2019年10月

くだらな土佐弁辞典

降りやみに帰りや〜

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降りやみに帰りや〜

 

【例】 雨が止んでから帰りなさい

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私の一冊

西野内小代

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「極夜行 」 角幡唯介 文藝春秋

 

「空白の5マイル」の著者のまたまた壮絶極まりない冒険ノンフィクションです。

極夜というのは太陽が地平線の下に沈んで姿を見せない、長い、長い、漆黒の夜、そしてその漆黒の夜は緯度により3か月も4か月も、極端な場所では半年間もつづく所もあるそうです。

何故そこまでする!?と身内の気分で諭したくなります。

土佐町(特に私の住居の辺り)も夜は真っ暗になりますが、桁違いの闇の中、愛犬1匹をお供に連れて漆黒のベールを切り開いて行くのです。

これでもか、これでもか、と苦難が待ち受けています。死を覚悟して踏破して行く後ろ姿に「もう止めて!」と何度も心の中で叫びました。

西野内小代

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笹のいえ

稲刈りの風景

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週末ごとにやってくる台風に振り回されながらも、晴れの続く日を狙って稲刈り作業をした。

一番大きな田んぼで稲を刈るときは友人たちに声を掛けて、手伝ってもらった。

午後の日も傾いて来たころ、それまで笹で遊んでいた友人家族と子どもたちが、おやつを持ってきてくれた。四家族15人。土佐町でお米を作りはじめて今年で六回目となるが、田んぼにこんなにも人が集まったのははじめてかもしれない。

早々に食べ終わった子どもたちは、稲が刈られて広々とした田んぼで、走り回っていた。

何人かに「お手伝いしてくれる?」と聞くと、嬉しそうに藁束を運んだり、落ち穂を拾ってくれた。そのうち、落ち穂拾い競争になって、一等賞は97本集めたナナちゃん!

おしゃべりしながら、笑いながら、一緒に働く。

昔の稲刈りの風景もこんなだったのかな? 稲を干し台に掛けながら想いを巡らす。

土を稲もよく乾いていたので、作業は順調に進み、一反ほどの広さを一日で終えることができた。これからの天候にもよるが、三週間ほど天日で干したあと脱穀をし、籾摺りをする。新米が食べられるまでもう少しだ。

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私の一冊

石川拓也

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「TRANSIT  THE  LANDSCAPES」 euphoria factory(ユーフォリアファクトリー)/TRANSIT編集部 講談社

「やっぱり地球は美しい」

TRANSITという旅の雑誌(発行:euphoria factory)があります。毎回、息をのむほど美しい写真で構成された、僕も昔からとても好きな雑誌です。

そのTRANSITが、これまで発行してきたものの中から写真を厳選し、今秋2冊の写真集として発行しました。

それが『TRANSIT THE PORTRAITS』(人物編)、『TRANSIT THE LANDSCAPES』(風景編)の2冊。

今回ここで紹介するのは風景編である『TRANSIT THE LANDSCAPES』です。

本当に多岐に渡る国と地域の美しい写真が、毎ページこれでもかと登場します。これは言葉を尽くして説明するよりも、実際に見るべし、の本です。

なのでこれ以上は野暮な説明は控えますが、ひとつだけ。

僕自身、「TRANSIT」の撮影で、レッドセンター(Red Center)と呼ばれるオーストラリア中央部に行きました。オーストラリア先住民(アボリジニ)の人々の精神的な支柱でもあるウルル(昔はエアーズロックと呼びました)の上空をヘリで周り撮影したものが2枚目の写真です。

当時住んでいた東京では感じようもない大地の巨大さと、人類史の中で本当にややこしく歪められてしまった先住民の存在と文化、それからそれを少しでも立て直そう、立ち直ろうとするオーストラリア社会と先住民社会のとてつもない努力の足跡を体験した、個人的にはとても大きな経験となった旅でした。

この写真集の発行とともに献本として贈っていただき、当時の乾いた空気を思い出しました。今更ながら、関係者のみなさまに感謝です。

見たい方が近所にいらっしゃったら、とさちょうものがたりの作業場に置いてありますので見にきてくださいね。

 

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「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店(11月16日・17日開催)」出店者紹介

この記事は、2019年11月16日・17日に開催される「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店」に出店する土佐町の事業者さんたちを紹介するページです。イベント当日は、ここにご紹介していく土佐町の食べ物や木工品を製作販売している方々が集結します。みなさまぜひお立ち寄りください!

 

とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店イベントページ

 

sanchikara 

土佐町・高知県れいほく地域の野菜を東京や大阪、全国へ届けようと奮闘している「sanchikara」。関西出身の上堂薗純高さんと釜付幸太郎さんは、土佐町の人たちの人柄や自然に惹かれて暮らし始め、この地の野菜や食べもの、水の美味しさに大きな可能性を感じたそうです。

2017年に「sanchikara」を立ち上げ、今や全国各地の約200カ所に土佐町・れいほく地域の野菜を届けています。

生産量は多くなくても多種多品目を作っている中山間地域。

例えばれいほく地域のゼンマイは、全国でトップクラスに入るほどの品質なのだそうです。作っているものを市場に出せば評価されるものが多くあるのに、その存在が知られていない。そのため売れない、生産者さんの減少、高齢化、後継者問題など、課題はいくつもあります。このままだとゼンマイも他の野菜も近い将来なくなってしまう…。

この地の農業が直面している課題をどうしたら解決できるのか。生産者さんが作るこの地の作物を市場で高く売り、中山間地域の農業をこれからも長く維持するための仕組みをどうやったら残せるのか。

「sanchikara」は日々、生産者さんと共に試行錯誤しています。

 

米ナスのハウスで

農業を維持するためには、生産者さんの所得が向上することが必要です。

そのために何ができるのか?

2人は、土佐町・れいほく地域では冬の作物を作ることが難しい現状に注目しました。

冬の間も育ち、収穫できるものがあれば所得が上がる。

そう考えた2人はまず自分たちの畑で人参やかぶなどの冬野菜を育て始めました。その中でうまくいったもの、新しい品種や市場に出たら面白そうな野菜を選び、生産者さんに試しに育ててみるのはどうか相談してみることにしました。

何度も生産者さんの元へ足を運び、一緒に作業しながら自分たちの考えを伝え続けた2人。

同じ土の上に立とうとする2人の姿勢が少しずつ伝わっていったのでしょう。現在、黄色のカラー人参やフルーツかぶといった珍しい品種を作り始めた生産者さんがいます。ここまで来るのに4年。

これからも丁寧に関係を作りながら、新しい加工品を作ったり、生産者さんと共に行動していきたいと2人は話します。

 

 

「都会には、地方の野菜を買い付けて販売する“バイヤー”と呼ばれる人が山ほどいます。でも買い付けだけの時に来ても本当の意味での生産者さんとの関係性ができません。自分たちがこの地で生活しているからこその関係性を作り、その上でできることをやりたいと考えています。同じ目線でものごとを見て、一緒に土に触れることから生まれる“sanchikara(産地から)”の作物を届けたいと思っています」

sanchikaraを立ち上げた1年目は、野菜の売り先はあっても売る野菜が集まらない状態が続いたそうです。でも2人は諦めませんでした。きちんと人間関係を築きながら生産者さんから分けてもらったものをしっかり売る。売れたことで生産者さんはもっと売ろうという姿勢になっていく。そしてまたもう少し分けてもらって売る…。

そういったやりとりを積み重ねながら、少しずつ生産者さんからの信頼を得ていきました。

毎朝、集荷場には多くの生産者さんが採りたての旬の野菜を運んできます。ここから高知市内や県外へ、土佐町・れいほくの野菜として運ばれていくのです。

 

 

「昔はインターネットも情報もなかったし、人の行き来や物流が不便だったので、中間業者が介在することで情報が伝わってた。いわば都会の人がブランディングし、都会の人が付加価値をつけていた。今はそういう時代じゃない。産地で暮らし、この地のものは美味しいと一番よく知っている自分たちが、そのものに付加価値をつけて外へ出していけるようにしていきたい」

毎年、多くの人々がsanchikaraを訪れます。sanchikaraが野菜を販売しているお店の料理人やオーナーさんたちです。自分たちが料理に使っている野菜がどのように育てられているのかを知りたいと土佐町やれいほくを訪れるそうです。

「生産者さんが一番喜ぶのは、消費者の人たちが来てくれること。双方が実際に出会うことによって、売れるということとはまた違った喜びが生産者さんに生まれるんです」

“名刺はどうやって作ったらいいだろう?” 宣伝のPOPをどうしようか?”  と自ら考え、新しい利益を作っていこうとする生産者さんの姿勢に小さな変化を感じる時に、2人はとてもやりがいを感じるそうです。

お互いの顔が見える関係の中で生まれる生産と販売のかたちを作っていくために、「僕らができるところを精一杯やらなあかんな、と思う」と話していました。

 

 

 

蔦屋書店では、土佐町・れいほく地域の生産者さんが育てた旬の野菜が並びます。

米ナス、万次郎かぼちゃ、土佐甘長とうがらし、パプリカ、原木しいたけ、カラーピーマン、地みつ(はちみつ)…。(天候などにより変更する場合があります)

この地で生まれる野菜たちの美味しさを、ぜひ多くの方に知っていただけたらと思います!

 

11/16・17 とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店

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私の一冊

田岡三代

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「白髪のうた」 市原悦子 春秋社

大好きな女優さんが次々といなくなっていきます。樹木希林さんに続き、この市原悦子さんも…。

「洗濯が好き。」と簡潔な文章から始まっていくこのエッセイ。語り口が市原悦子さんそのもの。

演劇一筋に生き抜いた女性のすさまじいエネルギーが感じられ、今更ながら、あこがれの存在であり続けるにふさわしい人だと納得のいく一冊でした。

田岡三代

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くだらな土佐弁辞典

なんちゃじゃない

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なんちゃじゃない

【意味】そんなことなんともないよ、なんでもないよ

→「〜してくれてありがとう」とお礼を伝えた時、「なんちゃじゃない!」と返されるとけっこうしびれる。

 

例:南ちゃんなんちゃじゃない

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私の一冊

川村房子

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「オリジン 」 ダン・ブラウン KADOKAWA

ハーバード大学教授のラングドンの弟子のカーシュが「我々はどこから来たのか、我々はどこに行くのか」の謎を解き、映像で発表する場に居合わせたが、彼は銃によって絶命。

命を狙われたラングドンはスペイン王太子の婚約者でもあるアンブラと逃亡しながら、人工知能ウイストンの助けを借りて真実を追求していく。

進化論か、神か、科学か、宗教か…。

衝撃の結末を迎える。

作者はダ・ヴィンチコードやインフェルノ等も有名で、ラングドンシリーズも五作目らしい。

次男が一気に読めたとくれた本。

長~いことかかりました。

川村房子

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4001プロジェクト

古谷展久・淳・愛子 

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中島にお住いの古谷さん。お父さんは土佐町の老人ホーム「トキワ苑」にお勤めです。

展久くん、淳くん、愛子ちゃんの3人と一緒に高須の棚田へ行きました。

ポストカードに載せる写真を撮りながら、記念写真も!と言って撮ったのがこの一枚です。

 

 

 

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笹のいえ

種を蒔いてわかること

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10月に入り朝晩涼しくなってきたころ、枝豆が旬を迎えた。

自分で大豆を育てるまで、「若い大豆が枝豆である」と言うことを知らなかった。それぞれ別の品種だと何となく思っていた。そして、枝豆は夏にできるのだろう、とずっと信じてた疑わなかった。だって、夏と言えば、ビールと枝豆ではないですか。

しかし実際に畑で大豆を育ててみると、枝豆が食べられるのは朝晩の涼しくなる秋のはじめのころ。ビールにはちょっと肌寒い季節だ(品種や栽培方法によって夏に採れるものもある)。

そう言えば、自分で種を蒔くようになって、いろんなことに気づいてきた。

 

オクラの花は、オクラの味がする

空豆のさやは、空を向いて出てくる

ニンジンの種は、毛がいっぱい生えててちょっと怖い

そして、枝豆が本当に美味しいのは、ほんのいっとき

 

さて、枝豆は子どもたちの大好物。茹でたてにさやの上から塩を振って食べるのが一番ウマい。食卓に登ると「いただきます」と同時に、一斉に手が伸びる。弟たちは一粒ひと粒口に入れ、姉は茶碗にせっせと取り出し山盛りにしてから食べる。末っ子はその豆をよこせと催促する。

枝豆ひとつで食卓が随分と賑わう。

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