浪越美恵

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

浪越美恵

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「沈まぬ太陽(五)会長室篇・下」 山崎豊子 新潮社

時の総理からのバックアップにより、安全の確立と組合統合という目的に向かって、国見会長と恩地は苦労を分かち合って行くのだが、航空会社の利権にかかわるありとあらゆる人間達の妨害により改革は進まない。

強力なバックアップを約束した総理でさえ、最終目的は航空会社の民営化に備え、再建による好材料を揃えて、然るべき利権を得ようとしていることに、国見は改革の無力を感じ、最後は司直の手を借りなければとまで追い詰められて辞表を書く。

しかし、最終的には会社の一人の職員が利権をあばいたノートを東京地検特捜部へ送って自殺した事により、司直の手が入る事になる。

そして恩地は、ご遺族係としての仕事を全う出来ず、会長室のメンバーとして重要な役割を果たせない立場にたたされ、再びアフリカへ追いやられたところで、物語は終わった。

 

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「沈まぬ太陽(四)会長室篇・上 」 山崎豊子 新潮社

御巣鷹山の事故後、新会長についた国見は、二度とこのような事故を起こしてはならないと言う強い信念のもと、航空会社の改革を始めるが、次々と発覚する不正と乱脈、新旧労働組合の埋められない深い対立等、難題が立ちはだかる。

しかし国見は、会長として航空会社の「絶対安全」と言う目標を持って、現在の難局を乗り切ろうと切々と職員達に協力を求める。

そして、アフリカから本社へ戻されてもまた、十年以上閑職につかされていた恩地元を、会社再建と言う大きな目標達成に力を貸してもらいたいと、会長室の部長に抜擢する。

改革が少しでも前に進む事を願って「会長室篇・上」を読み終えた。

 

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「沈まぬ太陽(三)御巣鷹山篇」 山崎豊子 新潮社

今でも忘れる事の出来ない、36年前の520人が犠牲になった日航機墜落事故。

今年も、御巣鷹の事、新聞紙上で目に留まりました。

すべて事実ではないにしても、凄絶な墜落現場の描写や、肉親の遺体を探し求める遺族の苦しみや悲しみ、やり場のない怒り。

補償交渉の非情な現実。

この篇もまた、小説であることを忘れて読み切りました。

 

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「沈まぬ太陽(二)アフリカ篇・下」 山崎豊子 新潮社

沈まぬ太陽アフリカ篇・下は、家族との別離、果てしなき孤独を支えたアフリカの大地・理不尽な「現代の流刑」に耐える主人公と家族の宿命の転変とあります。

主人公・恩地元は、航空会社の組合活動により、会社から海外の僻地へ追いやられ中近東からアフリカまで十年近く苛酷な運命を生き抜きますが、日本で待っていてくれるかつての組合員仲間のためにどんな帰る条件を出されても首を振りません。

しかし、アフリカでは果てしない孤独に襲われ自分を見失いかけますが、それにも耐え忍び、日本への帰郷が実現します。長編ですがすべてが事実かとも思われる文章に最後まで一気に読みました。

 

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「沈まぬ太陽(一)アフリカ篇・上」 山崎豊子 新潮社

この本は(一)~(五)まであるのですが、まだ(一)だけしか読んでいません。巨大な航空会社のおそるべき裏面と暗闇…。

時代と組織に弄ばれた主人公の苛酷な左遷。現代の流刑の徒を鮮烈に描くとありました。

山﨑豊子さんは緻密な取材で知られていますが、航空会社や出て来る人達の名前がなんとなく想像できます。組織の冷たさや怖さの中での、主人公の苛酷な運命が気になり、早く次を読んでみたいと思いました。

 

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「太陽の棘」 原田マハ 文藝春秋

原田マハさんの小説は、いつも一気に読んでしまいます。

いつの間にか本に引き込まれ、そこにいる登場人物の気持ちになり、景色を想像し、最後はいつも心地良い。

膨大な資料を元に、まるでノンフィクションように書かれた本が多いですが、とてもおもしろくて読みやすく、その筆力に感激します。この本は、第二次世界大戦後、まもなく、沖縄のアメリカ軍基地の軍病院に派遣された若い精神科医が、貧しくても輝いている芸術家達との交流を通して人生の意義を見出していく。

本の最後にありました、著者の謝辞の言葉を書いておきます。

本作は、サンフランシスコの精神科医、スタンレー・スタインバーグ博士との出会いなくして、生れ得なかった。

本作執筆にあたり、数々の貴重な資料の提供と、また博士が精神科医として、1945年から50年まで、沖縄アメリカ陸軍基地に勤務し、ニシムイ美術村の芸術家達との交流した記憶をすべて語っていただいたことに深く感謝申し上げる。以下略。

 

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「ローマ法王に米を食べさせた男」 高野誠鮮 講談社

最初タイトルを見た時、いったいどんな人が書いたのかと略歴を見たら、石川県羽咋市教育委員会文化室長・元科学ジャーナリスト、テレビの企画構成作家として「11PM」「プレステージ」など手がけた後、石川県羽咋市役所臨時職員となって、農林水産課に勤務して羽咋市神子原の限界集落の脱却に成功し、「スーパー公務員」と呼ばれるとありました。次々と限界集落を蘇らせる為に奇想天外な発想と行動で村人を動かしていく様がテンポよく書かれています。

とにかく、元マスコミにいた人なので、とてもPRが上手で、神子原米をブランド米にする為に、ローマ法王へ献上したり、日本酒を作って、有名なソムリエの田崎真也さんに飲んでもらったりと、ありとあらゆる困難に立ち向っている姿がすばらしく、一度この村へ足を運んでみたいと思わされる本でした。

 

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「置かれた場所で咲きなさい」 渡辺和子 幻冬舎

この本が、私が読んだ渡辺和子さんの本の二冊目ですが、最初のベストセラーだそうです。

置かれた場所で咲く事は、簡単な事ではないと私は思います。置かれた場に不平不満を持ち、他の人の出方で幸せになったり不幸になったりしては、私は環境の奴隷でしかない。どんな所に置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせよう、それは「私が変わる」ことによってのみ可能でしたと、書かれていました。

でもやはり、私はむずかしいと思うのです。

 

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「面倒だからしよう」 渡辺和子 幻冬舎

本は好きなのですが、ほとんど読み飛ばしです。そんな私が二度読んだのが、渡辺和子さんの「面倒だからしよう」でした。ベストセラー「置かれた場所で咲きなさい」の第二弾だそうです。

渡辺和子さんはキリスト教カトリック修道女で、長い間ノートルダム清心学園の学長や理事長をした人で、昭和の二・二六事件で殺された渡辺錠太郎の娘とありました。

内容で心に残った言葉が「不機嫌な顔をしてダイオキシンをまき散らしてはならない」でした。確かにどんな時でも、笑顔を忘れないことはむずかしいですが、この言葉は強烈でした。

 

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私の一冊

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「すべては脳からはじまる」 茂木健一郎 中央公論新社

この方は、テレビでも良くみかけるし、有名な脳科学者である事は、皆さんご存じだと思います。

心も体もすべて脳が命令していると言われますが、脳を理解する事は、つまり人間を理解する事である。

私達は、歓びも哀しみもすべて脳という劇場を舞台に起こる。私たちが体験する世界は、複雑で簡単には見渡すことができないが、究極のところすべては脳に起因するとあります。

これ以上書いても、私の文章力では引用ばかりになりますので、脳に興味ある方は手に取ってみて下さい。

 

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