私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

山下志保

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「でた!かっぱおやじ」 安曇 幸子  (著),‎ 吉田 裕子  (著),‎ 伊野 緑  (著) サンパティックカフェ

志保先生が教えてくれたのは「でた!かっぱおやじ」。
以前担任をしていたそらぐみ(年長さん)の子が、毎日毎日この本をずっと借りていくので、そんなに面白いのかな?と読んでみたら志保先生もはまってしまった、という本。

夏にそらまつりという保護者も参加するお祭りがあり、その時に「でた!かっぱおやじ」の世界を作り上げ、子どもたちは大喜びやったそうです。

「一人の子の好きだった本が、みんなのお気に入りになった」
と志保先生はその時の思い出を教えてくれました。
きっとその時のそらぐみの子どもたちも、この本をみたら保育園時代のことを思い出したりするのでしょうね。

写真にある「ほいくえん7ふしぎ」は、「子どもたちがそらで言えるくらい好きやった」とのこと。
先生はその時のことをいつまでも大事に覚えているんやなあとなんだか胸がいっぱいになりました。

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私の一冊

石川拓也

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「歴史と小説」 司馬遼太郎 集英社

司馬遼太郎のエッセイ集。
数々の優れた歴史小説を書きながら、そこからこぼれた話や考えが短編で収録されています。話が飛びますが、司馬遼太郎が亡くなった当時、宮崎駿が追悼文を書いています。

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「司馬さんは職人が好きでした。

司馬さんが日本という国が好きな理由として、物を作っている人間に対する尊敬を失わない国だという話をされました。

これで事足りるとしながらも、頭を使い、体を使って一生懸命、自分で先頭切ってやっていく人間たちというのを、実は日本の一番いい部分だというふうに思っていた。

司馬さんってそういう人だった。潔いんですね、司馬さんの書き続けた人物たちというのは。

その潔さが好きです。」(宮崎駿「司馬遼太郎さんのこと」一部略)

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潔い職人さん、頭を使い、体を使って一生懸命、自分で先頭切ってやっていく人間たち。

土佐町にもたくさんいますよね。

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私の一冊

仙田聡美

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「子うさぎましろのお話」 佐々木 たづ (著),‎ 三好 碩也 (絵)  ポプラ社

土佐町の仙田聡美さんが教えてくれた一冊、「子うさぎましろのお話」。
子どもたちが何度も何度もこのお話を読んだのだろうな、ということが伝わってくるような本の佇まいをしていました。

『子うさぎのましろは、サンタさんにもらったお菓子をぺろりと食べてしまって、もう一度贈り物をもらおうかな、と考えました。でも、サンタさんからのおくりものは、どの子どもも一かいきりだということを、うさぎの子はしっていましたから、「このかんがえは、だめだな。」とおもいました。』

「このかんがえは、だめだな」と思うところがいいな、と思います。

クリスマスはもうすぐ。
また子どもたちと一緒にこの本を開きたくなりました。

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私の一冊

石川拓也

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「古事記」 梅原猛 学研パブリッシング

 

いわゆるこの日本という国がどのように生まれたかを描く壮大なストーリー。

政治的な読み方や皇室の家系図として読むとやたらと言葉に気をつけないといけない気がしてくるのですが、そうではなくギリシャやアメリカインディアン、アボリジニなどそれぞれの民族が持つ神話と横並びの「日本神話」として読むと単純明快です。

太古のこの地に生きていた人々が、この世界の仕組みをどのように理解していたか。科学的か非科学的かというものさしで測るのではなく、そこに日本人の生き方考え方の原型があるような気がします。

それにしても登場人物の名前が長い!長すぎる!漢字多すぎ!
これが挫折する大きな原因なんですよね。

天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸

神様一人の個人名です。読めない言えない覚えられない。
「アメニギシクニニギシアマツヒダカヒコホノニニギ」という人らしいです。
歯医者の受付で「アメニギシクニニギシアマツヒダカヒコホノニニギさんどうぞ〜」って呼ばれるんでしょうか。受付の人も困りますよね。

倭建命(ヤマトタケルノミコト)ぐらいにしてほしいです。

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私の一冊

鳥山百合子

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「モモ」 ミヒャエル エンデ (著),‎ 大島 かおり (翻訳) 岩波書店

私、鳥山の一冊はミヒャエル・エンデ作「モモ」。
小学生の時に買ってもらってから、度重なる引越しに必ずくっついて来た本。

『時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。
〜その時間にどんなことがあったかによって、わずか1時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ぎゃくにほんの一瞬に思えることもあるからです。
なぜなら、時間とはすなわち生活だからです。そして人間の生きる生活は、その人の心の中にあるからです。』

読むたびに、はっとする言葉があります。
こどもたちにも読んでほしいなと思っています。

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私の一冊

仙田聡美

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「今日のおかず」 高山なおみ   アノニマ・スタジオ

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私の一冊

鳥山百合子

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「本の子」 オリヴァー ジェファーズ (著),‎ サム ウィンストン (著),‎ 柴田 元幸 (翻訳) ポプラ社

これは私、鳥山の大切な一冊「本の子」。

この本の中には、世界中で読み継がれてきた昔話や児童文学、ファンタジー、たくさんの本や言葉が出てきます。

本の中のページを開くと、たくさんの時間がつまっていていろんな出来事があって、いろんな人生がある。
それは「ものがたり」。

人は、自分のものがたりを日々積み重ね、時には自分と隣の人のものがたりを重ね合わせながら今この場所で生きているんやなあと思います。

「わたしたちはものがたりでできている」。

『とさちょうものがたり』とどこか通じるものを感じて
この本を手にした時、本当にうれしかったのです。

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私の一冊

山崎幸子

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「子どもの話にどんな返事をしてますか?」 ハイム・G・ギノット (著),‎ 菅靖彦 (著) 草思社

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私の一冊

仙田聡美

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「でんしゃはうたう」 三宮 麻由子  (著),‎ みねお みつ (イラスト) 福音館書店

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私の一冊

山崎幸子

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「アンジュール―ある犬の物語」 ガブリエル バンサン ブックローン出版

土佐町の山崎幸子さんが紹介してくれた一冊は、ガブリエル・バンサン作「アンジュール」。

この本は鉛筆の線のみで描かれ文字はありません。
飼い主に捨てられた一匹の犬の悲しみや戸惑いを鉛筆の線だけでここまで表せるのかと驚きました。

最後にひとりの少年に出会い、お互いに少しずつ近づいて行く姿にいつもぐっときます。

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