西野内小代

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

西野内小代

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「大人の道徳」 齋藤孝 扶桑社

小学校時代「道徳」という授業があり、取り敢えず座っていれば可もなく不可もなくやり過ごせる時間、息抜きの授業だったことを覚えています。

「道徳」という単語を耳にすることも少なく、ゆとり教育時代には切り捨てられていたのではないかと推察する次第です。自由が尊ばれ、個性尊重が重要視されがちな現代、道徳について振り返るべくページを開いてみました。

他人を思いやる気持ちをベースに、身近なところでは日々の挨拶、メール等では代用できない対面での声掛け、当たり前のことを当たり前にすることが道徳であり、心をコントロールする技術こそ精神文化であり、それは周囲の大人たちがお手本となり、導くべき文化であることを実感しました。

 

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私の一冊

西野内小代

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「リンパのふしぎ」 大橋俊夫 筑摩書房

美容でも医療関係でも「リンパ」という単語はよく耳にします。フンフンと分かったような素振りでやり過ごしますが、改めて考えるとハテナばかり…。リンパ腺、リンパの流れ…、いったい体内のどこに存在し、どのように流れ、どこに行くのか…。少しでも知識の中に収めたいと思い、気持ちお手軽そうなこのタイトルに惹かれ、読んでみることにしました。

医学的な知識皆無の立場では、かなり難解!でも頑張って読み進み、やっと読み終えました。時間がかかってしまったために、最初のページの事柄は記憶に薄くなってしまいましたが、少しだけリンパの任務を理解でき、複雑な仕組みに敬意を払い食生活等に対して真摯に対処しなければと反省しきりです。

水分を摂る必要性の意味が具体的に理解でき、どのようにがん細胞がリンパの中を移動するのか、がんの転移を調べるメカニズムなど、身近な事柄としてイメージできる項目では読むスピードも増します。

白い血管とも呼ばれる「リンパ」、人体は不思議で精巧な造り、設計したのは誰?

最後はいつもこの疑問に到達します。

 

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「おひとりさまのケチじょうず」 小笠原洋子 ビジネス社

時間に追われない、時間を追う生き方を実践。物を持たないゼイタクを着々と実行する72歳の作者の言葉には奥深さがあります。

ただのケチ自慢ではなく、目的意識を明確に掲げ、日々をきめ細やかに・しなやかに・たおやかに暮らす極意がサラッと述べられています。

精神的後押しがないと物を捨てられない貧乏性の私。Uターンを機に心を痛めながらもかなりの量の品々とサヨナラして4年、生活スタイルが一変したこともあり、気が付けばまたまた雑然とした暮らしぶり…。

改めて周囲を見直す勇気を与えてくれた一冊です。

 

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西野内小代

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「日本を寿ぐ」 ドナルド・キーン  新潮社

日本人は「島国根性ではない!」と帯に書かれています。

江戸時代の鎖国のイメージが強烈なので、外国を拒否してきたかのように思いがちですが、古代より海を越えての往来は盛んで色々な文化を移入してきている日本です。

鎖国という言葉は1690年9月から1692年10月まで日本に滞在したケンペルが、帰国後日本に関する論文をラテン語で著し、これを英語で転載、そのオランダ語訳から「鎖国」という日本語が造語されたそうです。そもそも日本語には存在しない単語だったのです。

日本人以上に日本語を大切に扱うキーンさん、とても柔らかい丁寧な日本語で講演されたのがよくわかります。「寿ぐ」という言葉自体普段耳にすることはありません。義母の100歳のお祝いに町長の代理で来てくださった役場の職員の方が、読みにくそうに何度か言い直していたのを思い出します。

俳句を音で解釈したり、伝記の資料がほとんどない明治天皇の思想を短歌から読み解いたり、興味深い講演の選りすぐりです。

 

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「マスカレード・ナイト」 東野圭吾 集英社

土佐町から映画館は遠い!それならば、いち早く原作を読みましょう、と思い立ち「マスカレード・ナイト」を入手。

ネタバレになるのは避けたいのでストーリーなどを仄めかすことは致しません。

小気味良くストーリーが展開、際立つ人物像、私にとっては キムタク と 長澤まさみ が本の中から飛び出して、私一人を観客に演じているかのよう!

しばし日常を忘れて、東京の一流ホテルに滞在しました。

 

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西野内小代

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「地獄の田舎暮らし」 柴田剛 ポプラ社

田舎の住人にとっては恐ろしいタイトル、思わず手に取ってしまいました。

移住を考えている人への重大な警告!といった体で書かれおり、地域的には関東近辺の別荘地かな?と想像します。

いちいちごもっともな指摘ではありますが、少々誇張が過ぎる所も散見されるように思いました。現実を見極め、自己をきちんと確立して挑む事が田舎暮らし成功の秘訣かな、と謙虚さをもって読み終えました。

 

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「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」 堀内都喜子 ポプラ社

何年か前、北欧の学生(高校を卒業したばかり)二人が目的を決めずに日本で長期滞在するという密着取材の番組を観た事があります。日本の学生事情とかけ離れた状況での卒業旅行に、この子達の将来はどうなるの?このうっすらとした記憶がこの本を読むきっかけになりました。

表題の件については、この国や社会全体の常識が全く日本とは異なり、決まりは決まり、休むことも社会人の権利、その必要性という認識がきっちり共有されていて、決まった勤務時間を守ろうという文化が定着している事が挙げられています。

フィンランドは幸福度ランキングで2018年、2019年世界一となっているそうです。

携帯電話のノキア、アパレルのマリメッコ、陶器のアラビア等デザインブランドは有名。学力・経済においても世界で突出しているそうです。

その背景や現状を仕事や日常という視点から探った一冊です。

因みに密着取材の学生二人は、その後母国の有名大学に進学し、優秀な生徒のみ可能な交換留学生として、東大と立命館に留学したらしいです。

 

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西野内小代

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「歴史探偵忘れ残りの記」 半藤一利 文藝春秋

昭和史の執筆者、お堅い学者さんという認識しかなかったのですが、こんなにユーモアに富んだ素敵なエッセイを書かれていたのですね。

このエッセイの完成見本を見る事なくお亡くなりになられたそうです。

人生の最終章までキッチリとケリをつけて逝かれた素敵な生き方です。

絶筆となった「あとがき」に「乱読のお蔭で物書きになった。乱読が脳みそのコリをほぐすのに役立つ薬」と述べられていて、ただただ乱読のみの私は少し胸をなでおろした次第です。

 

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西野内小代

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「クスノキの番人」 東野圭吾  実業之日本社

新刊として新聞で告知された時からタイトルが気になっていた。社会派サスペンスの作家さんが、クスノキの精霊でも扱ったファンタジーに挑戦したのかしら?と、とても興味を持った。案の定、売れに売れている様子。読み始めたら止まらない事必定!何も手につかなくなる、と購入を控えていた。

ある日、図書館の留守番をする事となり、棚から私を見つめているこの本をとうとう手に取った。止まらない、止まらない、もう買うしかない。その週末買い求め、次の日には読み終えた。

一人の訳あり年配女性と、長い間音信不通だった不幸のどん底の甥を中心に物語は展開。人の思いの強さ、感じ取る繊細さをクスノキとして具象化する事により、人間の繋がりの深さを綴った不思議な読み物だった。

紹介に「明日に希望を持てるように…」とありますが、温かい感情で満たされた読後感でした。

 

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「いい加減くらいが丁度いい」 池田清彦 KADOKAWA

チャランポランな生き方を指南しているようでやはりそこは学者さん、しっかりと根拠があり、ちゃかしている風でいて筋が通っている。少々皮肉屋さんなのかなと感じる。

「人が一番騙されるのは、相手のことを心配するふりをした『やさしさ』なのかもしれないね」

柔らかい表現でありながら鋭くドキッとする一言です。

「余生があるかどうかも定かではないよね、とりあえず、今日一日楽しければ文句ない」と結んであり、根拠のない心の不安が払拭され、心が軽くなる思いです。

 

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