私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

藤田英輔

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「伊賀の影丸」 横山光輝 秋田書店

【忍者忍術シリーズ第3弾】

驚くことばかりだね。
数十本の手裏剣を一度に投げる、とか、木から樹へ飛び移る動作が次第に速くなり終には見えなくなる、とか、修行を積めばできるようになるんですかね。

実は…、秘術です。書かれています。

 

『伊賀の影丸』。

言わずと知れた江戸幕府の隠密で、木の葉の術を得意とする伊賀流の忍者(昭和36年週刊少年サンデー連載)です。

忍者の視覚的なイメージを確立した漫画であり、それぞれ固有の特殊能力を持つ忍者たちが闘うというヒーロー物のスタンダードです。超人なのです。修行のたまものです。

敵対する甲賀流には、不死身(数時間後には完全に再生する。200才らしい)や、切られても刺されても傷つかない、非常に硬い身体を持つ忍者や、1時間以上も潜水できる忍者や、さらにどんな高さから落ちても大丈夫なゴムまりみたいな忍者や、そして、土の中を自由に移動できる忍者など、大変に興味をそそられるキャラクターの忍者が多く、手に汗を握りっぱなしです。

今でも興奮します。

藤田英輔

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私の一冊

藤原美穂

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「智恵子抄」 高村光太郎 白玉書房

 

『智恵子は東京に空が無いといふ。』

「題名:あどけない話し」の書き出きだしで始まるこの詩は、中学2年の国語の時間に、好きな詩と絵を描くと言われた時に選んだ詩である。

絵が苦手で、詩にも興味が無かった時、偶然に叔父からこの詩集と、24色のパステルを貰った。

この詩を書き、チョークの様なパステルを使い指でボカしながら絵を描いた。

教室の後ろの壁に貼り出してもらった、思い出の詩でもある。

藤原美穂

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私の一冊

鳥山百合子

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「土佐町史」土佐町史編集委員会

深緑色の布張りのこの本は「土佐町史」。土佐町の町の歴史や成り立ち、自然の様子や言い伝えが掲載されているこの本に、とさちょうものがたりは今までとてもお世話になってきました。

高峯神社を案内していただいた筒井賀恒さんは「土佐町史にも載っているけんどよ」と言って、神社の鳥居の横にある手洗い石のこと、山の中に湧いている水のこと、神社にまつわる伝説のことを色々とお話してくださいました。

賀恒さんを自宅まで送った際、ふと見上げると、2階の窓際にある机の上にこの土佐町史が置かれていることに気づきました。賀恒さんが窓際に座り、土佐町史のページをめくっているだろう姿が見えるようでした。一体どれだけの時間を費やしてきたのでしょう。窓から見えたこの本の佇まいが、賀恒さんの重ねてきたものの存在を教えてくれていました。

「土佐町史」は土佐町立図書館で借りることができますし、土佐町教育委員会では購入もできます。興味のある方はぜひ!

鳥山百合子

 

 

筒井賀恒 (東石原)

 

*賀恒さんのことを書いた記事はこちら

高峯神社の守り人 その1

*高峯神社への道を示す石碑についての記事はこちら

高峯神社への道 はじめに

 

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私の一冊

西野内小代

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「現代語訳 徒然草」 嵐山 光三郎 岩波書店

 

この「現代語訳 徒然草」は、「徒然草」を少年少女向けに訳したものだそうです。その為、大変分かり易い意訳となっています。

有名な文章という事で暗誦させられた以外たいした感慨もなく、知識とは程遠い記憶しかありません。

今回、安直ではありますが現代語訳に接して、古典に対する心の扉が少し開き、吉田兼好さんの世界を味わえた喜びを感じます。

西野内小代

 

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私の一冊

石川拓也

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「なぜ人と人は支え合うのか」 渡辺一史 筑摩書房

土佐町のロゴを作ってくれたデザイナーであり友人である品川美歩さんが薦めてくれた一冊。

著者は「こんな夜更けにバナナかよ」という本で障がい者介護の現実を描いた渡辺一史さん。その渡辺さんが、2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件後の障がい者を取り巻く現実を書いた一冊です。ちなみに「こんな夜更けにバナナかよ」は大泉洋主演で映画化されています。

この本で主に書かれているのは、いわゆるステレオタイプや聖人君子的なイメージに縛られた障がい者像ではなく、個性が強く周りとのぶつかり合いも辞さない障がい者の面々。

筋ジストロフィーなどの病気により、24時間の介護が必要な人たちが、自身の自立(「自立」というのは本書では「自分の意思で決定できること」と定義されています)を勝ち取っていく様を数多く紹介しています。

障がい者だからどうこう言う前に、人としてかっこいい人たち。そんな人たちが何十年もの間、社会と戦って権利を勝ち取り、現実を変えた例が多く出てきます。

一例として、70年代には車椅子の障がい者はバスに乗るな、電車にも乗るなという風潮がある中で、そんな現実と戦って変えてきたのは他ならぬ障がい者たち自身だったこと。

その戦いがあればこそ、現在ではノンステップバスが普通のことになっていますし、「車椅子は電車に乗るな」なんてことは口にしただけで常識を疑われる世の中になっています。

長くなってしまって恐縮ですが、もう一つ著者が終盤あたりで触れた言葉「私たちはポスト制度化の時代を生きている」。

これは全てにおいて言えることですが、例えば先のバスの例で言うように、戦って新しい制度(システム)を勝ち得た世代というのは本質的に物事の全体像がよく見えている。

対して、その後の制度の中で育った世代というのは、蛇口をひねれば水が出るように、制度があることを当たり前として捉えて本質や全体が見えにくくなっている。つまり、より本質に届きにくくなっている。

「ポスト制度化の時代を生きている」私たちは、想像力を使って制度やシステムを解体しながら前進していく術を磨く必要があるかもしれません。

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私の一冊

西野内小代

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「日銀を知れば経済がわかる」 池上彰 平凡社新書

日本の高度成長期に育ち、バブルの狂騒曲に翻弄され、バブル崩壊後の不景気を肌で感じ、その後の激変を目の当たりにしてきました。

物体としては見えない「景気」って何?そんな素朴な疑問に答えを見いだせればと思い読み始めました。

難しい用語も著者の池上彰さんが簡単な言葉で解説してくれているので、ストレートに頭に入ってきます。

経済の輪郭がボヤッとみえてきます。

西野内小代

 

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私の一冊

藤田純子

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「絵本からうまれたおいしいレシピ」 きむらかよ 宝島社

お菓子づくりをあまりしないので、この本は眺めて楽しみます。

子どもたちが小さい頃はおやつをたくさん作ったものだけど、この頃は体にやさしい手作りのお菓子が手に入りやすいので、もっぱら時々買っています。

・「バムとケロのにちようび」のドーナツ
・「ちびくろさんぼ」のホットケーキ
・「長くつしたのピッピ」のジンジャークッキー
・「ももたろう」のきびだんご
・「赤毛のアン」のレモンパイのタフィー
・「ハイジ」の黒パン・白パン

など、みんなが知っている25冊の絵本の中に出てくるおいしいおやつレシピです。

甘い香りを想像し、よだれが出そう(笑)

藤田純子

 

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私の一冊

藤田英輔

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「少年忍者部隊 月光」 吉田竜夫と竜の子プロダクション 朝日ソノラマ (昭和43年7月初版発行)

【忍者忍術シリーズ第2弾】

忍術と科学技術を駆使し、過酷な状況に挑む少年たちで組織され、「拳銃は最後の武器だ!」のセリフで知られた忍者部隊の戦いの物語である。

ページ欄外にある忍法◯◯◯等の解説を読むと、理論上納得できることばかりで科学的なのである。武器(敵を倒す、自分を守る)にしても、それぞれが理にかなったものであり、使うことにも長けている。

しかし、常時それらを持ち歩くとなると相当な重量と嵩になりそう。手裏剣類は敵に対し投げた後にはもちろん!回収したのであろう。

甲賀流・伊賀流の忍法を使い、科学の全てを学んだ少年たち!憧れないはずはないですね。少年たちよ、覚悟を持って読んでみてね。明日の夜明け時分には、棒を背中にさし、何かを投げたり飛び越えたり走り抜けたりしています。修業の道へと入ります。

部隊のメンバーは月光を筆頭に10人まで解るんですが…。

(1963年(昭和38年)週刊少年キング連載)

藤田英輔

 

*【忍者忍術シリーズ第1弾】はこちら

第1弾内にある「問い①」の答え→釘抜きに使う(打ち込んだ釘にどうやって引っかけるか?→尖った部分で掘り起こして穴にかけて抜く)

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私の一冊

藤原美穂

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「宙ノ名前」 林完次 光琳社出版

 

日本には、昔からのその物を表現する、美しい名前がある。
色、四季、空、月、星などに関する物の名前、他にも色々あるだろうが、それらは独特の名前や言いまわしで、ある時は、詩情豊かに、ある時は日常生活にも寄り添って使われている。
この本は、その中の月に関する物で、天体写真と解説を読む事で、リラックスし至福の時間を持つ事が出来る。
音楽と共に読みたい本なのである。

藤原美穂

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私の一冊

鳥山百合子

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「せかいのひとびと」 ピーター・スピアー絵,文 評論社

世界にはたくさんの人がいるけれど、同じ人は誰もいない。

「生まれた時からみんな一人一人ちがっているんだ」という言葉でこの本のお話は始まります。

体のかたちや大きさ、肌の色、目の色、髪の毛、着るもの、おしゃれも休みの過ごし方もみんなちがう。

家の形、お祭り、祝日、その人の好み、食べ物、神さま、言語、文字も。

ページをめくるたび「ああ、そうだった。みんなちがうんだ」と、あらためて気付くような気持ちがします。そのことは私自身が当然わかっていることだ、と思ってはいるのですが。

世界は広い。そのことを頭の片隅に置きながら毎日過ごしたいなと思います。

鳥山百合子

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