読むふるさとチョイス
2023年1月24日、とさちょうものがたり編集部の取り組みが 「読むふるさとチョイス」で紹介されました。
「読むふるさとチョイス」は、全国各地の「地域のチャレンジを応援し、新しい取り組みを伝えるWebマガジン」です。
高知県内からは5つの取り組みが取り上げられ、その内の一つとして紹介していただいています。
高知県の5記事
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2023年1月24日、とさちょうものがたり編集部の取り組みが 「読むふるさとチョイス」で紹介されました。
「読むふるさとチョイス」は、全国各地の「地域のチャレンジを応援し、新しい取り組みを伝えるWebマガジン」です。
高知県内からは5つの取り組みが取り上げられ、その内の一つとして紹介していただいています。
2022年11月23日付の高知新聞に「USAGI カレンダー2023」についての記事が掲載されました。カレンダーが完成し、皆さんに届けに行った時のことを高知新聞嶺北支局の谷沢丈流記者が取材、記事にしてくださいました。
写真は香美市の障害者支援施設白ゆりの皆さん。カレンダーができるのを心待ちにしていてくれました。白ゆりの職員さんによると「カレンダーはいつできるの?」「いつ持ってきてくれるの?」と、利用者の皆さんから質問攻めにあっていたとか。
数字や文字を描いてくれた方には一部ずつプレゼントしました。ページをめくり、自分の描いた数字や文字を探して「これだこれだ!」と教えてくれたり、「自分の部屋に飾っていいの?!」と職員さんに聞いている方も。白ゆりの皆さんが拍手して喜んでくれていた姿を見て、こんなにも楽しみにしていてくれたんだなあと感極まるものがありました。
この記事を読んで、早速、金高堂書店さんで購入してくださった方もいたと聞いています。ありがとうございます!
高知県内7つの障がい者支援施設の皆さんと作った「USAGI カレンダー2023」。2023年の毎日が、ちょっと楽しくなることうけあいです。
ぜひ手に取ってみてくださいね!
11月5日〜13日、土佐町郷土学習センターで開催中の「南正文展覧会」が高知新聞に掲載されました。高知新聞嶺北支局の谷沢丈流さんが取材してくださいました。
南正文さんは、以前土佐町で「Monk」というラーメン屋さんを営んでいた南一人さんのお父さん。少年時代に事故で両手を失い、絶望の淵に迷いながら、口で絵筆を咥え、描くことを見つけた日本画家です。
「お父さんの絵をたくさんの人に見てもらいたい」
一人さんのその思いから、今回の展覧会がかたちとなりました。
【嶺北】
少年時代に事故で両手を失い、亡くなるまで口に絵筆をくわえて作品を描き続けた日本画家、故・南正文さん(享年61)の 作品展が、土佐郡土佐町土居の町郷土学習センターで 開かれている。淡くも気品あるタッチで花や動物などを描いた30点が並んでいる。13日まで。
南さんは大阪府出身。小学校 3年生の時、実家の製材所を手伝っていた際に両腕を機械のベルトに巻き込まれ切断した。中学2年時に口筆画家の故・大石順教尼さんに師事して日本画を学び、 亡くなるまでに約900点の作品を残した 。
展覧会は、南さんの次男、 一人さん(44)=四万十市= が同町のチャレンジショップで飲食店を開いていた縁で、町の魅力を発信するウェブサイト「とさちょうものがたり」編集部と企画した。主催は同町教委。
会場には、満開の桜の木や色鮮やかなスイレン、生き生きとした鶏などを描いた作品がずらり。 訪れた人たちは「口で描いたのにすごく精緻」「透明感のある色使いがきれい」などと鑑賞していた。一人さんは「包み込むような優しさや力強さが表れた作品ばかり。いろんな角度や距離から見て楽しんでほしい」と話していた。
(谷沢丈流)
会場では、正文さんのドキュメンタリー映画「天から見れば」を毎日上映しています。(無料です)
①10:30~12:00
②13:30~15:00
の2回です。
正文さんがどんな少年時代を過ごしたのか。絵筆をくわえ、絵を描き始めたきっかけはどんなことだったのか。家族とどんな時間を過ごしていたのか。
映画を見てくれたお客さまから「映画を見る前と見た後では絵が違って見える」という声をよく聞きます。
正文さんの奥さまの弥生さんが話していました。
「映画を見ると、正文さんは立派な人だったんだなと思われてしまうんやけど、正文さんはいたずらっ子で、優しくて、好奇心旺盛な少年みたいな人やった」
一筆一筆の向こうに在る、正文さんのお人柄も感じていただけたらと思います。
南正文展覧会
会場:郷土学習センター(青木幹勇記念館)
住所:〒781-3401 高知県土佐郡土佐町土居437番地
会期:2022年11月5日(土)〜13日(日)
時間: 10:00~16:00
主催:土佐町教育委員会
協賛:口と足で描く芸術家協会
共催:知の循環型生涯学習研究会
とさちょうものがたり編集部
富貴子さんから届いたカード。両方ともデナリが描かれている
ある日、編集部にエアメールが届きました。封筒にはAlaska という文字が。どなたからだろうと封を開けると、一枚の美しいカードが入っていました。富貴子ワリスさんという方からでした。
富貴子さんは「とさちょうものがたりZINE09」を手にし、読んだ感想を綴ってくださっていました。
とさちょうものがたりの雑誌09号を読ませていただきました。
私の親友で土佐町の立割に住んでいる上田千佳さんが送ってくれたのです。
私の叔父の筒井賀恒さんのお話が出ており、大変懐かしく思いました。
その昔、私は「伊野町清水川窪」というところから、深い植林の山道を歩いて芥川にいき、叔父の家で数日お世話になり、楽しい時をすごしました。
高峯神社にも参拝したことがあります。
そこに生きる人々のお話が思いやりある言葉で綴られて文章となり、心が打たれるものがありました。
いつの世にも人と人との心のつながりは大切なもの。一つ一つの物語は誠実に生きる人々の美しい姿であり、学ぶことも多くありました。
それぞれの物語は私たちの心の糧となります。
これからもとさちょうものがたりの出版が長く続きますよう応援しております。
富貴子 ワリス
一冊の「とさちょうものがたりZINE」が海を渡り、遠くアラスカまで届いた不思議を思います。
富貴子さんの元へ届いたのは、富貴子さんのご友人が土佐町にいて、本を封筒に入れ、切手を貼り、郵便局から送ってくださったからです。一冊の本は、私の知らないところでたくさんの人の手を介し、旅をしていました。そのことを思うと胸が震えます。
デナリ国立公園に聳えるデナリ(マッキンリー山)が描かれたカードは、自らの足元は常に広い世界と繋がっていることを思い出させてくれました。
調べてみると、デナリは北アメリカ大陸の最高峰。きっとアラスカの方たちにとって、デナリはいつも自分達を見守ってくれている、原風景のような存在なのかなと感じました。
いつかアラスカを訪れ、富貴子さんとお会いできたらと願っています。
富貴子さんにお返事を書き、記事として掲載することの許可をいただいています。
大豊町の障がい者支援施設「ファースト」のメンバーさんが描いた絵が、ポロシャツになりました!
高知新聞に掲載されてから、町の方をはじめ、多くの方からご注文いただいています。ありがとうございます!
現在、せっせと印刷中です。
『大豊町ファーストが製作したポロシャツを、大豊町ファーストが印刷作業を行い、販売。そして利用者さんのお給料として、その売上の一部が手を動かして仕事をした利用者さんに還元されていく。』
こういった仕組みになっています。
皆さまからのご注文、お待ちしています!
【嶺北】
長岡郡大豊町制50周年を記念したポロシャツがこのほど完成した。デザインや製作に携わった障害者就労支援事業 所「ファースト」(高須) の利用者は「たくさんの大豊町の人に着てもらいたい」と呼び掛けている。
土佐郡土佐町の魅力を発信するウェブサイト「とさちょうものがたり」編集部の石川拓也さん(47)が企画。同編集部は5年ほど前から、施設利用者らと同調をPRするポロシャツを製作、販売している。
今年は初めて大豊町をテーマに製作。ポロシャツ背部には利用者が描いた町特産のユズのイラスト、胸部には合併前の旧4村(東豊永、西豊永、大杉、天坪)の名前などをあしらったロゴがプリントされている。
イラストやロゴの刷り上げも利用者が行い、収入につなげている。
「ファースト」に通う小笠原照幸さん(58)は「プリント作業はほぼ初めてだったけど、イラストの白い線と生地の色合いをうまく合わせられた」と話していた。
ポロシャツは黒や緑、赤など10色で、1着2,500円(税込み)。注文はファースト(0887-72-1570)か同編集部(0887-72-9260)で受け付けている。
(谷沢丈流)
*色やサイズについては、こちらの記事をご覧ください。
「とさちょうものがたり」が始まってから、お手紙やはがき、メールなど、編集部へたくさんのお便りをいただいています。今まで届いたお便りはすべて大切に読ませていただいています。なかには文通のようにはがきでのやりとりが続いている方も。心を寄せてくださっている方がいるということは、私たち編集部にとって大きな励みとなっています。
3月のある日、編集部に一通の手紙が届きました。高知市のHさんという方からでした。
Hさんは「とさちょうものがたり ZINE09」を手にした感想を綴ってくださっていました。09号は、とさちょうものがたり編集部の鳥山が、土佐町の5組の方たちの生き方を描いたエッセイ集。その中に、16歳で志願して海兵になり、従軍した筒井政利さんのお話があります。Hさんは、ご自身のお父さまと筒井さんの姿を重ね「もっと父から話を聞いておけばよかった」と感じたそうです。
【高知市 Hさんより】
とさちょうものがたり編集部のみなさま
先日、大学生の二男と初めて土佐町に行きました。 以前は幡多に住んでいましたので、土佐町はほんと縁のない地域でした。
先日の高知新聞で三樽権現の滝を見て、 春休みに帰省してごろごろしていた息子を誘って行ってみることにしました。
水の綺麗さに感動して心が 洗われたような気持ちになり、来て良かったと心底思ったことです。
数日後、 とさちょうものがたりという冊子を目にして、 あっ土佐町だと思い手に取ってみました。
まず、 編集長の石川さんのはじめのことばに魅かれ、素晴らしい取り組みだと思い読み進 めることができました。
「地図の記憶」 筒井政利さんの記事を読ませて頂いている時、自然と涙が流れてきました。父に聞けなかったことを筒井さんが話して下さっているように思えたのでしょう。
読みながら、つらい経験を語り伝えて来てくださった筒井さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。それと同時に筒井さんにどうかこれからもお元気でいてくださいとお伝えしたい気持ちになりました。お伝え頂けたら嬉しく思います。
私の父は、生きていたら96歳になります。 53歳の時闘病の末亡くなってしまいました。私はその時17歳でした。
父が10代で志願して戦争に行ったことは聞かされていました。その時は、どうして自分 から志願したのだろう、まだ戦争に行かなくてもいい年なのにと思ったことでした。けれど 父と深くそんな話をすることもありませんでした。
父が亡くなってから、いっぱい話を聞いておけばよかったと思うことがたびたびありました。ですから、今回筒井さんの記事を読ませていただきその思いが通じた気がしたのです。
父も海軍に所属していて、まさに筒井さんと同じ戦争体験をしてきたのだと思います。筒井さんのお言葉の一つひとつが胸にささります。 聞かせて頂きほんとうにありがとうございます。
今の世界情勢に筒井さんも胸を痛められている事と思います。 一日でも早くウクライナ に平和が戻ってくることを祈ります。世界中に戦争がなくなることを願ってやみません。
編集者の石川さん鳥山さん素晴らしい取り組みをありがとうございました。
これからもどうぞ多くの人たちに言葉のたねを。
編集部は、Hさんから届いたお手紙を筒井さんの元へもお届けしました。筒井さんは目を細め、本当に喜んでくださいました。
一冊の本を通して、筒井さんの歩んできた人生とHさんの人生が重なる不思議を感じます。
人間には、その人生を歩んできた人だけが語れる「言葉のたね」が詰まっています。筒井さんが語ってくれた「たね」が、Hさんの元へ届き、Hさんの懐でちいさな芽を出した。人間のことばは、人間に届く。このお手紙は、そのことをあらためて実感させてくれました。
Hさんのお手紙にあった、「今の世界情勢に筒井さんも胸を痛められている事と思います。 一日でも早くウクライナに平和が戻ってくることを祈ります。世界中に戦争がなくなることを願ってやみません。」。
きっと世界中の多くの人たちが同じ思いを共有していると思います。少しでも早く誰もが安心して暮らせる世界を取り戻せますように。
そして、もう二度と、Hさんのお父さまや筒井さんが経験した戦争を繰り返してはならない。そう強く感じています。
Hさん、お手紙をありがとうございました。とさちょうものがたり編集部は、Hさんからの「言葉のたね」をしっかり受け取りました。
2021年12月1日、ただいま絶賛発売中の「2022カレンダーTAIBOKUHEN」についての記事が高知新聞に掲載されました。
高知新聞嶺北支局の谷沢丈流さんが記事を書いてくださいました。
写真は、大豊町の障がい者支援施設「ファースト」でカレンダーお披露目会をしたときの一コマです。前に座っているお二人は、西山博子さんと上村三枝子さん。昨年に引き続き、とても楽しみながら文字を制作してくださいました。
この新聞記事をきっかけに、ファーストさんにはたくさんの問い合わせがあり、まとめて購入してくださった方もいるとのこと。ファーストさんを大切に思い、応援してくださっている方の存在をあらためて感じる出来事だなあと思います。「本当にありがたいなあと思います」と、ファーストの職員さんが話していました。こういったお話を聞かせていただいて、編集部もとてもハッピーな気持ちをいただいています。
私たち人間は、互いを大切に思う気持ちを交換しながら暮らしているのだなと思います。このカレンダーが「あなたのことを大切に思っているよ」というメッセージの一つになれたら幸いです。
嶺北地域の障害者就労支援施設利用者が日付をデザインした、2022年のカレンダーが発売された。土佐郡土佐町の魅力を発信するウェブサイト「とさちょうものがたり」編集部が企画。施設通所者は「みんなの個性が出ている」と味のあるカレンダーをPRしている。
同編集部は、新型コロナウィルスの影響で売り上げが減った施設の支援や利用者の収入向上を目的に、昨年からカレンダー作りに取り組んでいる。今年は土佐、本山、大豊町の3施設の利用者約20人が制作に参加した。
カレンダーの日付は、ペンや絵の具、切り絵や葉っぱなどを使ってデザイン。漢数字やイラストも交じったユニークな発想で描かれている。
カレンダー表紙のロゴは、大豊町の支援施設「ファースト」に通う大尾剛さん(34)が作成。朱色で力強く「TAIBOKUHEN」と描かれており、大尾さんは「嶺北といったら大木」とにっこり。同じく「ファースト」に通う西山博子さん(34)は「みんなでワイワイ協力しながら作れた」とほほ笑んだ。
税込み1,500円で千部限定。土佐町役場に隣接する同編集部や同町のスーパー「末広」、高知市の金高堂書店本店などで販売している。問い合わせは同編集部(0887・72・9260)へ。
(谷沢丈流)
カレンダーの販売先はこちらです。
【嶺北の3施設】
・どんぐり(土佐町)
・しゃくなげ(本山町)
・ファースト(大豊町)
【土佐町内】
・末広ショッピングセンター
・うどん処繁じ
・カフェZOE
・お菓子工房Dolce&Merenda
・とさちょうものがたり編集部(とさちょうものがたりのネットショップでも販売中)
【高知市内】
・金高堂書店 本店
・高知蔦屋書店
【県外】
・クレヨンハウス大阪店(大阪府吹田市)
・恵文社一条寺店(京都市)
とさちょうものがたりが始まってから、お手紙やはがき、メールなど、たくさんのお便りをいただいています。今まで届いたお便りはすべて大切に読ませていただいています。なかには文通のようにはがきでのやりとりが続いている方も。心を寄せてくださっている方がいるということは、私たち編集部にとって大きな励みとなっています。
先日、絵本作家の西村繁男さんからお葉書が届きました。
2018年、西村さんは奥さまのいまきみちさんと共に土佐町立みつば保育園を訪れ、絵本の読み聞かせをしてくれました。その後も新しい絵本が出版されるたびに送ってくださり、土佐町立図書館には西村繁男さんの絵本がたくさん並んでいます。
高知市出身の西村さんですが、西村さんのおじいさんは土佐町旧地蔵寺村の村長だった西村繁太郎さん。幼い頃、繁太郎さんの家に遊びにきては地蔵寺川で泳いだそうで、土佐町にはとても懐かしい思い出があると何度も話してくれました。
前略
「とさちょうものがたり08」ありがとうございました。
窪内さんの文章はとてもおもしろく拝見しました。川を中心とした子供時代の生活、自然と密接につながっていた時代、体験からいろんなことを学んでいた様子、とても興味深いものがありました。
ぼくの育った高知市の家の前は鏡川で、そこで遊んだ思い出は心に残っていますが、窪内さんと川の関係の深さにはとうていおよびません。
山や川の風土はそこに暮らす人々にとても大きなものを与えてくれたのですね。
便利になったこの時代、さてと考えるものがあります。
一つ一つていねいに掘りおこしてくれてありがとうございます。お元気で。
PS . 写真もいいものでした。
山や川、空や土や風…。自然の数々は、コンクリートの上では味わえない何かを届けてくれます。
西村さんといまきさんに、また土佐町でお会いしたいです。
2021年7月21日、高知新聞に「鹿の角ガチャ」についての記事が掲載されました。高知新聞嶺北支局長の竹内将史さんが書いてくださいました。
「鹿の角ガチャ」については、2021年6月11日の高知新聞でも取り上げていただき、多くの反響をいただきました。この記事が掲載されてから、編集部の元へは続々と鹿の角が届き始めました。土佐町の猟師さんが「よかったら使いや〜」と角を持ってきてくれたり、大豊町の障がい者支援施設「ファースト」にも角がどっさり入ったダンボールがいくつも届きました。大豊町の民生委員さんが知り合いの何人もの猟師さんに声をかけてくれたそうです。
また、ガチャガチャを置いてくださっている土佐町の繁じさんには「ガチャガチャを回しに来ました」という人もたくさん来てくださっています。いつも行列ができる人気のうどん処 繁じさん。お忙しいなか対応してくださっていることに本当に感謝しています。
同じく、ガチャガチャを置いてくださっている高知蔦屋書店に行った人から「子どもたちがガチャガチャに群がっていました!」という報告もいただきました。
私たち編集部以外にも、鹿の角ガチャの取り組みに心を寄せてくれる人たちがこんなにもいるのかと感じた出来事の数々でした。多くの人たちが表してくださった行動や言葉から、私たち編集部はどんなに励まされたでしょう。一人ひとりの人たちに心から、ありがとうございます、とお伝えしたいです。
とさちょうものがたり編集部はこれからも今できることを考え、多くの人たちがハッピーになれるような在り方をつくっていけるよう精進したいと思います。
山間の営みには、いくつもの学びがある。取材してイメージが一変したのがシカ。 厄介な鳥獣は、大きな恵みでもあると知った。
まず肉。正直言えば小さい頃に食べて以来、臭くて硬いという偏見があった。だが処理や調理次第では柔らかく、とびきりうまい肉だ。
牛肉と比べ、脂質は6分の1で鉄分は2倍。ビタミン類も多い。 高タンパク低カロリーの健康食材は、市場拡大の可能性を秘めている。 香美市のジビエ料理人の下には、全国からファンや同業者が訪れていた。
県内にはシカの革製品を手掛ける人もいる。それは知っていたが、恵みはまだあった。
シカの角。古くから金運や武運向上、水難よけのお守りとして重宝されてきたという。土佐町の「とさちょうものがたり」編集部は、お守りのガチャガチャ(カプセル玩具販売機)を町内と高知市に設置した。
記事で紹介したこともあり、売れ行きは好調だとか。お守りは町内の障害者就労支援事業所でも加工しており「利用者のためにも役立てて」と編集部には町内外の住民から家に飾っていたシカの剥製や角が続々届いている。加工に使う工具も住民が持ち寄ってくれたという。
編集部は「障害者らの仕事ができて、 山の文化に触れることのない子どもたちに面白がってもらえれば」と、もうけは二の次。取り組みをまねたいという町外関係者にも、どうぞどうぞと寛大に接する。 温かな輪の広がりに心が和む。
シカはすごい。その真価を生かした活用法の進化が知れ渡れば、山の心地よさにも多くの目が向くと思っている。
ある日、編集部に一本の電話がかかってきました。
それは農協の冊子「JA広報通信」のライター、則竹知子さんからでした。
「地方のメディアを取材しています。ウェブで『とさちょうものがたりZINE』を知り、気持ちを込め、こだわりをもって作っていることを感じました。創刊の経緯や思い、どのように製作しているかを取材させてほしいのですが」とのこと。
則竹さんは「とさちょうものがたりZINE」を読み込んで、取材してくださいました。
インタビュー記事の一部をご紹介します。(全文は写真で読むことができます。)
−創刊の経緯を教えてください。
石川
創刊の1年ほど前に、町のウェブ サイト(以下サイト) をオフィシャルとは別に新しく作りたいという話を町役場 の人から聞きました。 話の流れで私がや ることになったとき、 名所やおいしい店 紹介など、ネットで検索すれば出てくる ような情報ではなく、もっと深くて捉えどころのない田舎の価値や、言葉になりにくい良さを伝えるサイトにしたいと思 いました。 サイト開設後は、コンテンツを増やしたり、リアルの企画と連動させたりと、 土佐町の魅力を発信するためいろいろと取り組んでいました。
あるとき、東京で活動する知り合いの絵描きを町に呼び、 1週間の滞在の間に 町の人たちの絵を描いてもらう企画を立 てました。 描いてもらった本人はもちろん、周りもとても喜んでいる姿を見て、 これをまるごと一冊にしよう! という話が出てきました。お年寄りの多い町なので、皆に見てもらうにはサイトだけでは限界があります。形として残せるものとして、『とさちょうものがたりZINE』が誕生しました。2018年7月のことです。
鳥山
今まで話を聞いた人たちは、以前から関係のあった人たちが多く、その関係を踏まえて深い話を聞くことができた気がします。 今後はあまり接点がなかった人からも話を聞く機会が増えると思うので、先入観を持たず、その人に共鳴する部分、琴線に触れる言葉を見つけられたらと思います。
石川
写真を使って、自分の手が届く範囲で物を作って届ける。それが相手をちょっと笑顔にすることができた、そんな手応えを感じることがあります。土佐町みたいなローカルの規模が自分にちょうど良い。「冊子が届いたよ!」「サイトの記事、更新したね!」などの声も直接聞けますし、町の人が「とさちょうものがたりZINE」を自分たちのものとして考えてくれていると気付いたとき、意外なうれしさがありました。この町に移住して、自分はこういうことをやりたかったんだと気付かされました。
今までやってきたことや普段考えていることを言葉にすることで、あらためて初心に帰るような気持ちになりました。
とさちょうものがたりが始まって5年目に入りましたが、今立っている場所から来た道を振り返る、このような機会をいただいて感謝しています。
則竹さん、ありがとうございました!