「おんじゃく」はまっ白な石。
その石で地面に書くと白くついてチョークで書いたように見え、ケンケンパーや石けりなどを地面に書くときれいに描けた。
どこにでもあるものではなく、能地の山奥にあると聞いた覚えがある。
おんじゃくの持ってないみんなあ(3にんよればみんなあと言うと母によく言われた)で川に行っていろいろな石を岩にこすりつけながら、色のつくのを捜した。
それを「めんじゃく」とよんでいた。
なんでめんじゃくと言うたろう。おんじゃくが男でめんじゃくが女??
めんじゃくで書くと灰色っぽくおんじゃくの白さにはとうていかなわない。
覚えているのは中学校の校庭で小学生の頃。夕方近かったので秋の放課後かなあ??
地面におんじゃくで書いているのは、幹勇館にいる三代さんやった。
その石を割って分けてくれんろうかと、うまをあわせたけれど分けてもらってよろこんだ覚えはない。
それほど貴重で自慢のものやったかも知れん。
後日、友達夫婦に「おんじゃくって覚えちゅう?」と聞いたら、旦那さん(新宮出身)が「新宮から山越えで三島に抜ける峠をおんじゃく峠があってそこにはおんじゃくがあったらしい」と言っていた。
又、又、後日三代さんにおんじゃくの話しをしたら「能地は私の生まれどころやき、おじいちゃんが山へ行ってとってきてくれたろうかねえ」と言い、おまけに「分けちゃるわけがないろう」とにやりと笑うた。
やっぱりそうやったか~。