高知新聞に掲載されました!
11月5日〜13日、土佐町郷土学習センターで開催中の「南正文展覧会」が高知新聞に掲載されました。高知新聞嶺北支局の谷沢丈流さんが取材してくださいました。
南正文さんは、以前土佐町で「Monk」というラーメン屋さんを営んでいた南一人さんのお父さん。少年時代に事故で両手を失い、絶望の淵に迷いながら、口で絵筆を咥え、描くことを見つけた日本画家です。
「お父さんの絵をたくさんの人に見てもらいたい」
一人さんのその思いから、今回の展覧会がかたちとなりました。
口筆で花や動物描く
土佐町で南正文さん作品展
【嶺北】
少年時代に事故で両手を失い、亡くなるまで口に絵筆をくわえて作品を描き続けた日本画家、故・南正文さん(享年61)の 作品展が、土佐郡土佐町土居の町郷土学習センターで 開かれている。淡くも気品あるタッチで花や動物などを描いた30点が並んでいる。13日まで。
南さんは大阪府出身。小学校 3年生の時、実家の製材所を手伝っていた際に両腕を機械のベルトに巻き込まれ切断した。中学2年時に口筆画家の故・大石順教尼さんに師事して日本画を学び、 亡くなるまでに約900点の作品を残した 。
展覧会は、南さんの次男、 一人さん(44)=四万十市= が同町のチャレンジショップで飲食店を開いていた縁で、町の魅力を発信するウェブサイト「とさちょうものがたり」編集部と企画した。主催は同町教委。
会場には、満開の桜の木や色鮮やかなスイレン、生き生きとした鶏などを描いた作品がずらり。 訪れた人たちは「口で描いたのにすごく精緻」「透明感のある色使いがきれい」などと鑑賞していた。一人さんは「包み込むような優しさや力強さが表れた作品ばかり。いろんな角度や距離から見て楽しんでほしい」と話していた。
(谷沢丈流)
会場では、正文さんのドキュメンタリー映画「天から見れば」を毎日上映しています。(無料です)
①10:30~12:00
②13:30~15:00
の2回です。
正文さんがどんな少年時代を過ごしたのか。絵筆をくわえ、絵を描き始めたきっかけはどんなことだったのか。家族とどんな時間を過ごしていたのか。
映画を見てくれたお客さまから「映画を見る前と見た後では絵が違って見える」という声をよく聞きます。
正文さんの奥さまの弥生さんが話していました。
「映画を見ると、正文さんは立派な人だったんだなと思われてしまうんやけど、正文さんはいたずらっ子で、優しくて、好奇心旺盛な少年みたいな人やった」
一筆一筆の向こうに在る、正文さんのお人柄も感じていただけたらと思います。
南正文展覧会
会場:郷土学習センター(青木幹勇記念館)
住所:〒781-3401 高知県土佐郡土佐町土居437番地
会期:2022年11月5日(土)〜13日(日)
時間: 10:00~16:00
主催:土佐町教育委員会
協賛:口と足で描く芸術家協会
共催:知の循環型生涯学習研究会
とさちょうものがたり編集部