とさちょうものがたり

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

丸岡里奈

「今日も嫌がらせ弁当」 ttkk(Kaori)ミキブックス

母から娘へ愛情たっぷりの手作り弁当!それがなぜ嫌がらせなのか?!開けてびっくりその中身は?!

丸岡里奈

 

私の一冊

鳥山百合子

「トットちゃんが出会った子どもたち」 田沼 武能  岩崎書店

ユニセフ親善大使の黒柳徹子さん。私が子どもの頃、世界の紛争地の子どもたちを訪ねる黒柳さんのドキュメンタリーをテレビで見たり、母がこういった展覧会によく連れて行ってくれて、世界にはお腹をすかせて痩せ衰えて死んでいく子どもたちがいること、戦争で両親を目の前で殺されてしまった子どもたちがいること、働かなければいけなくて学校に行けず1日かけて水汲み(その水も泥水である)をしている子どもたちがいることを知りました。
知ったからといって私が今まで特に何かができたかと言えば何もできていません。ただ、世界にはこうやって生きている人たちがいるのだということを心のどこかにおいて今までやってきたように思います。
この写真を見ているとどんな状況でも、子どもたちは生きようとするのだと伝わって来ます。

世界は広い。
そのことを子どもの頃に少しでも感じられたことはとてもよかったと思います。
母に感謝。

                                    鳥山百合子

 

私の一冊

式地真央

「でんせつのきょだいあんまんをはこべ」 サトシン (作),‎ よしながこうたく (絵) 講談社

土佐町の式地真央さんが教えてくれた一冊。図書館で見つけて絵が面白そうだから借りてみたら、真央さんの子どもたちが気に入って4回もリピートして借りているのだそうです。
「道に落ちていたあんまんをありが苦労して運び、いざカットしてみたら肉まんやったという話(笑)」だと真央さんがとても楽しそうに教えてくれました。今度図書館で借りてみようと思います!

 

私の一冊

石川拓也

 

「ヒストリエ」 岩明均 講談社

名作「寄生獣」の作者が、2018年現在連載中の「ヒストリエ」。
地中海世界を広く征服したアレキサンダー大王(アレクサンドロス3世)に参謀として仕えたエウメネス(カルディアのエウメネス)を主人公にした歴史物語です。
 
史実としてのエウメネスの前半生は謎も多く、作者の創作も交えてのストーリーのようですが、これがまた出てくる人物がみな活き活きと描写されていておもしろい。紀元前3世紀当時、マケドニアを含む一帯が「ギリシャ世界」と認識され、「ギリシャ」という国ではなかったんだということも初めて知りました。
 
エウメネス自身の浮き沈み、困難を自力で乗り越えていく様は手に汗握ります。コンビニで漫画を買うことはほとんどないのに、土佐町のローソンでなぜか気になって買った一冊。しかも第2巻。
おもしろすぎて、後日1巻目から読み直しました。

石川拓也

 

私の一冊

矢野信子

「祈りの幕が下りる時」 東野圭吾 講談社

同じ作者の作品で映画化もされた「麒麟の翼」は、日本橋の麒麟の像の下で死体で発見された男性の死の真相が明らかになっていく過程で浮かび上がってくる父と子の切ない絆を描いたミステリーでした。
この作品は「麒麟の翼」事件を解決した刑事加賀恭一郎をめぐるもうひとつの父と子の物語ともいえるものかもしれません。ミステリーとしては勿論、物語としても魅力ある作品だと私は思います。

矢野信子

 

私の一冊

鳥山百合子

「まいにち食べたい“ごはんのような”クッキーとビスケットの本」 なかしましほ 主婦と生活社

この本の「オートミールクッキー」、とても美味しくて数え切れないほど作りました。
オートミールとくるみに加えてレーズンの代わりにチョコチップを入れたり、カシューナッツやひまわりの種を加えたり。ザクザクした美味しいクッキーができます。
子どもたちのおやつに多めに作って、余ったらビンに入れるのですが置いてあるだけで何だかうれしい。
今日はクッキーでも作ろうかなと思った時に開くのは、きまってこの本です。

鳥山百合子

 

私の一冊

森啓

「怪人二十面相」 江戸川乱歩 ポプラ社

中学生の時に良く読んだ本です。怪人20面相と明智小五郎、少年探偵団の対決を描いた全46巻のシリーズです。変装した怪人20面相が様々な場所に現れ事件を起こします。それを見事な推理で解決していく明智探偵。当時の私達と同年代の少年探偵団、小林少年の活躍。何度も読み返した思い出があります。著者は、マンガ『名探偵コナン』の主人公、江戸川コナンの名字に使われたあの江戸川乱歩です。
この本、実は35年ほど前に読んだ本そのものなのです。石原コミュニティセンター(旧石原小学校)で見つけました。ブックポケットには貸出カードがあり、自分の名前もあります。中学3年生になる時、町内の中学校が統合し、旧石原中学校の校舎は取り壊され、同じ敷地に旧石原小学校が建築されました。本はそのまま図書室に置いてくれたのでしょう。とてもなつかしく、思わず手に取りました。中学生当時は多くの生徒が読んでいた記憶があります。読んだことがある人も多いのではないでしょうか?

森 啓

 

私の一冊

矢野信子

 

「十二単衣を着た悪魔」 内館牧子 幻冬舎

「源氏物語」は、中学校の古典の授業で初めて触れた方が多いと思います。登場人物が多く、人間関係も複雑で、長い物語です。「あさきゆめみし」の方がむしろ馴染みやすいのかもしれません。かく言う私も、実は現代語訳を全部読んだことはありません。
これは、あの「弘徽殿(こきでん)の女御」目線の物語です。彼女にはどうしても光源氏の母(桐壺の更衣)を虐めた女御という悪いイメージが強いのですが、こんな風に描かれると違った人物に見えてきて、魅力的な人間にも思えてきます。もう一度「源氏物語」を読んでみようかなという気になりました。

 矢野信子

 

土佐町ストーリーズ

エンコウ渕(峰石原・東石原)

峰石原の谷の渕の一つに、昔エンコウが棲んでいたと言われる渕がある。

土地の老婆おりえと言うものの年若い頃生んだ子どもは、生まれるとすぐに立って走りまわり、頭のいただきに皿のようなものがあったので、エンコウ渕のエンコウにみいられたものであろうと評判になって、家族の者が恐れて頭の皿に釘を打ちこんで殺したということじゃ。

また、東石原の惣川(そうかわ)のフクチビというところの渕にもエンコウが、棲んでいて、そこの近くの農家のおさとと言う娘が、そのエンコウにみいられてみごもったので、近所の猟師が鉄砲を持って渕をねらったと。

するとそれだけでエンコウはねらわれたところに弾に打たれた孔(あな)のようなものができて死んでいたと言われ、その後この猟師の一家には不幸がつづき、御祈祷でみてもらうとエンコウをねろうたたたりだと言い伝えられているそうじゃ。

 

町史(桂井和雄 「土佐の伝説」第二巻より)

私の一冊

川村五博

「葉隠 1」 奈良本 辰也 (翻訳),‎ 駒 敏郎 (翻訳) 中央公論新社

勤め人とは何か。

社長でも経営者でもないものの、

どう生きどう死ぬか。

おとぎ話のような、失敗談のような、

古(いにしえ)のもののふの生き様は、時に勤め人の心得であったり、教訓であったりする。

何が正しくて、何が誤りなどない。

ただそこに道があるだけ。

私の夜、寝る前に読む本。

川村五博