「仮想通貨3.0」 マルク・カルプレス 講談社
記憶にも新しい2011年に起きたマウントゴックス事件。
マウントゴックスは、著者であるマルク・カルプレスが当時社長を勤め、世界最大級のビットコイン取引所としてその世界では名を馳せていました。(ただ他に取引所がなかったということもあったみたいです)
そのマウントゴックスのシステムが何者かにハッキングされ、仮想通貨の一種であるビットコインが一瞬にして消滅・行方をくらましたことで大騒ぎになりました。
記者会見で頭を下げるマルク・カルプレスの姿をご記憶の方も多いのではないでしょうか。
この本は、その後8年かかりやっと事実的な無罪を勝ち得たカルプレス元社長が、その視点から描いた事件の全貌とビットコイン・ブロックチェーンの話です。
ビットコイン?ブロックチェーン?なにそれおいしいの?という人(僕がそうでしたが‥)にもわかるように、ビットコインとはなんぞや?というところからスタートしますので、非常にサクサクと面白く読めちゃいます。
特にビットコインを支える「ブロックチェーン」に関して、本にも書かれていることですが、これは劇的に今後の人類の未来に影響を与えていくような技術であること、ビットコインとはブロックチェーンを使用して流通している仮想通貨であって、ブロックチェーン自体は仮想通貨のためだけの技術ではないこと等々、よく耳にする単語の意味がやっとわかったというすっきり感と、その後予想される未来の来るべき変化にちょっとした高揚感を覚えながら読みました。
中央集権型ではない(つまり国家が管理しない)新たなお金の出現は、有史以来もしかしたら初めて人類がお金に縛られなくなる世の中が出現する可能性をはらんでいます。もし本当にそんな世の中が出現したら、それは人類が月面を踏んだ一歩と同等かそれ以上に大きい一歩だと思いませんか?
その世の中を見たいな〜でも寿命間に合わなそうだな〜なんて思いながら、その変化には楽しみしかありません。
本を読んだあとにはやはりブロックチェーンという単語自体がよく目につくようになって、自宅に導入を検討している「みんな電力」(誰が作ってるか顔が見える電力を販売している会社)なんかも、そのベースになる技術はブロックチェーンなのだそうです。