夏休みに合宿型の子ども向けイベントを開催している。
数日間笹のいえに泊まりながら、日中は自然豊かなフィールドで遊び、
調理や掃除洗濯、お風呂焚きなどの家事も子どもたちがこなしていく。
このイベントの約束はひとつ。
「自分たちで決める」こと。
イベント初日。
スケジュール表とアクティビティ名や料理名の書いてある駒を用意し、子どもたちに選んでもらう。
いつ何をして遊ぶのか、何を食べるのかを子どもたちが考え、想像し、決めていく。
スタッフたちは最低限のアドバイスでサポートする。
「朝食にパンを食べるなら、前の日の晩に生地を捏ねておこう」「この日は一日中川遊びだからお昼はお弁当にしようか?」
など、子どもたちの意向を第一に、時間を有効に使えるよう調整する。
二日目以降、日中はひたすら遊ぶ。
泳いだり、釣りをしたり。地元の遊びのプロたちが講師として参加することもある。
ラフティングやSUPは毎年子どもたちに人気のアクティビティだ。またアートワークなど物つくりの時間もある。
遊び以外では、笹の暮らしを実体験する。
釜戸や五右衛門風呂で火を起こしたり、トイレはコンポスト、洗濯機は二層式、、、
自分の家とは違う、笹の「むかし暮らし」だ。
朝夕にはタスクと呼ばれる家事がある。掃除や食事作りなどをグループに分かれて行う。
最初は緊張気味の子どもたちだが、すぐに慣れる。
火起こしは好きな子が多く、お手伝いを頼むとすぐに手が挙がる。
積極的に行動する子、嫌嫌やる子、集中力も子どもによっていろいろ。
スタッフは声掛けはするが、あまりうるさく言わないように気をつけている。
たぶん、家で言われていることだろうから、高知の山奥に来てまで同じこと言われたくはない、
僕が子どもならそう思う。それより、それぞれのやりたいことをやればいい。
もし誰も料理をしなければご飯が食べられない、洗濯をしなければ明日着るものがない、
ただそういうことだ。
でも、みなお腹が空くから包丁を握るし、きれいなトイレを使いたいから掃除をする。
夜は花火や肝試しなど、キャーキャーワイワイ言いながら、あっという間に就寝の時間。
初日は、たいてい興奮していてすぐには寝ない。
夜通し起きている子もいるし、夜明け前から動き出す子も。
そうやって、子どもたちが主役の「笹の夏休み」を過ごしていく。