「ちいさなおじさんとおおきな犬」 バールブロー・リンドグレン文, エヴァ・エリクソン絵,菱木晃子訳 あすなろ書房
浜田廣介の「泣いた赤おに」を覚えていますか?心優しく人間と友だちになりたいと願う赤鬼と、友だちの願いをかなえるために事故犠牲を厭わない青鬼の友情物語。読むたびに理不尽さに憤り、赤鬼、青鬼どちらもが可哀そうで仕方なく、読むたびに泣いてしまうおはなしでした。
この絵本の主人公、ちいさなおじさんも友だちがいません。「ひとりぼっちのちいさなおじさん 友だち募集中」と家のそばの木に貼り紙をするおじさんは、赤おにを彷彿させ、どんなことになるのかとドキドキしながら読みました。
道行く人から見ないふりをされるちいさなおじさんでしたが、10日目の夜、大きな犬がおじさんのそばにやってきます。不器用で内気なおじさんとおおきな犬は徐々に距離を縮めていくのですが、そこにかわいい女の子が現れて…。
おじさんの気持ちに寄り添いながら味わってほしいお話です。