「MAGNUM LANDSCAPE」Ian Jeffrey Phaidon Press
敢えて説明するのも気が引けますが、”MAGNUM”は1947年から続く国際的な写真家グループです。
創設したのは報道写真家のロバート・キャパ、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ジョージ・ロジャー、デヴィッド・シーモアの4人。(現在は50人が所属)
メディアや印刷技術の発達と共に、彼らの写真は新聞や雑誌に載って世界中を飛び回り、「いま世界で何が起こっているのか」という理解を人々が深めるための一助になりました。
この写真集はそのマグナムの写真家が撮影した珠玉の「風景写真」を収めたもの。ニュースではないもの、と言い換えてもいいかもしれません。
どれもが世界の美しい瞬間を切り取った美しい写真なのですが、ふと「ぼくたちはこういう写真を通して『世界はこういうもの』という理解を掴んでいるのかもしれない」とも感じます。
何が言いたいかというと、そうやって作られたイメージは「世界のように見える何か」であって世界そのものではない、ということ。
現実に対峙して世界を把握することが、写真が氾濫する現代では大切な気がします。