ある日、編集部にエアメールが届きました。封筒にはAlaska という文字が。どなたからだろうと封を開けると、一枚の美しいカードが入っていました。富貴子ワリスさんという方からでした。
富貴子さんは「とさちょうものがたりZINE09」を手にし、読んだ感想を綴ってくださっていました。
とさちょうものがたりの雑誌09号を読ませていただきました。
私の親友で土佐町の立割に住んでいる上田千佳さんが送ってくれたのです。
私の叔父の筒井賀恒さんのお話が出ており、大変懐かしく思いました。
その昔、私は「伊野町清水川窪」というところから、深い植林の山道を歩いて芥川にいき、叔父の家で数日お世話になり、楽しい時をすごしました。
高峯神社にも参拝したことがあります。
そこに生きる人々のお話が思いやりある言葉で綴られて文章となり、心が打たれるものがありました。
いつの世にも人と人との心のつながりは大切なもの。一つ一つの物語は誠実に生きる人々の美しい姿であり、学ぶことも多くありました。
それぞれの物語は私たちの心の糧となります。
これからもとさちょうものがたりの出版が長く続きますよう応援しております。
富貴子 ワリス
一冊の「とさちょうものがたりZINE」が海を渡り、遠くアラスカまで届いた不思議を思います。
富貴子さんの元へ届いたのは、富貴子さんのご友人が土佐町にいて、本を封筒に入れ、切手を貼り、郵便局から送ってくださったからです。一冊の本は、私の知らないところでたくさんの人の手を介し、旅をしていました。そのことを思うと胸が震えます。
デナリ国立公園に聳えるデナリ(マッキンリー山)が描かれたカードは、自らの足元は常に広い世界と繋がっていることを思い出させてくれました。
調べてみると、デナリは北アメリカ大陸の最高峰。きっとアラスカの方たちにとって、デナリはいつも自分達を見守ってくれている、原風景のような存在なのかなと感じました。
いつかアラスカを訪れ、富貴子さんとお会いできたらと願っています。
富貴子さんにお返事を書き、記事として掲載することの許可をいただいています。