長しない植物、手厚く世話をしないと成長しない植物、そこの見極めが人間社会でも同様であると関連付けられています。

この本から実行してみた事があります。

落花生を植えてみました。やせた土地でもよく育つツートップらしいので…。

畑仕事初心者でも大丈夫かしら?

西野内小代

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私の一冊

石川拓也

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「空をゆく巨人」 川内有緒 集英社

噴火直前のマグマのようなエネルギーを感じる一冊です。

蔡國強さん(さい・こっきょう・ツァイ・グオチャン)といえば、現代アートの世界で知らない人はいないぐらい世界的評価を受けている芸術家ですが、彼が無名の若者だった頃から、とても力強いサポートをし続けていた実業家がいました。福島県いわきに在住の志賀忠重さんという方です。

この本は、そのふたりの出会いと絆を追ったもの。

一見、無茶と思えるような蔡さんのビジョンや計画を、志賀さんと、時にはいわきの人々と一緒に乗り越え実現させていく様子が詳細に描かれています。

蔡さんは、いわきの人々に支えられながらアート作品を具現化し、それが蔡さんが世界的に評価を受けるきっかけにもなったのですが、志賀さんをはじめとしたいわき陣も、「サポートしている」という感じでもなく、「一緒になって遊んで楽しんでいる」とでもいうような軽快さがあったようです。

何か大きなプロジェクトが、参加している人たちにとってはあんまり意味はわかんないんだけど、大きな熱気や大きな流れとなって実現に一気に向かう様子が爽快です。

得体の知れないものが実現しようとしているという感覚は、人々の助けを借りないと完成できないような大きなアート作品にとっては、参加する人々のひとつの強い理由になるのでしょうし、単純に楽しそうだなと思います。

蔡さんが世界を相手にぐいぐいと快進撃を続け、それとともに活動範囲もどんどん広がり、蔡さんの作品制作をサポートするいわきの人々も世界の美術館に赴いて制作を行う。現地の美術館関係者には「チームいわき」と呼ばれながら。

最高かよ、と唸ってしまう関係ですね。

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「ながい旅でした。」 砂浜美術館 編集・発行

「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です」

この本を作ったのは、高知県黒潮町にある「砂浜美術館」。

町に新しいハコモノを作るのではなく、もともとここにある海や砂浜、ここにある季節に沿った人々の営みや知恵を「作品」として、この環境そのものを美術館にしようという考えで砂浜美術館は生まれたそうです。
時は1989年、今から40年前。その考えにとても共感します。
40年もの間、この考えでやり抜いてきたことには並々ならぬ苦労もあったことでしょう。

今年のゴールデンウィークに訪れた黒潮町の砂浜美術館でこの本を購入しました。少し黄ばんだこの本を手にした時から、この本の持つ体温が伝わってくるようでした。本にはそういう力と役割があるように思います。

黒潮町の海に打ち上げられたものが紹介されていて、くじらの骨ややしの実、船のスクリューや気象観測器といったものもあります。

2枚目の写真はその中のひとつ「海流ビン」です。アメリカのブライアン君(当時11歳)がタンカーで働く人に頼んで太平洋側に流したもの。9ヶ国語でメッセージが書かれており、瓶の口はロウで固められて水が入らないように工夫されていたとのこと。16歳になったブライアン君からは「理科の実験で流した」と返事が届いたそうです。流れ着いたものにも物語があるのですね。

この本の中にこんな文章があります。

「海岸に流れ着いたものを、単なるゴミとしかとらえることのできない感性より、素敵な砂浜美術館の作品、そうとらえられる感性。それが私たちの求める姿です。」

私たちのそばにも「作品」となりうるものが、あちらこちらにあるのではないでしょうか。

鳥山百合子

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん」 エルサ・ベスコフ 作, 絵 福音館書店

お母さんのお誕生日の贈り物をブルーベリーとこけももにしようと考えたプッテ。森のあちらこちらを探したけれど見つからず、しょんぼりしていたところに現れたのは小人のおじいさん。その人はブリーベリー森の王様でした。森の動物たちや王様の子どもたち、こけもも母さんのおかげでブルーベリーとこけももがカゴいっぱい集まって、このお話は終わります。ページを開くたび、なんて美しい絵なのだろうと、ずっと眺めていたくなります。

いつのことだったか、お菓子の中に入っていたブルーベリーに気づいた娘が「あ、プッテが食べてたブルーベリー!」と言ったことがありました。
娘が大きくなった時、いつかどこかでこの絵本に再会することがあったら、プッテと友達だったことを懐かしく思い出したりするのかな。

絵本はそんな楽しみもつくってくれます。

鳥山百合子

 

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