「いのちは贈りもの ホロコーストを生きのびて」 フランシーヌ・クリストフ 岩崎書店
普通の生活を過ごしていた人々が世の中の理不尽な大きな力によって、寒さも暑さも、空腹も清潔さも省みられず、感情は踏みにじられ、愛情から見放され、暴力と恐怖と絶望の劣悪の中に放り込まれる…。そんなことが第二次世界大戦の時、ユダヤ系の何百万人もの人々の上に降りかかった…。
信じられない。想像を絶する。恐ろしすぎる。これがもし、日本人を差別視したのなら私たちも同じことが起き得たのだ。
この本を書いたフランシーヌは、9歳から12歳まで強制収容所を転々と移動させられながら、体験したこと、見たこと、聞いたことを子どもの率直な記憶をもとにまとめている。
ここまでひどいとは…。ヒトラーによって洗脳され、狂人となった人々の非情さに胸が悪くなる。人を狂わせる戦争の恐ろしさが胸に突き刺さる一冊でした。
藤田純子