田岡三代

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

田岡三代

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「これは、アレだな」 高橋源一郎 毎日新聞出版

高知新聞の「小社会欄」に取り上げられていたので、さっそく購入。

先ず作者欄を見ると、私より1歳上の方、いわゆる同年代。

実はこの本に紹介されている、別の作者の「本」に興味があって購入しました。そして、今、私が一番必要としている「本」を続いて購入。

それにしても、この本の中にはたくさんの本が紹介されています。

しかも、当然、中身を熟読されていて、「これ」と「アレ」、昔にあったことや、考えられていたことと、現在起きていることの相似性をうまく対比させているエッセイ。

本の帯に「新旧話題作の”ツボ”がわかる痛快エッセイ」と書かれてある通り。

・・・まさにそれ!・・・

 

 

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私の一冊

田岡三代

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「食べてうつぬけ鉄欠乏女子」 奥平智之 主婦の友社

「僕、サプリ飲んでるんですよ~」

久しぶりに会ったら、生き生きと顔色もとても良くなった、若い方にこの本を教えて頂きました。

「テケジョ」?何それ?

「鉄欠乏女子」のことを、省略して「テケジョ」。今時ですねぇ~。先ずそこから、時代の流れについていけてない自分を振り返ります。

いかに「鉄分」が足りていないか、「鉄分」が足りないとどうなるのか、分かりやすく教えてくれているこの本に刺激され、食事作りを改善しているところです。

もうそろそろ、効果が出るはず!

 

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ほのぼのと

ここだけの話

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「ここだけの話にしちょってね!」

何と!魅力的な言葉でしょう。そこに居合わせた人だけの、ないしょの話。連帯感が、安心感に繋がっていきます。

でも、一回、自分の口から飛び出した言葉は、自由に動き回り、どこかで、脚色され、尾ひれがついて、帰ってきたときには、とんでもない話になっていたりすると、覚悟しなければ…。

・・・しかしながら・・・

10年前の、「ここだけの話」。

何だったか?果たしてその約束を守ったのか?そもそも、どんな話があったのかすら思い出せないのに…。などとも、思いながら、

今日の、私の「ここだけの話」。

よく、新聞に出てくる言葉に、「為政者」という言葉があります。私は、この言葉を、ずっと、「ぜせいしゃ」と、読んでいました。

・・・でも、なんかおかしい???・・・

最近便利なスマホで調べてみると、

あっ!

「いせいしゃ」だったんだぁ~(笑)そりゃ、そうやねぇ~。「為」を、「ぜ」と読むことはないよねぇ~。

他の人に知られる前に気づいて

・・・ほっと・・・

 

ところが、先日、最近始めた「短歌会」の先生の「歌」に、

「・・・の“普請”が・・・」

という箇所がありました。

私は、あろうことか、先生の前で、堂々と、

「・・・の“ふぜい”が・・・」

と読んでしまいました。しばらく、その「歌」について、お話をしていると、

先生が、申し訳なさそうに・・・

「普請は、“ふぜい”じゃなく、“ふしん”・・・です。」

・・・と・・・

 

今更ながら、若い時、もっと勉強していたら、良かったのになぁ~!と、取り返しのつかない後悔で、いっぱい。

「ここだけの話」には、失敗を誰かに共有してもらいたい願望も、含まれているのかも(笑)(笑)

それにしても、私は、「ぜ」という読み方が好きなんでしょうかねぇ~。

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ほのぼのと

想い出話

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この前の日曜日の昼下がり、近所で小学校一年生からずっと一緒だったチィちゃんと話していると、

「道端の、スイコキとか食べたでねぇ~」

という話になりました。

「そうそう!チガヤも食べたよねぇ。」

「スイコキは、酸っぱかったけど、チガヤはなんの味もせず、ただフワフワしちょったのに、何で食べたんやろうねぇ~?」

「あと、何、食べったっけ?」

「イチゴよ!イチゴ!」

「そうそう、竹で作ったイチゴ突きに入れて、潰して食べたでねぇ~。」

「山で取ったまま、洗いもせずにねぇ~。」

「きっと、虫もおったろうにねぇ~(笑)」

 

それに、冬には…と、チィちゃんが続けます。

「裏のお寺の坂で、ソリで、滑ったでぇ~。」

「ソリは、お兄ちゃんが作ってくれたがよ!」

「子供の頃は、雪もいっぱい積もったきねぇ~。」

私も、

「そうそう!私も滑った!滑った!」

「私には、誰も作ってくれる人はおらんかったき、きっと、チィちゃんのお兄ちゃんのソリを借りて滑ったんでねぇ~!」

 

それから…と、まだまだ続きます。

「運動場で、大人の自転車に乗って、稽古したでねぇ~。」

「そうそう、三角の所へ片足を斜めに入れて、乗ったでねぇ~。」

「そう!三角乗りって言いよったねぇ~。」

 

そういえば、たしか家には自転車が無かったので、これも、誰かほかの人の自転車だったはず。

誰に借りたんやろう?ただ、ひたすら、ギーコギーコと、練習したことしか思い出せません。

年上も年下も、男の子も女の子も、入り乱れての放課後での、光景です。

 

もう、60年も前のことになりました。

もう一度、あの頃に帰れたなら…。

もっと、勉強して、もっと…?

 

いやいや、きっと同じことをするんでしょうね。

そして、この思い出話は、これからもずっと生きてる限り、何度も何度も繰り返されることでしょうね。

 

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私の一冊

西野内小代

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「植物はすごい  生き残りをかけたしくみと工夫 」 田中修 中央公論新社

土佐町においての生活で欠かすことのできない大問題、草木の成長にどう対処していくか!決して先回りすることはできないばかりか、追いつくことすら困難…。弱々しい草に思いがけずとんでもない棘があり、悪戦苦闘です。とどのつまりは、どのように折り合いをつけていくかという境地に達する。自然の逞しさ、ずる賢さに太刀打ち不可です。畏敬の念を込めてこの本を読むことに。

郵便葉書の「葉」という漢字はハガキノキという植物(正式名称はタラヨウ)が語源で、葉っぱに文字がハッキリと浮かび上がるのだそうです。郵政局のシンボルツリーです。

とんでもなくビックリしたのは、あの美しい「シャクナゲ」にも毒があるという事実です。我が家の庭にも2本あり、毎年とても華やかな女王様のような花をたくさん咲かせてくれます。あれにも毒があるの?そういえば病気になったり、虫の餌食になったりしない…。

植物の知恵に敬服です。

自然の知恵を学べる一冊です。

 

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私の一冊

田岡三代

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「身辺整理、わたしのやり方」 曽野綾子 興陽館

目次

第一章: ものは必要な量だけあることが美しい。
第二章: 身辺は整理して軽やかに暮らす。
第三章: 服は持たない。
第四章: 人間関係の店仕舞いをする。
第五章: 食べ物は使い切り、食器は使い込む。
第六章: 家族を介護し、始末する。
第七章: お金はきれいに使い尽くす。
第八章: 人はそれぞれの病気とつき合い生きる。
第九章: 死ぬときは野垂れ死にを覚悟する。
第十章: 人生の優先順位を決める。

こうして目次だけを拾ってみても、曽野綾子さんの毅然とした生き方がうかがえる。

今、振り返ってみると、私の好きで読んだ本のほとんどが自分の親世代の方が書いたものだった。

曽野綾子さんも90才。実は今、その世代の方が順番に書かなくなって、生きていく指針が無くなったようで淋しい。

 

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私の一冊

田岡三代

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「大河の一滴」 五木寛之 幻冬舎

第一刷発行が平成10年4月15日というから、もう23年も前に書かれた本であるにも関わらず、読んでいて、新鮮でうなずけることばかりでした。

引用として挙げているエピソードに、アウシュビッツの収容所の事が出ていました。第二次世界大戦中、ナチスドイツがユダヤ人を連行し、残虐な殺戮が行われたアウシュビッツで、奇跡の生還をしたフランクルという人が、「夜と霧」というタイトルの本を書いているそうです。

その中で印象的なエピソードとして、この精神科医だったフランクルは、人間がこの極限状態の中を耐えて最後まで生き抜いていくためには、感動することが大事。喜怒哀楽の人間的な感情が大切だと考えるのです。そして、毎日ひとつずつ面白い話、ユーモラスな話を作り上げ、お互いにそれを披露しあって笑おうじゃないかと決めたのです。

私の廻りにも、自分が今まで生きてきた失敗談や、時には、後悔とも思えることも、笑い話に変えてしまう人がいるけれど、そんな方に限って、人生を楽しんでいるように見えます。

まさに、人間の「生きる」という本質がそこにあるのかもしれないですね。

久しぶりに、心の中のお掃除をした気分です。

 

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ほのぼのと

恩師

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恩師とも呼べる人に出会えるのは、人生最大の幸せ。

私の孫が、中学生の時出会った担任の先生は、まさにそんな方でした。

その頃、孫を取り巻く環境は、最悪。母親の突然の入院。今に至ってもまだ意思疎通ができていない寝たきり状態。それに加え、父親の勤めていた会社が倒産。

そのような状況が、立て続けに起こる人生どん底ともいえる渦中に、出会えたのが担任のM先生でした。どうかともすれば下を向きがちな孫に、生徒会への立候補を薦めるなど、陰になり日向になりの励ましをしてくれました。

そして、その先生の最もいい所は、それが孫にだけ向けられたものではなく、クラス全員の子供達それぞれに寄り添い続けてくれた事です。

本当にありがたい。

おかげで、今、孫は東京での看護師生活2年目を迎えることができました。日々、命と向き合う最前線で、患者さんに寄り添う看護師を目指しています。

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私の一冊

田岡三代

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「森の叫び」 中谷正人 「森の叫び」刊行委員会

私の主人、秀昭が亡くなって今年でちょうど10年。

亡くなった直後、それまで秀昭が闘ってきた三十年の軌跡を惜しんでくださった仲間の方が、「森の叫び」と題して、本を発行してくださいました。

「山は、木材として使われることによって守られる。」
「共に想う=共想」

よく秀昭が口にしていた言葉を、苦しくも、燃焼しつくし共に過ごした日々を、少し時を置いた今、改めて思い返しています。

 

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私の一冊

田岡三代

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「高知の近代文学さんぽ   照射と影」 高橋正 高知新聞総合印刷

自分の想いとは裏腹でも、人生で一つの区切りが出来た時、人は、次のステップへ行く方法を模索するものなのですね。

私も、次をどう生きて行こうかともがいていた時、その道のひとつに、高知市で開かれている文学学校への参加がありました。

夕方、仕事を終え、すぐさま友人二人と車に乗り込み、一年位通いましたが、思いのほか、ハードルの高い勉強会という事もあり、昼間の仕事の疲れもあり、私はほとんど居眠りばかりしていたように思います。

でも、その時出会った先生が、友人を通して著書を送ってくださいました。

それが、この「高知の近代文学さんぽ」。今年、卒寿を迎えられた高橋正先生のひたむきな文学研究に触れ、今一度、自分を振り返った書です。

 

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