「沈まぬ太陽(五)会長室篇・下」 山崎豊子 新潮社
時の総理からのバックアップにより、安全の確立と組合統合という目的に向かって、国見会長と恩地は苦労を分かち合って行くのだが、航空会社の利権にかかわるありとあらゆる人間達の妨害により改革は進まない。
強力なバックアップを約束した総理でさえ、最終目的は航空会社の民営化に備え、再建による好材料を揃えて、然るべき利権を得ようとしていることに、国見は改革の無力を感じ、最後は司直の手を借りなければとまで追い詰められて辞表を書く。
しかし、最終的には会社の一人の職員が利権をあばいたノートを東京地検特捜部へ送って自殺した事により、司直の手が入る事になる。
そして恩地は、ご遺族係としての仕事を全う出来ず、会長室のメンバーとして重要な役割を果たせない立場にたたされ、再びアフリカへ追いやられたところで、物語は終わった。