「ゼロからの『資本論』」 斎藤幸平 NHK出版
はじめに・・・『資本論』を読破するのは、かなりの難行です。と書かれているように、タイトルだけで尻込みをしてしまう。
この本は“ゼロから”の入門書として役立てていただきたい、そして近年のマルクス研究を踏まえてまったく新しい視点で読み直す、と説明がある。それならば私なりに読めるかなと思い買ってみた。
分かり易く解説してくれてはいるが、読み終えるには多くの時間が必要だった。
「SDGs」が盛んに唱えられる昨今であるが、マルクスが考え、結論を出せずにいた持続可能な理想社会の基本と同じであるように感じた。目新しく見えても、危機感をもって、目指し求める社会は、過去も現在も共通であり、困難な道のりである。
「本書はひとつの問題提起です」と、著者は述べている。