西村繁男さん、いまきみちさんが土佐町にやってきた!
2018年11月9日、絵本作家の西村繁男さんと奥さまのいまきみちさんが土佐町に来てくださいました。
高知県高知市ご出身の西村さん。西村さんのおじいさんが土佐町で暮らしていたので、土佐町に来た時には地蔵寺川で泳いで遊んだそうです。
おじいさんは旧地蔵寺村の村長だった西村繁太郎さん。(今まで土佐町の人から何度も聞いたことがあるお名前だったので、とても驚きました)
現在、神奈川県にお住いの西村さんといまきさん。
おふたりが東京にいた頃、高知県の西村さんのご両親から柚子酢(ゆずを絞ったもの)やゼンマイの入ったふるさとの小包が送られてきたことがとても嬉しかったのだそうです。
「西村さんのお母さんがお祝い事の時によく赤飯を炊いてくれたの。それまで私にはそのような習慣がなかったけれど、誕生日などお祝い事があるときは、お赤飯を炊くようになったのよ」。
いまきさんがそう話してくれました。
西村さんのお母さんからいまきさんへ、いまきさんから次の人へ、とその習慣は受け継がれていくのでしょう。
西村さんは絵本『にちよういち』を制作した時の話をしてくれました。
「どこかに座って行き交う人を人間観察してた。そうしてると見えてくることがあってね。お店の人に袋を売ってる人がいたり、車椅子の人がいたり、誕生日のおんちゃんと言われている人なんだけど、“今日はわしの誕生日じゃきまけちゃお!”っていう名物おじさんがいたり…」。
絵本『にちよういち』の中には、西村さんが登場しています。
「自分だけわかる楽しみ。自分を絵本に入れた。これ僕なんですよ、わかんないでしょ?」とそのページを開いてニコッと笑う西村さんは、いたずらっ子の少年のようでした。
さあ、西村さんはどこにいるのかな?『にちよういち』の絵本を開いてぜひ探してみてください。(ヒント:メガネをかけていて、いまきさんが作ってくれたカバンを肩にかけて立っています。)
みつば保育園には西村さんの本が何冊もあります。『おばけでんしゃ』『むしむしでんしゃ』『にちよういち』…。テープを貼って直したあとが何箇所もあって、今までたくさんの子どもたちがこの本を楽しんできたことが伝わって来ます。
西村さんといまきさんがスライドの準備をしていると、「あ、西村さんや!」と言いながら集まって来た子どもたち。西村さんといまきさんも思わず笑顔になっていました。
お話は、いまきさん作『ちびだこたこらす』『とちのき』、西村さん作『おばけでんしゃ』『むしむしでんしゃ』の豪華4本立て!
スライドが始まると、子どもたちは音楽に合わせて体を揺らし、目をキラキラ輝かせていました。
この一体感!
絵本の力はすごいなあ!
いまきさんがあとで話してくれました。
「みつば保育園の子たちは繁男さんの本をよく読んでくれているのね。お話の内容がもうわかっているのに、あんなに喜べるのはとても素晴らしいですね」。
すぐそばに3歳の子が座っていました。ひとつお話が終わった時にふと目が合って、ニコッと笑ったその子の目は「おもしろいネ」と私に言ってくれているようでした。その子はまた前を向き、西村さんといまきさんを見つめていました。楽しさや嬉しさを子どもはこんな風に表すのだなあと感慨深いものがありました。
子どもたちからのプレゼントもありました。
西村さんといまきさんは、ダンボールに絵本をたくさん詰め込んで持って来てくれていました。
「保育園にない本があったら、遠慮なく選んでくださいね」という言葉に大喜びの園長先生と志保先生。
西村さんは言っていました。
「子どもがいると世の中いいよね」。
西村さんの絵本は、子どもたちへの手紙のような存在なのかもしれません。
世の中にはいろんな出来事があるんだよ。
たくさんの人がいて、たくさんの場所があって、たくさんの面白いことがあるよ。
それを楽しみに、ゆっくり、ゆっくり、大きくなっておいで。
西村さんのまなざしがそう語りかけているようでした。
子どもたちが保育園や図書館で西村さんの絵本に出会った時、西村繁男さんといまきみちさんというおふたりが土佐町に来てくれたこの日ことを、ふと思い出してくれたらうれしいなと思います。
西村さんといまきさんとのご縁をこれからも大切にしていきたいです。
西村さんといまきさんの絵本は、土佐町立図書館とみつば保育園に並んでいます。ぜひ手にとって楽しんでみてくださいね。
佳代子
西村さん、ひょっとして36ページのストライプの屋根のお店の前にいる白いTシャツのおひげさん、かしら?
鳥山百合子
「にちよういち」の42ページ、大きな木の元でスケッチしている人が西村さんです^^