私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

西村満美

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「ふたりはいつも」 アーノルド・ローベル (著),‎ 三木 卓 (翻訳) 文化出版局

 

土佐町みつば保育園の西村満美先生が教えてくれた
「ふたりはいつも」。
満美先生は子どもたちのことをいつも心から大好きでいてくれる。そのことがじん、と伝わってきます。
子どもたちにはもっと伝わっているでしょう。本当に感謝しています。

劇で魔女役で出てきた先生の迫真の演技には拍手喝采でした。
いつもユーモアと笑顔を忘れない先生が、がまくんとかえるくんのお話に心を寄せるのがわかるような気がします。
この「ふたり」のユーモアは、毎日の中にあるちょっとしたことの中にも楽しみがあるんだよ、
ということを教えてくれています。

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私の一冊

川村光代

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「子うさぎましろのお話」 佐々木 たづ (著),‎ 三好 碩也 (イラスト) ポプラ社

土佐町みつば保育園の園長先生である川村光代さんが教えてくれたのは「子うさぎましろのお話」。
(この本は土佐町で焼き菓子を作っている仙田聡美さんも以前紹介してくれました。)

クリスマスの今朝、
たくさんの子どもたちがサンタさんからのプレゼントを喜んでいることやろうなあと思っていました。

いつもこの時期になると思い出す本の一節があります。

・『サンタクロースの部屋 松岡享子著』より
“心の中に、ひとたびサンタクロースを住まわせた子は、心の中にサンタクロースを収容する空間をつくりあげている。
サンタクロースその人は、いつかその子の心の外へ出ていってしまうだろう。だが、サンタクロースが占めていた心の空間は、その子の心の中に残る。この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに代わる新しい住人をここに迎えいれることができる。”

一度、心にサンタさんを住まわせた子は、サンタさんがいた空間に、自分の信じる誰かを迎え入れることができる。

それは、サンタさんからの何よりも大切な贈り物かもしれないですね。

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私の一冊

山下志保

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「サンタクロースとれいちゃん」 林明子 福音館書店

何年か前、息子の担任の先生が志保先生だった時、保育園のクリスマス会でサンタさんがくれたプレゼントがこの一冊でした。(プレゼントは担任の先生がそれぞれ選んでいます^^)

作者である林明子さんは、本当に温かい絵を描く方で会ってお話ししてみたいなあと思うくらいです。
「私の一冊」でも、たくさんの方が林さんの本を紹介してくれています。
24日、日曜日はクリスマスイブ。世界中のこどもたちがサンタさんからのプレゼントを楽しみに待っていることでしょう。

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私の一冊

山下志保

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「ズボンのクリスマス」 林明子 福音館書店

 

おじいちゃんの家のクリスマスパーティーに出かけるからズボンをはきなさいと言われているのに、知らん顔して遊んでいるもっくん。待ちきれなくなったズボンは、外へ飛び出します。
ズボンともっくんはどうなるかな?

志保先生のお子さんはこの本が大好きだったそうです。
私の子どもたちも同じ。くすくす笑いながら一緒にページをめくったことをきっと、多くの人が大切に心の中で覚えているのだろうなと思います。

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私の一冊

山下志保

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「ふたつのいちご」 エリック=カール (著),‎ もり ひさし (翻訳) 偕成社

クリスマスケーキに飾るいちごを探しに森へ出かけたかすみちゃん。でもなかなか見つかりません。森で出会ったうさぎが木の穴からいちごを取り出すのを見てかすみちゃんは、これで包むようにと自分のハンカチを貸してあげました。

かすみちゃんは、いちごを見つけることができたかな?

志保先生はお子さんに何度も読んであげたのだそうです。
保育園の本棚にも並んでいます。
クリスマスにぴったりの絵本です。

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私の一冊

西村満美

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「ふたりはきょうも」 アーノルド・ローベル (著),‎ 三木 卓 (翻訳) 文化出版局

土佐町みつば保育園の西村満美先生が教えてくれた
「ふたりはきょうも」。
満美先生はこの「がまくんとかえるくん」シリーズを何冊も持ってきてくれました。
作者アーノルド・ローベルは暮らしの中にある楽しみに気づかせてくれるお話をたくさん残しています。

この本を教えてくれた時、
満美先生が大切にしていることが伝わってくるようで、
なんだかうれしかったです。

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私の一冊

川村光代

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「さっちゃんのまほうのて」 たばた せいいち (著) 偕成社

 

土佐町みつば保育園の園長先生である川村光代さんが教えてくれたのは
「さっちゃんのまほうのて」。
今までたくさんの子どもたちにこの本を読んできたけれど、そのたびに涙ぐんでしまうのだそうです。

生まれつき右手に指がないさっちゃんが、幼稚園でままごとのお母さん役を争って「さっちゃんはお母さんになれないよ、手のないお母さんなんて変だもん!」と友達に言われるシーンがあります。
「この本の中の幼稚園の先生は、この時どんな風に子どもたちに話したのかなと考えてしまう」と園長先生は話していました。
実はこの本をちゃんと読んだことがありませんでしたが、この本のことを話す園長先生の姿を見ていたら読んでみたいと思いました

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私の一冊

石川拓也

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「熊楠の星の時間」 中沢新一 講談社

 

明治期の大天才と呼ばれ、未だにその思考の深さの底が見えないと言われる孤高の博学者・南方熊楠の思考の一端を中沢新一が解説した本です。

中沢新一は熊楠関連の本を多数著していますが、これはその中でもとても読みやすい一冊。

日本全体が西洋文化をより優れたものとして吸収しようと躍起になっていた時代にあって、その博識を認められ大英博物館に自由に出入りできた熊楠が、晩年言い続けていたこと。それは、
「西洋的・科学的思考ではこの世界の仕組みを十全に説明することができない」
ということ。

それは熊楠がメインの研究対象としていた粘菌の生態が、生と死を分離して考える西洋科学の枠外にあるようなものだったのが大きな理由なのだそうです。つまり粘菌の世界の当たり前は「生きているのに死んでいる」「死んでいながら生きている」といったような摩訶不思議な状態。

そこで熊楠は西洋科学ではなく、仏教の華厳経に答えを見出します。その過程で生み出された南方マンダラは今でも多くの謎を含んでいると言われ、たくさんの人々を魅了し続けています。

うわ、長くなっちゃったし理屈っぽくなっちゃった。

最後にちょっとだけ付け加えたいことは、熊楠の面白いところは生涯一貫してアウトローの気風があるところ。日本人である熊楠に差別的な言動をしてきたイギリス人職員をぶっとばした(2度も)ことが原因で大英博物館にいられなくなるし、帰国しても出世や地位にはとんと興味がなく、在野の研究者としての生涯を全うする、そういったところも含めてとても面白い本です。

興味ある方はぜひ!

 

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私の一冊

川村光代

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「はじめてのおつかい」 筒井 頼子 (著),‎ 林 明子 (イラスト) 福音館書店

土佐町みつば保育園の園長先生、川村光代さんが教えてくれたのは「はじめてのおつかい」。

先生に「好きな本を持って来てほしい」とお願いしたらたくさんの本を用意して抱えて来てくれました。
その中から1番最初に選んだのがこの本。

赤ちゃんのお世話で忙しいお母さんにおつかいを頼まれて、みいちゃんが100円玉を2つ握りしめ、牛乳を買いに行くお話。
園長先生は、何度も何度もこの本を子どもたちと読んで来たのだそうです。

ここ数日、みつば保育園の先生方が教えてくれた本を『私の一冊』で紹介しています。
撮影時感じたのですが、先生は本を通して子どもたちとの思い出を本当に嬉しそうに語ってくれるのです。
土佐町の子どもたちの隣には「ものがたり」を一緒に感じて楽しんでくれる先生がいる。
それはとても幸せなことやなあと思います。

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私の一冊

西村満美

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「ふたりはともだち」 アーノルド・ローベル (著),‎ 三木 卓 (翻訳) 文化出版局

土佐町みつば保育園の西村満美先生が嬉しそうに教えてくれたのは「ふたりはともだち」。
好きなページはどこか尋ねると満美先生は迷わずこの本の中のお話「おてがみ」のページを開きました。
満美先生自身も子どもの頃、何度も読んだ本なのだそうです。
小学校の教科書にも出てくるので、知っている方も多いのではないでしょうか?

この本には「ふたり」である、がまくんとかえるくんのちいさなお話がいくつか入っています。
「がまくんのおとぼけと、かえるくんのツッコミ、そのかけあいがたまらない」と先生は話していました。

保育園の子どもたちのお昼寝前にも読んでいるとのこと。作者アーノルド・ローベルのお話の中にあるユーモアや、自分たちのすぐそばにあるちいさな幸せへの気づきが子どもたちにきっと届くのやろうなあと思うと、先生の気持ちと共にとてもうれしかったです。

私も、もう一度読み返してみたくなりました。

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