「月の立つ林で」 青山美智子 ポプラ社
「月」がキーワードとなって作品を構成している。タケトリ・オキナという人の『ツキない話』という番組のリスナーを巡ってストーリーは展開する。
看護師・宅配便の仕事をしながら芸人を目指す青年・二輪車の整備工場の経営者・母と二人暮らしの女子高校生、そしてハンドメイドアクセサリーをネット販売している主婦が各章での話の核となっている。
タケトリ・オキナと登場人物の中の一人が再会を果たしそうな余韻を秘めてラストとなる。
最後の最後に泣かされた。「最高傑作」という帯の紹介は決して誇張ではない。