とさちょうものがたり

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

山門由佳

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「わんぱくだんのゆきまつり」 ゆきのゆみこ,上野与志作 末崎茂樹絵 ひさかたチャイルド

小学生の頃、那須正幹さん著「ズッコケ三人組シリーズ」の本が流行っていた。モーちゃん、ハカセ、ハチベエというそれぞれ個性豊かな小学生男子3人組が、力を合わせて事件を解決していく物語にドキドキしたものだ。2人ではなく3人。4人でもなく3人。「3人」というのはグループにおいてそれぞれの個性・役回りが際立ち、なにかやるにもまとまりがよく勢いも感じる人数に思う。

この平成にうまれた「わんぱくだん」シリーズでは、けん・ひろし・くみの女子1名含む3人組で、物語のなかに大人達はいっさい出てこない。 文中に母親の存在を感じさせる一文はあれど、あくまでも子どもたちだけの冒険世界。 最初から最後まで3人は仲良く手を取り合いながら、ファンタジーのような世界、夢のような時間を過ごす。 3人だけのとっておきの秘密の冒険物語。

「ズッコケ三人組」を読むにはまだ早い幼い子たちにも、普段の生活のなかにドキドキやワクワクとしたドラマが潜んでいるかもしれない想像を掻き立て、なにより仲間がいることの心強さを伝えられるすてきな絵本だと思う。

 

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購入してくださった皆さま、ありがとうございました!

「2022年カレンダーTAIBOKUHEN」は、昨年秋、高知県嶺北地域の3つの障がい者施設(土佐町どんぐり・本山町しゃくなげ・大豊町ファースト)と、とさちょうものがたり編集部が一緒に製作したカレンダーで、今回2年目の取り組みでした。

編集部が取り組むシルクスクリーン事業でご縁のできた3施設のメンバーさんに、カレンダーの数字や文字を描いてもらいました。

カレンダーは1部1500円、そのうち200円を寄付として3施設に分配。それに加え、カレンダーを1部販売したら1割(130円)がその施設に入る仕組みです。

カレンダー完成後、各施設のメンバーさんは友人知人、近隣の店舗に声をかけたり、自ら足を運んで販売。「〜部売れましたよ!」という声に編集部も大きな刺激を受けました。とさちょうものがたりZINEを販売していただいている県内外の様々な店舗や土佐町内の店舗にも置いていただきました。「よかったら、うちのお店に置くよ〜」と自ら声をかけてくださったお店もありました。

1月を過ぎても「買いたいと思っていたから」と購入してくださった方も。皆さま、本当にありがとうございました!

皆さまのおかげで、233部を販売することができました。

 

けれども・・・赤字でした(泣)

ですが、昨年よりも販売部数が50部少なかったため、残念ながら今年は赤字になってしまいました。

売上から、数字や文字を描いてもらった原稿料や寄付分、印刷費や店舗やネットショップの手数料、送料などを引くと…、「 2,445円」の赤字でした。あぁ〜〜(泣)。

原因は、昨年に比べて販売開始が遅くなってしまったこと、編集部が11月12月と目の回る忙しさで販売に向けて十分な準備ができなかったことなど、思い当たることがいくつかあります。

でも、もう終わったことは仕方ありません!販売方法など見直し、知恵を絞り、また来年リベンジ!次に活かしたいと思います。

 

お支払いについて

文字や数字を描いてくれた「どんぐり」「ファースト」「しゃくなげ」の3施設へ、以下のような形でお支払いをしました。

 

・カレンダー販売数 233部
売上金額:¥349,500-

【①について】
¥15,533-が各施設に支払われました。

233部×¥200(寄付分)=¥46,600-
¥46,600÷3施設=¥15,533-

 

【②について】
3施設が販売したカレンダーは、合計129部。
「販売部数×130円」が各施設に支払われました。

*①②とは別に、原稿料として20,000円を各施設にお支払いしています。

【③について】
印刷費や店舗・ネットショップでの販売手数料、送料を除き、残った金額は-2,445円。

 

購入してくださった皆さん、販売をしてくださったお店の皆さん、温かい声を寄せてくださった皆さん、本当にありがとうございました!

カレンダーのページをめくり「今日」の数字を見るたびに、少しでも楽しく、ハッピーな気持ちになってもらえたら嬉しいです!

 

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みんなのアルバム

1956年の田井

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山々の麓に田畑が広がる一枚の写真。さて、ここはどこでしょう?

山の形にご注目。よくよく見れば、どこかで見たような…。

そう、この場所は、1956年(昭和31年)の土佐町田井地区です。右に吉野川が流れています。

土佐町で畳店を営む、谷さんが写真を見せてくれました。

以前「みんなのアルバム」で紹介した、「清水屋旅館」「冨士見館」「山中百貨店」は、写真中央左側の道沿いにあります。ここがかつての土佐町のメインストリートでした。

 

こちらは現在の田井地区。右には1973年(昭和48年)に完成した早明浦ダムの堰堤が見えます。広がっていた田畑の真ん中に国道439号線が走り、両側に店や家々が並んでいます。

この国道ができたことで、人の流れも生活も大きく変わりました。

変わらないのは、町を見守り続けてきた山々です。土佐町の山々は、65年後の今の町の姿をどんな風に見ているのでしょう。

 

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みんなのアルバム

古味地区の楮はぎ

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さめうらダム建設の際に、ダムの底に沈んだ古味地区。この写真は、古味地区出身の濱口幸弘さんが見せてくれた一枚です。

写真の裏には「昭和41年.3.12. 楮(こうぞ)はぎ」とメモされています。

楮は「カジ」とも呼ばれ、紙の原料になるものです。山で育てた楮を切り出し、蒸して、皮を剥いで出荷します。この一連の作業「カジ蒸し」は、山の貴重な収入源でもありました。

写真の大人たちは、蒸し上がった楮の皮をせっせと剥いていますね。写真手前の白い枝は皮を剥いだ後の「かじがら」。よく燃えるので今もお風呂の焚き付けなどに使われています。

土佐町の人たちは「子供の頃、よく手伝ったよ。一緒に蒸すお芋を食べるのが楽しみやった」と話す人も多くいます。

皮を剥いでいる大人たちの周りで、子供たちは手伝っているのか、それとも「遊ぼうよ〜」と駄々をこねているのか。どちらにせよ、その幼い眼にこの風景が焼き付いていることは間違いありません。

 

昭和41年の楮はぎ

「早明浦ダム」という本によると、「昭和42年12月15日 」にダムの基礎掘削が開始されたとのこと。

だから「昭和41年の楮はぎ」は、ダムに沈む直前の楮はぎだったのでしょう。

昭和23年生まれの濱口さんは、子供の頃から「古味地区はダムに沈む」と聞いて育ったと言います。「昭和41年の楮はぎ」の時も、もちろん人々は自分達の暮らしている家や土地がダムに沈むことは分かっていたでしょう。それでも、人々は今まで繰り返してきた営みをやめることなく、最後まで自分達の暮らしを続けていたことをこの写真は教えてくれます。

 

 

*「カジ蒸し」は、現在も土佐町の南川地区で行われています。

南川のカジ蒸し(前編)

 

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鹿の角で作った御守りをガチャガチャに入れた「鹿の角ガチャ」。

昨年4月から販売開始し、土佐町の「うどん処繁じ」さんや、高知市の「高知蔦屋書店」さんに設置させていただいています。

10月からは高知市の日曜市にも出店、小さなお子さんから80代の方まで、たくさんの人たちにガチャガチャを回していただいてきました。

その「鹿の角ガチャ」に新たな進展が!

 

まるごと高知へ!

2022年1月末より、この鹿の角ガチャが、東京・銀座にある高知のアンテナショップ「まるごと高知」に置いていただけることになりました!

「まるごと高知」は、『高知の情報発信拠点として、物産品の販売のみならず、文化、観光情報など、高知の魅力をまるごと発信』している場所で、店内には高知ならではの商品や食材が並び、連日、多くの高知ファンの方たちが訪れます。

実は昨年秋、編集部は「まるごと高知」の商談会に参加、今回の設置が決まったのでした。

お店の入り口に置いてくださっているようです

先日、まるごと高知の方が写真を送ってくださいました。

売れ行きは、なかなか好評!とのことで、先日追加の注文をいただきました。

 

高知ならではの御守り

高知ならではの御守り「鹿の角ガチャ」。

以前もお伝えしたように、材料の鹿の角は、土佐町や大豊町、本山町の猟師さんからいただいたものです。

その角を切り、穴を開ける作業は「笹のいえ」の洋介さんが担当してくれています。

その角にひもを通し、御守り紙を切って折って、カプセルに入れる作業を担うのは、大豊町の障がい者支援施設「ファースト」と土佐町の「どんぐり」のメンバーさんたち。作業する方々には、その収益から作業代がお支払いされる仕組みになっています。

 

たくさんの人の存在があって、この「鹿の角ガチャ」はできています。

東京近郊の皆さん、ぜひ、ガチャを回してみてくださいね!

高知という土地の懐の深さ、そのゆたかさが少しでも伝わりますように。

 

*高知県アンテナショップ まるごと高知

 

鹿の角、ください

というわけで、編集部は近隣の方々に不要な鹿の角をいただけませんか?というお願いを常時しています。

あくまで「不要なもの」をいただけたら大変ありがたく思います。左右揃っていてなくても、立派でカッコの良いものは手元に置いておいていただいて、割れていたり小さくて使い道のないものとか大歓迎です。

もし「あるよ〜」という方がいらっしゃったら、こちらからお引き取りに伺いますので、ぜひご一報いただけたら大変ありがたいです!

ご連絡は電話でもメールでも。以下の画像に掲載している連絡先にお願いいたします。

 

 

 

 

 

*高知新聞の記事です

鹿の角ガチャ!高知新聞に掲載されました!

シカのシンカ 高知新聞に掲載されました!

 

 

 

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みんなのアルバム

田井地区の曲がり角

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これは、土佐町田井地区にある西森理髪店の西森五明さんが見せてくれた写真です。

ときは昭和40年代後半から昭和50年代初めの頃。
 
 

曲がり角の左側

写真左側のお店の店先をよーく見てください。並んでいるのは…、三輪車やボール、多分ビニール製の人形(鹿?)や浮き輪。そう、ここはおもちゃ屋さんです。

お店の名は「岡本菓子店」。お菓子屋さんですがおもちゃも売っていて、毎日子供たちがおこづかいを握りしめ、群がるように来ていたそうです。現在40代の人たちには懐かしい、任天堂のゲーム機「ファミリーコンピューター」も売っていたとのこと。

「窓際のガラスのケースにはプラモデルとか、めっちゃ並んでた。よく行ったわ〜」

当時、岡本菓子店に通ったという人が懐かしそうに話していました。

 

右側は…

右側は、高知県交通の営業所。現在は嶺北観光の営業所になっています。当時、県交通のバスには車掌さんが乗っていて、営業所の二階に寝泊まりしていたそう。かなりの人数の従業員がいて、賑わっていたそうです。

当時は大川村や本川村への路線が走っていて、その路線が廃止されることに。公共交通路線がなくなるのは困るということで、現在の嶺北観光ができたそうです。時代と共に、自家用車を持つ人が増えていった頃だったのでしょう。

 

現在の曲がり角

現在の様子はこちらです。

写真左側、かつてあった岡本菓子店はもうありません。右側の県交通のあった場所は、嶺北観光の営業所があります。

この曲がり角で多くの人たちが行き交い、話し、遊び…。時には旅に出たり、帰ってきた人を迎えたりしていたのでしょう。この場所は、人の思いや人生の交わる交差点でもあったのです。

 

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ただいま進行中の『「土佐町の絵本(仮)」を作ろう!』というこの企画。

土佐町で生まれ育った方々と話し、絵本のページに何を描くのか、そのために必要なものごとは何か?たくさんの意見やアイディアをいただきました。

絵を描くために必要なことはいくつもありますが、その内のひとつは「資料を集めること」。編集部はただ今、写真集めの真っ最中です!

 

虫送り

土佐町の絵本には、宮古野地区で行われる行事「虫送り」の場面が出てきます。

ほら貝を吹く人を先頭に、太鼓をたたく人、大きなワラジを担ぐ人、鐘を鳴らす人…。宮古野で暮らす人たちや子供たちが行列をつくって田んぼの周りを練り歩き、白髪神社にワラジやのぼりを奉納します。

「稲に虫がつきませんように」

「豊かな実りがありますように」

毎年、田植えが終わった頃に行われる「虫送り」には、この土地で生きる人々の願いが込められています。

 

行列の順番

絵本に「虫送り」が入ることになり、下田さんがふと言いました。

「行列には、並ぶ順番ってあるのかな?」

そう聞かれて返事に詰まった編集部。こういう時、聞くべき人が思い浮かぶのがこの町の素晴らしいところです。まず、宮古野地区の川村雅士さんに連絡しました。

雅士さんが貸してくださった資料

川村雅士さんは、虫送りの写真や新聞記事を貸してくれました。

行列を歩く人が持つ道具や並ぶ順番、のぼりに書かれた文字…。資料を元に、丁寧に説明してくれました。

 

もうひとつの疑問

虫送りの日、田んぼの畦にはお供え物と共に「五色の旗」が立てられます。

 

上から、赤、青、黄、緑、黒。

五色の紙が繋げられ、旗になっています。

またもや出てきたひとつの疑問。

「なぜこの旗を立てるのだろう?」

この疑問を解くべく、編集部は再び地域の方の元を訪ねました。訪ねたのは、宮古野地区に住む宮司の宮元千郷さん。宮元さんは、白髪神社の第41代目の宮司さんです。
 
 

五色の旗

宮元さんは、この「五色」にはそれぞれ意味があるのだと話してくれました。

話に出てきた言葉の意味を調べる宮元さん

「上から、赤は太陽、青は火、黄は月、緑は水、黒は土を表しています」

「物事には、ひとつひとつ、ちゃんと意味があるのです」

五色の旗、五色の色紙。それは、この世界をつくるものたちが並んでいたのです。

 

今まで何度も宮古野地区の虫送りに足を運んでいたので、畦に立てられた「五色の旗」の存在は知っていました。でも、その意味を考えたことはありませんでした。

各色に託された意味。それはこの世界で生きる人間の祈りでもあるのだと感じます。

「五色が調和し、今年も生きていけるだけの実りがありますように」

風に揺れる五色の旗から、その地で生きる人たちの内なる声が聞こえてくるような気がします。

*後日、宮元さんから連絡があり、正式な五色の旗の色の並び方は、上から「赤・黄・青・緑・黒」とのことでした。写真の五色の旗は並び方が少し違っていますが「それも決して間違いではないのです。正しいとか正しくないとか、そういうことではないのですよ」とおっしゃっていました。

 

 

そして、五色の旗の間に置かれている「お供えもの」。こちらもちゃんと意味があるのだと宮元さんは教えてくれました。(こちらはまた次の記事でお伝えします。)

絵本のための資料集めが、楽しい学びの時間になっています。

教えていただいたことを次の世代へ引き継いでいくために、「とさちょうものがたり」に書き記しておきたいと思います。

 

 

宮元千郷 (宮古野)

 

 

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「地域再生大賞」は、北海道から沖縄まで全国の地方新聞46紙と共同通信社が、地元に活気をもたらし、全国のモデルとなる活動や団体を年に一度表彰している賞です。

第12回目を迎える今回、「とさちょうものがたり」は高知新聞社さんからの推薦を受け、高知県の代表となりました。

その時の記事がこちらです。↓

地域再生大賞、第一次選考通過!

 

 

優秀賞をいただきました!

2022年1月30日、地域再生大賞の各賞受賞団体の発表があり、「とさちょうものがたり」は優秀賞をいただきました。

 

新聞に掲載されてから、町の人たちやお世話になった人たち、たくさんの方から電話やメール、お手紙などをいただきました。

「新聞見たよ。よかったね!おめでとう!」

皆さんが自分のことのように喜んでくれたことが何より嬉しかったです。その思いや言葉が、私たちの財産です。応援してくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました!

今まで積み重ねてきたことを大切に、これからも精進していきたいと思います。

 

 

 

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私の一冊

山門由佳

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「とうちゃんのちゃんぽんめん」 伊藤秀男 福音館書店

毎月一冊、保育園を通して購入し、持ち帰ってくる『こどものとも』がひそかな楽しみだ。

こちらの作品は、年少クラスの娘が昨年の夏に持ち帰ったもの。けれど、半年経ち、寒い冬の今、読んでほしいと娘がよくせがむ。 その理由はわからないけれど、夏に読んだときよりも確実に、ちゃんぽんめんが美味しい季節であることは間違いない。

とうちゃんのつくるちゃんぽんめんには、12種類の具沢山の野菜に、いか、えび、あさりまではいって、しいたけ&昆布のだしをベースに、麺は乾麺からのこだわりよう。

とうちゃんはザクザクと具を刻み、文章にはなくとも胡麻油もしっかり鎮座している台所。 醤油差しの白い陶磁器、手入れされた中華鍋、出番の多さが物語る先の焦げた木べら…、美味しいごはんが生み出される台所であることがわかる。

そしてここの表現がたまらない。

−しおを ぱっぱっ、しょうゆをたらり、おみそを ぽちゃんといれ ぱっぱっ、たらり、ぽちゃん…

その音だけでどれくらいの分量なのか想像がつき、味まで思い浮かぶ。

 

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土佐町の人々が座って豊かな時を過ごすために。第2回土佐町ベンチプロジェクト、進行中です。

 

嶺北でとれた木材を使い、土佐町の職人さんにベンチを作ってもらいました。土佐町の人々が座って豊かな時を過ごすために。

2019年に行った「土佐町ベンチプロジェクト」、第2回が進行中です。2022年2月現在、27個の木製ベンチを製作し、土佐町のあちこちに設置中です。

 

2回目のベンチプロジェクト

 

2019年度に完結した「土佐町ベンチプロジェクト」。作ってくれた職人さんや大工さんをはじめ、町の多くの方々にご協力いただいて町のあちこちに木製ベンチを設置することができました。

①今までなかったところにベンチを設置する → ②今までは歩きながら、もしくは立ち話をしていた場所で座ってゆっくり話しをする → ③人と人のコミュニケーション量が増える

そういった目的のもと行ったこのプロジェクト、その後は町を移動する際に、座ってお話をしている住民の方々の姿を見かけたりして、内心うれしく思っていたのでした。

 

2019年第1回の詳細はこちら↓

土佐町ベンチプロジェクト ① 

 

1回目にできなかったこと

ひとつ大きな反省がありました。それは、「住民の方々に、設置場所を十分に相談できなかった」こと。

1回目に決めた設置場所は、編集部と役場の担当さんとでいろいろと意見を出し合って、「あそこにあったらいいんじゃないか」「あそこは立ち話をしている人がよくいる」といった情報のもと、地区長さんや商店主さんなどその場所の管理をされている方々に許可を得て設置していきました。初めてのプロジェクトで、ある意味それが精いっぱいでもありました。

そんな思いが心の中にありながら完了した1回目。その後しばらくして、住民の方々から「うちの地区にも置けないか」「もっとあったらおきたい場所があるんやが」など、ありがたい声がちらほら届くようになりました。

じゃあもう一回やりましょう(修正ありで)

というわけで、今回の2回目です。まず、全地区の地区長さんたちが一堂に会する地区長会で、「もう一度やります」「約30個ぐらい追加で作ります」「つきましては、地区の方々のご意見を聞かせてください」といった話をさせていただきました。プリントを配り、地区長さんに持ち帰ってもらい、希望の設置場所を書き込んだ上で戻してもらうという方法を取りました。

そして出てきた地区の方々が希望する設置場所は、より住民の方々の生活に沿ったものになったと思います。

 

そして製作

製作は第1回と同様に「土佐町建築組合」の大工さんたち。1月の初旬に集まって、こちらが驚くような早いスピードで仕上げてくれました。

 

製作風景 瞬く間に仕上がっていきます

ベンチ製作チームの大工さんたち  前列左から 池添篤, 森岡拓実, 山中晴介, 大石淳一, 澤田明久, 小笠原啓介,(敬称略)

 

 

 

 

焼印はどんぐりの仕事

最後の仕上げに焼印を押す。この仕事は土佐町の障がい者支援施設どんぐりのメンバーさんの仕事です。ふだんはシルクスクリーンで印刷作業を担当してくれているふたりが、この日は焼印を手にひとつひとつ仕上げていってくれました。

第1回で設置したベンチ、特に屋外に設置したものは2年が経過し、焼印が全く消えてしまっている現状を鑑みて、今回は焼きすぎるくらい濃く焼印を当てることにしました。

 

どんぐりの寿光くん(中央)と希保ちゃん(右) 手際良く焼印を押していきます

和田守也町長も!

ちょっと濃いめに焼いた焼印

 

 

こうしてできた27個の木製ベンチ。木材はもちろん地元産のスギとヒノキ。目にも肌触りも柔らかく、天気の良い日は特に気持ちよく座って豊かな時間が過ごせること間違いなしです。

こうして第2回目も無事完了‥おっと、まだ設置が残っていました。現時点(2022年2月1日)ではまだ設置をしていませんので、設置場所の報告はまた近々、別の記事でお伝えしたいと思います。

 

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