「せいめいのれきし」 バージニア・リー・バートン作・絵 石井桃子訳 福音館書店
これは、「地球じょうに、せいめいがうまれたときから、いままでのおはなし」です。
劇場を舞台に、銀河系がうまれたとき、古生代、中生代、新生代、現世、このごろひとびとの生活が描かれていきます。
バートンの最後のこの作品は、完成までに8年もかかったそうです。
最後の文章がとても素晴らしいのです。
『さあ、このあとは、あなたがたのおはなしです。その主人公はあなたがたです。
ぶたいのよういは、できました。時は、いま。場所は、あなたのいるところ。
いますぎていく一秒一秒が、はてしない時のくさりの、新しいわです。
いきものの演ずる劇は、たえることなくつづき
いつも新しく、いつもうつりかわって、わたしたちをおどろかせます。』
バートンがこの本に込めたメッセージが伝わってくるようです。
鳥山百合子