私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

筒井貴代香

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「人間力を高める読書法」 武田鉄矢 プレジデント社

私がこの本を初めて手に取ったのは土佐町立図書館内。
『人間力を高める読書法』ってどんな読書法なが?えっ、これ金八先生が書いた本ながや、と興味を覚えたき、目次にざっと目を通したら興味を惹かれる表題がいくつかあったがよ。
それで「あっ、これ面白そう」と思って借りたら、最初の序章から引き込まれて読み始めてしもうた。

内容をものすごく簡単に言うと、武田鉄矢さんがパーソナリティーを務めているラジオ番組で自分が気に入った本の解説をした話を本にしちゅうがよ。

私がこの本がえいなぁと思うのは、鉄矢さんが紹介、解説しちゅう本が12冊あるんやけど、それぞれが鉄矢さん独特のわかりやすく語りかけるような言葉で解説されちょって、すごく理解しやすく読みやすかった点。

ラジオのリスナーの人たちに、聞くだけで本の内容をわかってもらえるための鉄矢さんの語り方やと思うんやけど、活字になっても1冊ごとに鉄矢さんの人柄と個性が出ちょって、私も一人のリスナーとしての気持ちを味わうことができたし、この本を読まんかったら自分から手に取ることがないような本が何冊もあって、この本一冊を読んだだけで一気に12さつの興味深い本を知ることができて、本当によかったと思うがよ。

本の表紙はニコッと笑うた鉄矢さんの顔写真入りで、図書館でも目を引くと思うき、興味がある人は手に取ってみて。

あっ、けんど貸出中やったら、ごめんで…。

筒井貴代香

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

中山一利

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 「アンディ・ウォーホル展 図録」 会場:日本橋三越本店7階ギャラリー
会期:1991年1月8日~1月20日

1991年に行われたアンディ・ウォーホルの展覧会の図録です。没後すぐの回顧展だったので恐ろしく混んでいた。
アート作品って本物のほうが感動するのですが、この人の作品はそれがなかった。
商業的に印刷されたものとシルクスクリーンで刷られたものが同じように見れる。

「これがポップアートか」とポップアートが誕生して30年後の世界でそう思いました。
イラストレーター時代の作品がすごくよいです。

中山一利

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

中山一利

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 「篠原有司男 ボクシングペインティングとオートバイ彫刻」

会場:神奈川県近代美術館鎌倉 会期:2005年9月17日~11月6日

2005年に神奈川県近代美術館で行われた篠原有司男の展覧会の図録です。

1960年代から第一線で活躍している大御所アーティスト。ボクシングローブに絵具をつけてキャンバスを殴っていく作品は迫力があり大好きでした。立体作品や絵画も大迫力で面白い。

そんな彼のお話が聞ける機会が横浜の画廊でありました。

アトリエのあるニューヨークの話を聞けました。

「おまえも作品作ってニューヨークに来いよ!」「ニューヨークはいいぞ!」と。

サインをもらって作品も購入してしまいました。

中山一利

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「魔術師のおい ナルニア国物語6」 C.Sルイス作,瀬田貞二訳 岩波書店

 

本の左側に貼ってある丸いシール、これは「カンガルーハウス」という児童書専門店のシールです。私が生まれ育った神奈川県伊勢原市にあるお店で、本を買うとこのシールを貼ってくれます。今でも帰省した時にはお店に立ち寄りますが、お店の中は昔と変わらず、本という本があっちこっちに積み上げられ足の踏み場もないほど。本の匂いが立ち込めていて、一気に子どもの頃にタイムスリップするような感覚を覚えます。

子どもの頃、兄弟とカンガルーハウスへ行き、母が「好きな本を選んでいいよ」と言ってくれて、自分の好きな本を選ぶことがとても楽しみでした。

「魔術師のおい」はカンガルーハウスの人が勧めてくれた一冊。
どの本にしようかと迷っていた私を見て、本棚から緑の箱に入ったこの本を抜き出し「これは6巻だけど、ナルニアのお話の一番最初なんだよ」と話してくれたことを今でも覚えています。
ナルニア国のお話は全部で7巻あるのですが、これが長い長いナルニア国のお話と出会った最初でした。

「魔術師のおい」以外の本は図書館で借りて読んでいましたが、3年前、サンタさんが長女のクリスマスプレゼントにと、残りのシリーズ6冊を贈ってくれました!
長女が「サンタさんすごいね!うちにあるのが「魔術師のおい」ってちゃんと知ってるんやね!これで全部揃ったね!」と言ったことを覚えています。サンタさんは誰だったのかな…?
この本を手にするといろんなことを思い出すのです。

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

上土井恵子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「おやすみ、ぼく」 アンドリュー・ダッド文, エマ・ウェイ絵 クレヨンハウス

長男の3歳の誕生日に友人から贈られた絵本。内容といい、絵のタッチ、色使いといい優しい気持ちにさせてくれる絵本です。おやすみ前にゆったり読むとなんともいい夢が見れそうです。

寝る前にぜひ親子で読んでみてください。大人が一人静かに読むのもおすすめです。今夜はいい眠りに入れそうです。
「おやすみ、ぼく。またあした。」

 上土井恵子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

高橋弥生

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「しょうぼうじどうしゃじぷた」 渡辺茂男 福音館書店

子どもの頃に、弟がよく保育園から借りて来たのを読んでいました。町の消防署の消防車じぷたくんが、山小屋の火事を消して大活躍するお話です。

他の大きな消防車では行けない細くて険しい山道をじぷたくんが山小屋目指して進むシーン。想像して応援したのをすごく覚えています。

じぷたくんは私の中で、たくましくてかっこいいヒーローです。

高橋弥生

 

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

佐藤碧衣

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「ビジュアル日本史 ヒロイン1000人」 安西篤子,小和田哲男,河合敦 監修 世界文化社

日本をつくってきた1000人の強く、かっこいいヒロインたちの生涯が載っています。 名前が後世まで伝わっていなかったり、物語のなかの空想の人物であったり、時代ごとにも一人 一人全く違うストーリがあってとても面白いです。
小学生の頃、私はこの本を読みふけり、自分にはどんな未来が待っているのかなと想像していました。

佐藤碧衣

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

大原哲男

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「猿猴 川に死す」 森下雨村 岳洋社

先日4001プロジェクトでもご登場いただいた桂月の杜氏・大原哲男さんが紹介してくれた一冊。

著者の森下雨村は土佐の生まれ。晩年も佐川町に隠棲し、日がな一日釣りと酒の日々を送っていたそうです。

交流のあった作家・横溝正史によると「親分肌で、常に周囲に若いものを集め、ちっくと一杯と人に奨め、相手を盛りつぶしては悦に入っていた」とのこと。

昭和40年に亡くなりますが、それも「ちっくと一杯やりすぎたのが原因である(横溝)」そう。

この一冊は本人の好きな釣りのことを書いたモノ。

「猿猴 川に死す」

題名からも土佐の匂いが漂ってきます。

石川拓也

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

佐藤碧衣

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「翻訳できない世界のことば」 エラ・フランシス・サンダース著,前田まゆみ訳   創元社

可愛らしい絵と一緒に、世界のことばが書かれています。
ペルシア語「TIÁM /ティアム」 ”初めてその人に出会った時の自分の目の輝き”
…特別な誰かに出会った、とっても幸せでキラキラとした、そんな瞬間を表すロマンチックなこ とばです。

私が留学したフィンランドのことばも、もちろん載っています。
「Poronkusema/ポロンクセマ」”トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離”
…だいたい7.5km。トナカイと暮らす雪国らしい単位です。 しかし、現代のフィンランド語では、”トナカイのうんち/おしっこ”を意味します。北極圏の方で は、本来の単位としての意味も残っているかもしれません。

世界中をまわって、さらなる翻訳できないことばを見つけてみたいものです。

 佐藤碧衣

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「サリーのこけももつみ」 ロバート・マックロスキー 著/ 絵, 石井桃子訳 岩波書店

冬の間に食べるジャムを作るためにサリーとお母さんが「こけもも」を摘みに行ったら、クマの親子もこけももを食べにきていました。

サリーがバケツに摘んだこけももを入れる時の音、原書では “kuplink,kuplank,kuplunk!”。これを「ポリン、ポロン、ポルン!」と訳した石井桃子さん。「ポリン、ポロン、ポルン!」という言葉は、これ以外は考えられないなというくらい、このお話にぴったりだなあと私は思います。もし違う人が訳していたら、きっとまた別の言葉になっていたでしょう。
石井さんは2008年に亡くなっていますが、ぜひお会いしてみたかったです。

サリーとクマのお母さんが出会った時の顔!(2枚目の写真)決まってこの場面でこどもたちは大笑いするのです。
クマのお母さんの「グフッ」というセリフをどう言うかが腕の見せ所。
今日はうまくいった!という日は、こどもたちも私もお互い満足して眠れます(笑)。

 鳥山百合子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone