とさちょうものがたり

土佐町ストーリーズ

シバテン(高須・地蔵寺)その1

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昔から土佐町と土佐山村境になる赤羅木峠やその峰続きの山々には、シバテンとヒダルが、相川、地蔵寺川の渕には、エンコウが棲んでいた。

シバテンは、天狗の子どもみたいな生き物で相撲好き。

ヒダルは、山道の傍に隠れちょって、上から垂れ下がった葛の輪ざしに、「これにちょっこり首を突っ込んでみたや」と言うて、目の前にぶらさげる。げに心地の悪い隠者(世の中と縁を切って暮らす人)である。

ヒダルの姿を見た者は、まだおらんようじゃが、シバテンは高知の往復、赤羅木峠、樫山峠かその並びの天道の山一帯に棲んでおって、天狗はだいたい工石の山が本拠だったらしい。

シバテンは、通りがかりの旅人に、

「オンチャン、相撲をとろう」

と、難題を吹きかける。まっこと手に負えん、こびんす(小さい子ども)じゃ。

私のお婆さんは、縁側でこの話を始めた。

 

『相川から山を二つ越えた向こうが、高知のお街じゃ。村の若い衆が高知へ行って、朝から色々の買い物をし、用事をすまして、廿代の宿を出て、愛宕八丁を通り抜け、椎名坂を上り、高川から城を通ってこの峠にさしかかる頃には、六里(一里は約四キロメートル)の山道はとっぷりと暮れて、真っ暗な夜道になるのが常じゃ。

この辺一帯は官山(国有林)でのう、昼でも暗いぜよ。シーンと静まり返っちょって、妙な鳥が啼きよった。

「銘酒か焼酎か、酒、酒、酒…」

きいたこともない啼き声ぜよ。

一日のこと、下のベンスぢんま(おじいさん)がそこを通りかかったところ、あの山から、

「ベンス、ベンス、ベンス、ベンス…」

と呼びすてに、わしを嘲るように啼いたと言うて、こないだもベンスぢんまが、たいてえ機嫌が悪かったぜよ。

夜道は鼻をつままれても判らんばあの暗い道が、一里近う続いちょる。ここなくを通り抜けるにゃ、たいていのもんが往生したが、こういう風に手を伸ばいて、山手の岸をさすりもって歩かにゃ、谷へぶち転がる心配がある恐いくよ。

おまけに足元から、「ガサガサガサ」何やら走り抜ける音もする。木の枝から枝へ、天狗かモマ(ムササビ)か知らんが、「バサ、バサ、バサ」と飛ぶ音がして、めっそう心地のええ山越しじゃない。まっこと、何ぞ出てこにゃ嘘と思われるんばあ、啼くよ』

 

 

 

(シバテン その2 に続く)

 

 

 

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くだらな土佐弁辞典

とっと

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とっと

【意】ずっと(遠くに)

 

例① 弟ととっとっと

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くだらな土佐弁辞典

けんつ

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 けんつ

【名】先が鋭くとがった状態のもの

 

例① 鉛筆をけんつにといじゅう (鉛筆を尖った状態に研いでいる)

例② 鼻先がけんつ (上図を参照のこと)

 

 

 

 

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くだらな土佐弁辞典

あっつろう

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あっつろう

【意】あったでしょう

使用例① あそこに、あっつろう (あそこにあったでしょう)

使用例②   渡部あっつろう   (渡部篤郎)

 

 

 

 

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くだらな土佐弁辞典

なんぼゆうたち

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なんぼいうたち

【意】いくらなんでも

 

例文① なんぼいうたち、そりゃないろう  (いくらなんでもそれはないでしょ)

例文② マンボいうたち (上図を参照のこと)

 

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私の一冊

矢野ゆかり

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「風の谷のナウシカ」 宮崎駿 徳間書店

2021年、改めまして寒中お見舞い申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

さてさて~今回の前座は~

コロナ禍での新たな生活様式で、随分とのんびりとした年末年始でした。ただニュースのコロナの感染者の増加に一喜一憂していたのは、職業病なわけですが

私は数日間がっつりゆっくり寝正月でした。ここ数年、年末年始は体調が際立って悪かったのです。忙しない空気や雰囲気すらダメで、年末年始のテレビ番組等は、見ること聞くことすら苦痛でした。

氷枕と冷えピタを貼って、悪夢にうなされながら寝込んでいました。今年はそこまで酷くならずゆっくり出来たのは、近年稀に見ることでした!(ありがとう!神様!)

しかしながら、いつになったらコロナは収まるのやら。というか、収束ではなくて進化してってますよね?アヤツ。変異型何個あんねん!?というツッコミが頭の中で何回とびかったことか

軽く調べてもだいたい17種ほど変異があるようです。話題のイギリスとアフリカのもの以外に、変異体自体がたくさんあるということは、それだけ強毒性で感染力の高い変異型が今後出てくる可能性が高いということ。

母と、祖母のデイサービス用のマスクに祖母の名前を書きながら、そのうちナウシカのマスクみたいになったりしてね と話しているところです。ありえない話では無いですよね、ガスマスクを被って生活する「ネオ新生活様式」。風が良く通る田舎(辺境)の民だけが、ガスマスクつけなくて済むってオチですよね。

By the way.このお正月には私にとってとても嬉しいことがあったのです!『風の谷のナウシカ』は令和元年12月に新作歌舞伎になっていたのですが、NHKで前編後編で放送されることになっていたのです。

ちょうどテレビも買い替えたばかりで、即録画予約しました。実は令和2年の2月と3月とに香川で『新作歌舞伎 風の谷のナウシカ』ディレイビューイングに行っていたので、見るのは2回目になります。

アニメ原作でなく、漫画原作になっており、昼夜通し(6時間)の大歌舞伎でした。主演ナウシカ役は尾上菊之助、クシャナ役を中村七之助、アスベル役を尾上右近他、豪華なことこの上ないキャストでした。本水や獅子舞など、見応え十分で、女形の見栄の切り方も美しく手先足先まで美しい所作でした。特に中村七之助のクシャナ役はニヤニヤが止まらないほどハマり役でした。はぁ~。何遍でも観られる。

私の一冊を書くためにわざわざ去年見に行った『新作歌舞伎 風の谷のナウシカ』でしたが、私は純粋に原作の考察と、古典的解釈で新たに現されたナウシカの世界によって、新たな面から考察することが出来ました。そして、令和元年に『新作歌舞伎 風の谷のナウシカ』が作られ、私が(いつから書き出したか忘れましたが)『風の谷のナウシカ』を必死こいて書いている最中、コロナパンデミックで世界が変わったこの2020年に、アニメで年末に『風の谷のナウシカ』をみ、年始で『新作歌舞伎 風の谷のナウシカ』をみるのは因果めいたものがあると思います。

私は仕事で選書もしているのですが、『風の谷のナウシカ』を考察する著作もふえ、TwitterYouTubeといったSNSのインフルエンサーが『 風の谷のナウシカ』について考察しているのです。※私が私の一冊で書き出したのは、たまたまなので例外ですが

マスクをしないと出られない世界、今までと違う生活様式を強いられるということが、『風の谷のナウシカ』に注目を集める結果になったのでしょうか。『風の谷のナウシカ』をサラッと読んでいると、人が命に手を加える、人が命を弄ぶことを、強く否定しています。

2019年頃からSDGsや海洋汚染が声高に叫ばれ、プラスチックの汚染が人間にまで広がっていることが知られた時期ですので、私達のいきかたに転換点が来ているゆえかもしれませんね。

『風の谷のナウシカ』は人間の転換点の物語ですから。

さて、本編は6巻後半にはいりました。

場面は皇兄ナムリスの戦艦から始まります。囚われの身になっていたユパは、ヒドラの飼育室から何とか脱出します。その頃皇兄ナムリスは出陣の準備をしており、そこに弟ミラルパの亡霊をみます。

何かを探しているようです。その時ミラルパは雲の下にナウシカのいる飛行甕に気づき、もう大した力もないのにも関わらずナウシカに取り憑こうとします。森の人は、その危機的状況に気づき、見晴らしの良い山肌におろしてもらいます。

ここの会話で森の人はセルムだというがわかります。チヤルカはセルムにチククとナウシカを託します。セルムはチヤルカの戻るところを「修羅の庭」と表し、チククは「チヤルカもどると死ぬぞ」と呼びかけています。しかし、チヤルカはこれ以上の愚行の繰り返しを止めるため、命をかけて戻って行きました。

同じ山には別行動を取っていた、城おじ達やクロトワがいました。不意にクイが動き出します。クロトワはクイに無理やり乗せられ、ナウシカの所へ行き着きます。

そこでナウシカの目覚めをまつ、チククとセルムに会います。どういう状況か分からないクロトワですが、2人の尋常ではない様子と一向に目を覚まさないナウシカに言いようのない不安を覚えます。ナウシカといえば、セルムの呼びかけが呼び水となって、意識がハッキリします。この場面でのナウシカは年相応の女の子といった、若干幼いように描かれているように見えます。

意識がはっきりしたことでミラルパの亡霊に見つかってしまいましたが、胸に抱いていたテトがいないことに気づき、まとわりつくカゲを振り払います。その時、一緒にミラルパからもカゲを振り払いました。周りを見渡すと周りは、一面が骨片におおわれており、重い体を引きずり、ミラルパを支えながら必死に歩きました。すると行先に腐海があり、青年(セルム)がいました。怯えるミラルパもろ共ナウシカはその腐海に入りました。

その腐海は豊かな色彩でした。彼はこの森はナウシカの心の森であり、途中からは実際にある場所だといいます。彼はある秘密をナウシカと共有するために、心の森からしか行けないその場所に導いてくれました。それは腐海の尽きる場所。草木が茂り、水と土がある。青き清浄の地でした。ミラルパはよろこび鳥を追って消えてゆきました。ナウシカはそれをしっかりと確認すると、現実の世界に戻っていきました。

セルムは、青き清浄の地を汚さなかったナウシカに、腐海で共に生きないかと声をかけます。生命の流れに身を置くセルムと、個々の命に深く関わってしまう、人の世界を愛し愛されているナウシカは、共に行くことはありませんでした。しかし確かな絆が結ばれました。

ナウシカには、蟲使いから醜男(逞しい男のこと···古語)達が選りすぐられて守り人となっていました。更に勝手に留守にしたクロトワとクイを探してきた、城おじ達とも合流し、感動の再会になるのです。

そして、土鬼のトルメキア侵攻を阻止しようとチククと共にメーヴェで先に飛び立ちます。その後を守り人たちが健脚を生かして徒歩で、ミトとクロトワがガンシップで追うのでした。

さて、まだ6巻ですが、ここら辺から内容は7巻とまとめた方がわかりやすいので、ここで1度筆を置きます

次は6巻詰めから7巻からを書けたらいいかなと思います。

6巻もなんですが7巻は超ボリューミーなので、

遅筆の私がどれだけやれるか見ものですね…(¬)

最後に、末文になりますがお許しください。

祝いの時間もなく、先の見えない中で前を向いて走り続けている方々へ、心からの敬意と、感謝を。

いま苦しい立場にいる人々に、どうか思いつめないでと言いたい。

それでは、また。

 

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くだらな土佐弁辞典

みてた

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みてた

【動】死んだ・亡くなった

例① あそこのおんちゃん、年末にみてたとー (あそこのおじさん、年末に亡くなったって)

例② 家政婦はみてた (上図を参照のこと)

 

 

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土佐町ストーリーズ

樽の滝の話(田井)

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吉野川に地蔵寺川と汗見川が合流して程なく、南岸側に東西に走った国道をつっきるように、鳥井谷が流れ込んでいる。

この谷は田井山に源を発して、鳥井集落八戸をうるおしていて、水は冷たく、美しく澄んでいる。

樽の滝は、この谷の中程、国道から約二百メートル位登ったところに、雌雄二双となって流れ落ちていた。雄の滝の滝つぼから雌滝まで約二十丈程で、水の豊かめな時期には水しぶきが飛散し、水音が四方の山にこだまして勇壮であった。

当時、この雌滝の水口(水の取り入れ口)に、直径一メートル、深さ七メートルと思われる穴渕があって、誰言うとなく、そこに蛇が棲んでいることが信じられ、そのために部落が富んでいた。

田井上野部落古城に、権根(ごんね)という気の強い男がいて、こうした話を信じなかったものか、または、蛇に挑戦して自分の力を人々に示そうと考えたものか、その穴を鎚で打ち割り始めたのである。驚いたのは蛇である。滝つぼに覆いかぶさるように生い繁っていた、トガの大木の穴にはいこんでしまった。

権根は、尚も蛇を追求して許さなかった。ついに、トガの大木に火をはなった。炎々と燃え続ける火は、七日七夜に及び、蛇の死霊は谷川の水に泡となって流れ去った。それからというものは、不作が続きに続いた。部落の人々は、蛇のたたりであると考えたのであろう。霊をなぐさめるために小さな祠を建て、穴菩薩を安置して祭り、今も秋の実りの頃、その祭りは続いて行われている。

蛇を焼き殺した古城の権根は熱病にかかり、七日七夜「熱い熱い水をかけてくれ、水をかけてくれ」と絶叫しつつ死んだということである。

部落の人は、この谷を焼淡谷とその後呼ぶことにした。

今、鳥井谷をたずねる人はまれであるが、蛇の棲んでいた穴渕は、二メートル位残っている。

館報

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2020年もまた、みなさまに大変お世話になった一年となりました。

関わっていただいた全ての方々に一年分の感謝をお伝えいたします。

2020年は、おそらく誰もが想像もしなかったような年になったのでは、と想像しています。

2月・3月から始まったコロナ禍の中で、人生の予定が変更を余儀なくされた方も多いと思います。

繰り返しの外出自粛ムードの中で、苦しい思いをされている方も多いと思います。

夏と秋を経て好転してきたかと思いきやの第3波、「もうそろそろいい加減にしてや」って思いますよね。

でも大丈夫。きっと大丈夫。コロナを退治するのも時間の問題です。来年は必ずみんなにとって良い年になるはず。

明けない夜は無く、止まない雨は無いのです。

みんなで十分に注意を配りながら、今後必ずやってくる「コロナ後の世界」を待ちましょう。

その時、世の中は、コロナ以前に戻るように見えて、実は全く新しい世界。

 

そんなことを考えながらも、12月28日の今日なによりもお伝えしたいのは、

「みなさま良い年末年始をお過ごしください」

です。2020年も1年間ありがとうございました!再開は1月6日になります。

とさちょうものがたり編集部

 

 

 

 

 

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メディアとお便り

朝日新聞に掲載されました!

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 朝日新聞(高知版)に掲載されました!

2020年12月12日、朝日新聞(高知版)に、とさちょうものがたり編集部と嶺北の3町村が製作した「2020年カレンダーTOKUBETUHEN」についての内容が掲載されました。朝日新聞の記者、浜田奈美さんが書いてくださいました。

掲載日当日、「新聞を読みました!」とご注文の電話をいただきました。ありがとうございます。

文字を描いてくれた「ファースト」「どんぐり」「しゃくなげ荘」の職員さんにも、その都度、販売状況をお伝えしていますが、みなさんとても喜んでいます。

皆さま、来年のカレンダーは、ぜひ「2020年カレンダーTOKUBETUHEN」を!

よろしくお願いします!

 

数字踊る 心弾む のびのびカレンダー

土佐町、本山町、大豊町の障害者支援施設に通う21人の障害者たちが、個性的な数字を書いた2021年のカレンダーを作った。勢い余って空白がつぶれた「9」や、縦に整列して「22日」を知らせる「二二」が並び、のびのびと奔放な数字を毎日楽しめる。

カレンダーは、土佐町のウェブマガジン「とさちょうものがたり」編集部が発売した。これまで、町民の肖像写真や町の伝承を紹介するなどユニークな方法で土佐町の魅力を発信し、毎年秋には町の障害者支援施設「れいほくの里どんぐり」と共に地元のマラソン大会用のTシャツを作ってきた。だが今年は新型コロナの影響で大会は中止に。社会福祉協議会の職員らと協議し、施設利用者の新しい仕事としてカレンダーを手作りすることにした。

「参加者が多い方が楽しい」と、近くの町の障害者支援施設にも声をかけた。利用者たちは10センチ四方の紙を使い、絵の具を指で書き付けたり、折り鶴を数字の形に並べたりして、思い思いに数字を表現した。それらを組み合わせ、1月は「どんぐり」、2月は大豊町の「ファースト」、3月は本山町の「しゃくなげ荘」と、ひと月ごとに担当した施設が変わる。

「特別編」を示す表紙の「TOKUBETUHEN」の文字は、利用者が自発的に書いたという。ローマ字表記としては「S」が足りないが、編集長の石川拓也さん(46)は「正しさや美しさにこだわることなく『めいっぱい楽しんで』とお願いした。のびのびと表現して頂けた」と話す。

A3変形判で税込1500円。限定千部。編集部のサイト(https://tosacho.com/)で販売中で、各施設などでも買える。売り上げは各施設への寄付や今後の制作費にあてる。

(浜田奈美)

・朝日新聞社に無断で転載することを禁じます
・朝日新聞2020/12/12掲載(20-4749)

 

*とさちょうものがたりの記事にも詳しく掲載しています。

カレンダーBANGAIHEN

2021年カレンダーTOKUBETUHEN販売開始!!

 

 

 

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