「みんなでつくる総合計画」 チーム佐川著 学芸出版社
日本の地方自治体は10年に一度、「10ヶ年総合計画」を作成します。この総合計画に則って、続く10年を町や市が一丸となって前進していく…。と言葉で言うのは容易いですが、それはなかなかな理想論。
現実では多くの自治体で、ある意味「総合計画のための総合計画」になってしまっていることは否めないようです。つまり、多くの人に読まれ現実的な行動や施策に影響を与えていくというよりは、「作ることが目的」になってしまっているということですね。
そういった総合計画業界(そんな業界ないですが)の状況の中、佐川町が挑戦したのは「本気で住民に読まれる総合計画」。そしてその後に続く行動のひとつひとつが町を作っていくことだ、というスタンスですね。
この本は高知県の佐川町が2年間をかけて「総合計画作り」に取り組んだ過程と結果を読みやすくまとめた一冊。
みんなが本気で読んで考える総合計画にするには、みんなが参加して作る。もちろんそれが王道なのですが、この「みんなが参加」ってけっこう難しいんですよね。予定合わせて人を集めるのも難しい。全員が同様の本気度を保つのも難しい。
僕のような写真という一人メディアを職業にしている人間からすると、この「みんなで作る」という行為の大変さは本当によくわかります。佐川町のコアメンバーの方々は地味な汗をたくさんかかれたんでしょうと脱帽する思いです。
さて、土佐町。
土佐町の10ヶ年総合計画(土佐町では振興計画と呼ぶそうです)は2019年度に作成、2020年度より開始です。もうそのための布石である「住民幸福度アンケート」の作成が始まっています。
「自分の町は自分で作る」そう考えるみなさんの積極的な参加がカギを握るタイミングが近づいてきています。