気がつけば8月も終盤。そして、一ヶ月以上続いた夏休みも終わる。
通常日中の我が家には僕たち夫婦と末娘しかいないのだけれど、それが夏休み中は七人の人間が四六時中ほぼ一緒にいることになる。やれお腹が空いただの、どこか連れてってという声を背中で聞きながら、嗚呼今年もこの時期がやってきたのかと思う。
夏、特に七月後半から八月上旬は、川遊びのベストシーズンだ。徒歩五分の清流で泳いだり、釣りしたり。地域のプールも開放され、うちの子たちは暇さえあれば通っていた。水着とタオルは乾く暇がないほどだ。安全面や送迎のことから、子どもだけでというわけにはいかず、奥さんか僕が現地まで付き添うことになる。
普段野良仕事や作業などで子どもとの時間を充分取れていないと感じている僕は罪滅ぼしのため、彼らの遊びになるべく付き合うことにしようと夏休み前から心に決めていた。その分、刈らなければいけない草は大きくなっていくのだけれど、まあそれはあとで考えることにしよう。
毎日のように川やプールに通い、ブルーベリー摘みや映画館に行き、スイーツ作り教室やカヌーや陸上大会への出場などした。「今年の夏は今だけなのだ、ヤレ遊べ!」とばかり、充分に夏を満喫させていると親的には思う。が、何も予定がない日に子どもたちから「ひま!つまんない!」の声が上がると、(ナヌ!これだけ遊んでいるのにまだ足りんのか)と愚痴が湧いてくる。つい「宿題終わったの?!」と大きな声が出る。
地域の学校では8月下旬の登校日に全宿題を提出することになっている。しっかり者の長女は早々に終わらせ心配無用であったが、のんびり屋の弟たちは「明日からやる」的なことを言い続けてる。登校日が近くなってさすがにソワソワしてきたくせに、寝転びながら漫画を読んでいたりする。業を煮やした親にお尻を叩かれ、やれやれと宿題をはじめる。そんな(親の)努力もあって、期限前には全員が宿題を終わらせることができたようだ。31日に半ベソかきながらやっていた僕と比べたら、大層立派な我が娘と息子たちである。
日中はまだ暑いが、朝夕にはヒグラシの涼しげな鳴き声、夜には鈴虫など秋の音色が聞こえるようになった。空にはいわし雲、そよと肌を撫でる風に秋の気配を感じる。
自然には「夏休み」という区切りはないが、8月のカレンダーをめくるころ、まだひとつ季節が進んだなと思う。