「柴田元幸ベスト・エッセイ」 柴田元幸 ちくま文庫
柴田元幸さんは日本を代表する英米文学翻訳家。僕が柴田さんのことをあれこれ書くのが憚られるくらい、個人的に尊敬する人です。
驚くほどに多産な仕事ぶりで、ざっと翻訳した作家を挙げてみても、ポール・オースター、チャールズ・ブコウスキー、スティーヴ・エリクソン、スティーヴン・ミルハウザー、リチャード・パワーズ‥‥これ以上は書ききれませんが、もちろんここに挙げた名前はほんの一部です。
その柴田さんが、翻訳ではなくご自身のエッセイで本を出されました。80年代から、様々な媒体で発表されたエッセイを一冊にまとめた「柴田元幸ベスト・エッセイ」。これが面白くないわけはない。そこに柴田さんがいるかのような錯覚に陥りました。
ちょっとだけ自慢(←抑えきれない)をさせてもらうと、僕は柴田さんにはちょっとだけ仲良くしていただいていて、この一冊は「献本」として送っていただいたものでした。柴田先生、ありがとうございます。
石川拓也