西野内小代

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「六人の噓つきな大学生」 朝倉秋成  KADOKAWA

優秀な就活生六人の関わりを描いた作品。それぞれの個性が際立ち、秀でた描写力で迫ってくる。

伏線に更に伏線が重ねられている、油断大敵である。読み手は作者の意図通り、翻弄されるがままとなる。

最終選考に残った6人の優秀な就活生の中に、自分以外を排除して内定をとりつけようと画策する卑劣極まりない犯人がいる。その6人の中で唯一入社できた一人が入社6年目にして、ふとしたきっかけで、真の犯人探しを始める。

その奮闘と精神状態を綿密に描くことで、読者を混乱の渦に巻き込む。最終ページまで心がざわつく。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「日本史を暴く」 磯田道史 中央公論新社

入荷パトロールに登録すること2回、やっと届いた。さすが人気歴史家さんです。

歴史上の人物や事柄を独自の現代語に変換・装飾してくれるので、とても日本史を身近に感じられる。この本も例に漏れず、古文書からの解説が楽しい!

例えば、鼠小僧は決して「義賊」ではなく、むしろ変態性の素質を秘めたコソ泥にしか過ぎなかった。幕末の会津藩主「松平容保」は「高須四兄弟」とうたわれ、兄弟皆優秀であったらしい。

何故、高須藩のようなわずか三万石の小藩から、このような幕末史を動かした人材がごっそりと搬出されたのか、古文書と出会い子育ての雰囲気を垣間見たと紹介されている。

歴史に色付けをして未来へと誘ってくれる。大河ドラマの見方が変わってくる。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「名著に学ぶ60歳からの正解」 齋藤孝 宝島社

「ぞうさん」の歌詞にそんな解釈があったとは、全く気がつかなかった。

最近、「??歳からの~」と銘打った本が気になる。迷える年配者の救世主となり得るか!?

お手軽に名著を解釈でき、尚且つ人生の指針を学べるかもと、「名著に学ぶ~」という言葉の誘惑に乗ってしまった。が、やはり本編を理解していないと、頭に入ってこない。お手軽と高を括っていたが、なかなかはかどらなかった。

信念・確信を持ち、臆病な自尊心を脱ぎ捨て、孤立しないように心掛けることが必要、と説いている。

「プライドは安いものやで、捨てなはれ」80代の翁の言葉を思い出した。文字で感じるよりも強烈であった。

しかし、「ぞうさん」の歌詞にそんな解釈があったとは!私は思ってもみなかった。気になる方はご一読を。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「赤と青のエスキース」 青山美智子  PHP研究所

題名の謎はエピローグで解明、エスキースとは「下絵」のことらしい。

一枚の絵をベースに、5つの短編のような構成。第4章辺りで「エッ」と気づく。エピローグで糸がほぐされる。

それぞれの章には登場人物に対する深い洞察が含まれており、心模様が描かれている。

20歳前後の恋愛事情を扱った内容の予感がして、楽しく読めるかどうか不安だったけれども、予感は見事に裏切られた。

仕掛け満載の読み応えのある構成だった。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
ほのぼのと

にわとり

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

ある日、手伝いに来てくれた親類の男子が、お隣さんの飼っている「にわとり」を興味津々の様子で眺めていた。

私はふと子供時代の事を思い出した。

昭和30年代の頃は「にわとり」を飼っている家は比較的多かったように記憶している。私の家でも祖母が青菜を刻み、糠を混ぜ込み、竹を半分に割った樋状の餌箱に均等に分け入れる。一日の始まりの光景だった。

発熱のために学校を休んでいた低学年の私に「卵を取って来て」とお仕事の依頼が。鳥小屋に入ると大暴れする「にわとり」が恐怖だった。こわごわ、いやいや入って行った。

そして両手に抱えた。

その中に殻が柔らかく、ブニュブニュしていて、ホカホカの卵が一個あった。ほとんど膜状で中が透けて見えた。恐る恐る、割らないように、慎重の上にも慎重を重ね運ぶ。

しかし、案の定落としてしまう。しばし呆然、固く踏みしめられた黒々とした地面の上で黄身がプルプルしている。動けなくなり、泣いてしまう。様子を見に来てくれた母に優しくなだめられホッとして家に戻った。

あの時の卵の温もり、柔らかさ、あの感触を今でも覚えている。

パックで卵を買う時代、隣の「にわとり」を見つめていた男子に、日常に溶け込んでいた新鮮な感情を蘇らせてもらった。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「天路の旅人」 沢木耕太郎 新潮社

この本の作者さんがNHKのクローズアップ現代に出演されていたのを偶然目にし、即ネット注文した。

この分厚い本を、さて完読できるのだろうか…と悩ましく思いながらページを開く。いやいや、とんでもない!ページを繰る手が止まりません。

第二次世界大戦末期、敵国である中国の奥深くまで、蒙古人になりすまして潜入した「西川一三」の8年に及ぶ旅の軌跡です。

スパイ物の映画のような華やかさは一切ない、一歩一歩文字通り自分の足でヒマラヤ超え数回、冷たい大河に浸かりながら渡り、ひたすら前に進む。チベット語・蒙古語・ウルドゥー語・ヒンドゥー語・中国語・英語を自由に操る、勤勉家でもある。

西川一三さんの記した「秘境西域8年の潜行」という書物があるらしいのだが、膨大なページ数らしい。興味はあるが、読破は困難だと思う。

西川一三さんという人物を知る事ができて、この本にとても感謝している。

 

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「心配事の9割は起こらない」 枡野俊明 三笠書房

旅行先での時間つぶしにと買った本です。実は心配性の私、バッグいっぱいになるまで困った時のお助けグッズを色々詰め込みたいタイプ。周囲を見回すとみんな身軽、でも事も無げに逞しく行動している。安心の為に敢えて不自由に身を甘んじている傾向にあるこの性格を何とかしたい…。

取り越し苦労の多いタイプは失敗の少ない生き方かもしれないが、行動が著しく制限されがちです(私の経験ですが)。精神安定剤のように、心に言い聞かすように、このようなタイトルの本に心惹かれる。

不確かな未来に過剰なまでに心砕くことなく、この瞬間を大切に真剣に生きる事に価値がある。周囲を巻き込むことなく、巻き込まれることなく自分を生きる。

残りの人生が身軽になってくるような一冊です。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「大人の女よ!清潔感を纏いなさい」 齋藤薫 集英社

表紙のような女優さんを目指せるはずはないが、心掛けだけでも学びたいとの殊勝な思いで買ってみました。

庭の手入れや畑との格闘、枯れ葉や折れて飛んできた枝の後始末をしている現実生活においては、そこまでは無理だし必要ないと軽く読み進む。

きれいな色を着る、しているかどうかわからないメイクではなく、していると他人が認識できて、尚且つナチュラルメイクを心掛けるべき、背筋を伸ばすことの大切さ、笑顔がアンチエイジングには欠かせない事、など日常でも参考になる指摘も多く、刺激をもらった。

日々をおざなりにすることなかれ。自分への「喝」の為に、このような本もたまには必要かもしれない。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「聖書がわかれば世界が見える」 池上彰 SBクリエイティブ

「目からうろこ…」という表現は聖書に出てくるエピソードに由来している。

アメリカの巨大企業が利潤を投入して、益々規模を拡大し、莫大な収益をあげるのに躍起になっている根底には、「勤勉であれ、時を無駄にしない」などという神の教えに忠実であるという精神が宿っているため。

ブッシュ大統領(息子)の「十字軍~」という失言により長き戦争(9.11以降 約20年間)に突入してしまったのは、十字軍の何たるかについての知識不足が引き起こした悲劇という事実。ロシアのキリク教皇がウクライナ侵攻を祝福(肯定)した経緯。選挙において巨大宗派の支持を得られなければ、当選は危うい、そのための対策が必須であるらしい。

宗教と一口では片づけられないキリスト教の勢力を、アメリカ大統領選挙に関する解説で実感。

このように一国の文化・政治に深い影響力を持っているのがキリスト教である。世界的ベストセラー「聖書」を読んで、世界共通の常識を身に着けようと「あとがき」に書かれている。

いつもながら理解しやすく説得力のある池上さんです。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「栞と嘘の季節」 米澤穂信 集英社

「黒牢城」で直木賞を受賞した作家の最新作です。

毒性の強いトリカブトを巡って高校生たちが推理と思惑と行動力で真実に迫っていく。希薄になっていく人間関係、他人と距離をおいて日常を過ごしているかにみえて、実は友人達の為に行動し始めていた。

登場人物の言葉を鵜呑みにすると真実には迫れない。巧妙に張られた伏線に脱帽です。何回元に戻り確認したことか!

繰り広げられる物語の発端が「図書室」であることも、意外性に富んだ展開を予想させる。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
1 / 1412345...10...最後 »