「大家さんと僕 これから」 矢部太郎 新潮社
お笑い芸人のカラテカの矢部太郎さんが大家さんとの生活を書いた漫画。
ほのぼのとしたやりとりに、クスクスと笑わされながら読んだことがあったのですが、大家さんが亡くなった後に書いたという「これから」。
木造一軒家の二階を間借りしており、そこの大家さんは高齢で小柄で上品。「ごきげんよう」と挨拶し、お買い物は伊勢丹でという。生まれながらにしてお嬢さんのまま過ごしてきた大家さんと作者のやり取りが絶妙。
大家さんが入院しもう戻ることはできないだろうと知った。悲しい気持ちのなか、先輩が「大家さんはただ下ってるんやない。ゆっくりと景色を楽しみながら下ってるんや。急いだ登りでは見えなかった景色を違う角度からゆっくり見てるんや」と。
なるほど…。
そういう年のとり方。いいですねえー。
川村房子