いいことがあれば、立て続けにいいことがある。
嫌なことがあれば、立て続けに嫌なことがある。
そうやって在るところに集まってくる。
みたいな感じで、ナゾの連鎖に巻き込まれている。
あるよ。
鹿の角でいろいろやりたいなーということで、『できるだけ数がほしい!』みたいな感じのことをFacebookでアピールしていたら【あるよ】と連絡をもらった。
どこかにはあるだろうと思ってお願いをしておきながら、『あるんや!』と謎にテンションがあがる。
わざわざ連絡をくれたのは、土佐町の中でもかんなり奥地に住んでいる【高橋通世】さん。
鹿の角をもらうハイ(ランナーズハイみたいなことが言いたい)になっている僕らは、さっそくもらいに行くことに。
たぶん、何か理由を見つけてきては、遊びに行きたいのだと思う。
【鹿の角をくれる】ということはもちろん嬉しいのだけど、それをきっかけに新しく誰かと繋がったり、
心がほっこりする場所に出会ったり。
そんなことを思いながら車を飛び降り、きれいな景色に見惚れて、最高にリラックスしまくっていたこのとき、
少し道に迷ったりもして待ち合わせ時間に遅刻していた。
ようやく(散々楽しんで)高橋さん宅へ到着したとき、『家、わかりづらいと思って』とわざわざ道まで出てきて待ってくれていた。
さっきのリラックスと今の罪悪感とで、無になった。
『ようきたね』と笑顔でおっしゃる高橋さんの絶大な優しさに、
道に迷ったあげく素敵な場所を見つけたから寄り道してバカみたいにニヤニヤして、その間ずっと道で待たせていたことに許しを得た(気になった)ので、さっそく鹿の角を見せてもらった。
なんでも猟師の勲章として、狩った獲物の角を保管していたよう。
『そんな大切なもの、もらっていいんですか⁉︎』って聞いたら、
『なんとなく取っておいてるけど、あっても使わないし』みたいな感じのことをおっしゃって…
このゆるさ最高だなと思いました。
たぶん、物事が進まないときは【ゆるさ】が足りないんだろうなと思う。
と言うか、いろんなことを足しすぎて動けなくてなっていくんだと思う。
結局どうなるかわからないんだから、あれやこれやピーチクパーチク頭の中で騒ぎ立てるその前に、
感じたままにやってみたらいい。
良いことも悪いことも、頭の中だけで想像するだけのそれは、どうせその通りにはならないし。
(いい感じのゆるさを持っている高橋さんは僕らのために、埃をかぶってた鹿の角をわざわざ綺麗に洗ってくれていたりする、愛しさと切なさと心強さとを兼ね備えた人です)
やっっっぱり、あるよ!
高橋さんに別れを告げ、このあとご近所さん宅へ遊びに行くことに。
『最近どう?』みたいな、内容なんてどうでもいいコミュニケーションが目的みたいなご近所トークをしてたら、
その話しの中でぼくが『工具を探しててさー』みたいな話しをしたとたん、
【工具あるよ】の一言。
大工さんだしあって当たり前なんだけど、『あるんや!』とやっぱり謎にテンションがあがる。
ぼくが撮った写真でも十分に拓実くんの良い感じなのが伝わると思うのですが、ほんのちょっと暗いので、
あくまで参考程度に、この日一緒だった写真家の石川さんが【4,001プロジェクト】で撮った明るい写真も載せておきます。
『何がいるの?』と言ってくれるので、とりあえず必要なものを片っ端から言ってみました。
『ハンマー!』【あるよ】
『ノコギリ!』【あるよ!】
『ヤスリ!』【あるよ!!】
『ドリル!』【あるよぉぉっ!!!】
だんだんテンポが早くなっていく笑
言ったものが次々あるもんだから、おもしろくなって笑っちゃってたら、
拓実くんも途中から笑いながら『あるある笑』って、なんかようわからんけど最高に楽しい。
ちなみに『作業台!』って言ったら、
今はないからつくっちゃるわ!
ですって。
神かよ。
2日後。
モノが良すぎてビビる。
『あれがない』とか『これがない』とか、そうやって【やりたいこと】をやらない言い訳ばっかりならべてないで、
やりたいようにやってみたら、それをおもしろがってくれる人たちが【ある】を起こしてくれる。
写真家の石川さんは『いい被写体に出会うのも写真家の仕事だ!』みたいなニュアンスのことを言っているけれど、
この日の夜、鹿の角をくれた高橋さんから石川さんに電話がかかってきて
『家に鳥が巣をつくってて、雛が生まれたんだよ!言うの忘れちゃって…』
やっちゃう人のところにはある。