「三体」
早川書房三体。この風変わりなタイトルは、古典力学用語の「三体問題」から来ています。
三体問題ってなんですか? この本を読んだ直後はわかった気になったのですが、今となってはよくわからなくなりました。生粋文系には難しい単語です。
これは中国で発表された中国人の作家によるSF小説。中国では2,000万部売れたそうです。桁が違う。
中国産SF小説、テーマは地球外生命体(作中では三体人)との交流です。
話の本筋とはずれますが、中国産SF小説の場合、舞台は中国。主役は中国人。
これは考えてみれば当たり前のことですが、ウルトラマンの怪獣がいつでも日本に現れるような、世界征服を目論むショッカーがなぜか北関東の小さな町で活動していたりする事実とか、そんな設定を当然のものとして受け止めて育ってきた自分にとっては新鮮な発見でした。
どこの国の人でも、やはり自国を中心に物語を作る。
中国産SF小説を読んで初めて自分が持つその虚構に気づいた僕は、ハリウッド映画などに影響されすぎているのかもしれません。