分類キク科アキノキリンソウ属の多年草
分布北アメリカ原産の帰化植物。1900年頃に観賞用・蜜源植物として導入され、北海道から沖縄まで広く分布している。
概要草丈1~2.5m、花期は10~11月。名前の由来は、背が高く、花や果実の綿毛が泡立っているように見えることからきている。アメリカではゴールデンロッド(金の錫杖)と呼ばれる。
撮影土佐町樫山/2021年10月
目の敵!
家の前の県道の法面は庭の一部みたいなもので、アジサイやコムラサキに雑じってセイタカアワダチソウも咲きます。今年も5~6本残して楽しんでいたのですが、ある日突然荒々しく手折られてしまいました。やっぱり嫌われ者なのかと、ちょっとがっかりしています。
花粉症!
花粉症はスギやイネなどのように風で花粉を飛ばす風媒花によってもたらされます。セイタカアワダチソウが花粉症を引き起こすと思っている人がまだまだ沢山いるようですが、虫媒花(*ちゅうばいか)のセイタカアワダチソウにとってはまったくの濡れ衣です。この時期の花粉症の原因となるブタクサと間違われてアレルギーやぜんそくをひき起すのではないかと誤解されているのです。
自家中毒!
セイタカアワダチソウは特殊な物質を分泌してほかの植物の発芽を抑えたり、根の成長を妨げたりします。この作用によって繁殖を始めた場所では何年もしないうちに在来植物の姿がほとんど見えなくなるほど繁茂するのです。ところがやがて自分が出す物質で自家中毒を起こし、自身の成長が阻害される結果となります。こういった性質はヨモギやヒメジョオンなど他の植物にもあります。
セイタカアワダチソウが小型化しているとか、目にする群落が減ってきたとか、近頃感じませんか。
秋の麒麟草!
アキノキリンソウは草丈30~80㎝で秋の野山を代表する草花のひとつです。
別名をアワダチソウといい、存在感抜群のセイタカアワダチソウと同属で時に混同されがちですが、私には「日本の原風景に咲く花」という印象の花です。もしかしたら皆さんも可愛い黄色の花に心が癒されるかもしれません。
※虫媒花…花粉が昆虫などによって雌しべの柱頭に運ばれる花をいう。昆虫を誘引するために花は美しくなり、強い芳香を出すものが多い。