「TRANSIT THE LANDSCAPES」 euphoria factory(ユーフォリアファクトリー)/TRANSIT編集部 講談社
「やっぱり地球は美しい」
TRANSITという旅の雑誌(発行:euphoria factory)があります。毎回、息をのむほど美しい写真で構成された、僕も昔からとても好きな雑誌です。
そのTRANSITが、これまで発行してきたものの中から写真を厳選し、今秋2冊の写真集として発行しました。
それが『TRANSIT THE PORTRAITS』(人物編)、『TRANSIT THE LANDSCAPES』(風景編)の2冊。
今回ここで紹介するのは風景編である『TRANSIT THE LANDSCAPES』です。
本当に多岐に渡る国と地域の美しい写真が、毎ページこれでもかと登場します。これは言葉を尽くして説明するよりも、実際に見るべし、の本です。
なのでこれ以上は野暮な説明は控えますが、ひとつだけ。
僕自身、「TRANSIT」の撮影で、レッドセンター(Red Center)と呼ばれるオーストラリア中央部に行きました。オーストラリア先住民(アボリジニ)の人々の精神的な支柱でもあるウルル(昔はエアーズロックと呼びました)の上空をヘリで周り撮影したものが2枚目の写真です。
当時住んでいた東京では感じようもない大地の巨大さと、人類史の中で本当にややこしく歪められてしまった先住民の存在と文化、それからそれを少しでも立て直そう、立ち直ろうとするオーストラリア社会と先住民社会のとてつもない努力の足跡を体験した、個人的にはとても大きな経験となった旅でした。
この写真集の発行とともに献本として贈っていただき、当時の乾いた空気を思い出しました。今更ながら、関係者のみなさまに感謝です。
見たい方が近所にいらっしゃったら、とさちょうものがたりの作業場に置いてありますので見にきてくださいね。