2021年7月21日、高知新聞に「鹿の角ガチャ」についての記事が掲載されました。高知新聞嶺北支局長の竹内将史さんが書いてくださいました。
「鹿の角ガチャ」については、2021年6月11日の高知新聞でも取り上げていただき、多くの反響をいただきました。この記事が掲載されてから、編集部の元へは続々と鹿の角が届き始めました。土佐町の猟師さんが「よかったら使いや〜」と角を持ってきてくれたり、大豊町の障がい者支援施設「ファースト」にも角がどっさり入ったダンボールがいくつも届きました。大豊町の民生委員さんが知り合いの何人もの猟師さんに声をかけてくれたそうです。
また、ガチャガチャを置いてくださっている土佐町の繁じさんには「ガチャガチャを回しに来ました」という人もたくさん来てくださっています。いつも行列ができる人気のうどん処 繁じさん。お忙しいなか対応してくださっていることに本当に感謝しています。
同じく、ガチャガチャを置いてくださっている高知蔦屋書店に行った人から「子どもたちがガチャガチャに群がっていました!」という報告もいただきました。
私たち編集部以外にも、鹿の角ガチャの取り組みに心を寄せてくれる人たちがこんなにもいるのかと感じた出来事の数々でした。多くの人たちが表してくださった行動や言葉から、私たち編集部はどんなに励まされたでしょう。一人ひとりの人たちに心から、ありがとうございます、とお伝えしたいです。
とさちょうものがたり編集部はこれからも今できることを考え、多くの人たちがハッピーになれるような在り方をつくっていけるよう精進したいと思います。
山間の営みには、いくつもの学びがある。取材してイメージが一変したのがシカ。 厄介な鳥獣は、大きな恵みでもあると知った。
まず肉。正直言えば小さい頃に食べて以来、臭くて硬いという偏見があった。だが処理や調理次第では柔らかく、とびきりうまい肉だ。
牛肉と比べ、脂質は6分の1で鉄分は2倍。ビタミン類も多い。 高タンパク低カロリーの健康食材は、市場拡大の可能性を秘めている。 香美市のジビエ料理人の下には、全国からファンや同業者が訪れていた。
県内にはシカの革製品を手掛ける人もいる。それは知っていたが、恵みはまだあった。
シカの角。古くから金運や武運向上、水難よけのお守りとして重宝されてきたという。土佐町の「とさちょうものがたり」編集部は、お守りのガチャガチャ(カプセル玩具販売機)を町内と高知市に設置した。
記事で紹介したこともあり、売れ行きは好調だとか。お守りは町内の障害者就労支援事業所でも加工しており「利用者のためにも役立てて」と編集部には町内外の住民から家に飾っていたシカの剥製や角が続々届いている。加工に使う工具も住民が持ち寄ってくれたという。
編集部は「障害者らの仕事ができて、 山の文化に触れることのない子どもたちに面白がってもらえれば」と、もうけは二の次。取り組みをまねたいという町外関係者にも、どうぞどうぞと寛大に接する。 温かな輪の広がりに心が和む。
シカはすごい。その真価を生かした活用法の進化が知れ渡れば、山の心地よさにも多くの目が向くと思っている。