笹のいえの暮らしを体験する宿泊イベント「笹の夏休み」が無事終了した。コロナで休んでいた年もあったが、それ以外は毎年続けてきた。今年は二回、四泊と三泊の回を催行し、計14名プラスうちの子たちの参加となった。
笹に来てくれた子どもたち、サポートしてくださった保護者の皆様にたくさんの感謝を申し上げます。
イベントの核となる「自分たちで決める」という約束は、子どもたちの自主性を育む大切な要素だ。スケジュールや食事メニューを自分たちで決め行動することで、自主性や協調性が育つと考えている。
かまどでの調理や五右衛門風呂の準備など、普段の生活では体験できない「むかし暮らし」は、子どもたちにとって新鮮な刺激となったと思う。
食を通じて「身土不二」や「一物全体」「もったいない」の考え方に触れ、自然に寄り添う暮らしを体験する。これらの経験は、食の大切さや環境への意識を育むきっかけとなるだろう。
僕自身、このイベントを通じて多くのことを学んできた。当初は参加した全ての子どもへ均等に体験をさせようとしていたが、今では個々の個性や興味を尊重し、得意不得意を見定めて見守ることの大切さを実感している。
さて今夏、特に印象的だったのは長女の成長だった。これまで参加者のひとりとして経験を重ねてきた彼女が、今年は初めてスタッフとして関わりたいと希望した。箸つくりのときに木工ナイフの使い方を教えたり、釜戸や薪風呂の火をつける手伝いをしたりなど、参加者の子どもたちをサポートする姿を見て、親としての喜びと共に、彼女自身の新たな学びの機会になったことと思う。
2015年から毎年のように開催してきたが、振り返ると、これまでの歳月は様々な変化ももたらした。うちの子どもたちの成長に伴い、笹のいえが手狭になってきたことや、毎年同じアクティビティを繰り返すための慣れなど、新たな課題も見えている。
来年の春には千葉への引っ越しが決まり、このイベントも新たなステージを迎えることになりそうだ。古巣であるブラウンズフィールドでの再開を予定しているが、新しい環境での開催に向けて、これまでの経験を活かしつつ、新たな挑戦も考えている。
新しい仲間を募り、リスクを分散させながら、長期的に継続可能な形を模索したい。イベントの本質的な価値は変えずに、関わる人々の個性を活かした新しい展開を期待している。
「笹の夏休み」は、単なる子どものイベントではない。食の大切さ、家族の重要性、遊びの楽しさ、そして何より自主性を育む場だと自負してる。これらの価値を大切にしながら、さらに楽しい時間を共有したい。
新しい環境での再開には乗り越えるべき課題もたくさんあると想像するが、このイベントの主旨に賛同してくれる親御さんと子どもたちと共に、新たな「笹の夏休み」(名称は変更すると思います)を創り上げていきたい。世の中には様々な生き方、暮らし方がある。その中のひとつの選択肢として、自然と調和した暮らしや食の大切さを伝え続けていきたい。
引越しは半年先のことだし、予定変更も十分あり得る話だ。はじまってもいないことをあれこれ言うのは好きじゃないだれけど、ここで文字にすることで頭の中を整理させてもらった。
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