「夢を売る百貨店 本日も完売御礼でございます」イ・ミイェ著 鈴木沙織訳 文響社
韓流ドラマにはまると、毎日がドラマ中心の生活になってしまうらしいので、ちょっと距離を置いている。
そこまで夢中にさせてしまう韓国作品にとても興味はある。書店で「韓国年間 №1ベストセラー、ついに邦訳!」の文字に心動かされ、手を伸ばした。
ファンタジーの世界に入り込めるかどうか…。最初は脳の上っ面で文字を追っているだけだったが、寝る前に読んでいると夢か現か…すっかり入り込んでしまう。
この作品での「夢」とは、寝ている時に見る夢であって、人生での「夢」とは別物。
しかし、両者はリンクしてくる。
最後の章で一名の従業員の存在に触れている。彼は度を超した計画性、そして自己中心的な生活の為に周囲との関係をおろそかにしているが、本人は全くそれに気付いていない。結局は不利な人生を歩んでいるという寓意を匂わせる。
ファンタジー作品で余白の大切さを学んだ。