「ホテル・ピーベリー」 近藤史恵 双葉社
高知新聞の記事下広告にこの本が載っていた。
作者の名前が気になり金高堂書店へ赴く。もちろん同姓同名に過ぎなかったのだが…。
舞台がハワイ島らしいので、そちらにも興味があり読み始めた。事情があり、小学校の教師を辞職した20代の男性が主人公。友人に勧められたリピーターお断りの曰くありげなホテルに長期滞在の予定で、自分探しのような旅に出る。
鬱屈した青年の内面描写のように始まる。そしてある日、宿泊者の一人がホテルのプールで溺死し、ミステリー小説へと変貌する。謎だらけの中、何かを知っていた2人目がバイクで事故死。オーナーはホテルを閉じるので予定を繰り上げて退去するようにと通告してくる。不審な気持ちを抱きつつ帰国する。
4ヶ月後に再びハワイ島ホテル・ピーベリーへと向かう。謎解きは一気呵成、緻密な伏線が張られていた訳でもなく、日本で調べた事実を元に解決へと導く。こうして主人公の1泊2日のハワイ島再訪の旅は終わる。
少し消化不良の感は否めないが、ハワイ島の情景・空気感がさらりと描かれており、旅した気分にさせてくれた。