イワタバコ(岩煙草)はイワタバコ科イワタバコ属に分類される多年草の1種です。
日当たりの悪い湿った岩上に生え、根元から数枚の大きな葉っぱを広げます。
葉は、大きなものでは長さが20㎝を超えます。
この葉の形がナス科のタバコの葉に似ていることからイワタバコと命名されたものです。
若葉が食用にできることから別名イワヂシャとも呼ばれます。
夏になると10~30㎝の花茎を伸ばし、その先にインパクトのある花をたくさんつけます。
花冠の直径は2㎝ほど。先は5~6裂して星形になり、花弁は紫色で中心部にオレンジ色の斑紋が入ります。
土佐町大谷にある琴平神社(通称大谷さま)境内の横を流れる小川では、毎年この時期になるとイワタバコの花が群れ咲きます。
今年も水しぶきを浴びながらたくさん垂れています。
渓流に咲く涼しげな花です。
大谷さまへの道筋にはナツフジ(夏藤)も咲いています。
クリーム色の花であまり目立ちません。「目を凝らして探せば見つかる」という程度の存在感なのかもしれませんが、花の一つ一つは綺麗です。
ナツフジはマメ科ナツフジ属のつる性落葉木本です。
和名の由来は、5月頃に紫色の花を咲かせてよく目立つフジ(藤)やヤマフジ(山藤)に似ているが、夏に花が咲くことによります。
夏の「土用」の頃に咲くことからドヨウフジという別名があります。