とさちょうものがたり

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

鳥山百合子

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「どろぼうがっこう」 かこさとし 偕成社

今年5月に亡くなった、かこさとしさん著「どろぼうがっこう」。

学校に通う生徒たちが立派などろぼうになれるよう“くまさかとらえもんせんせい”が「どろぼうをやってこい」と宿題を出します。

生徒たちは、ありの巣からたまごを取って来たり、学校の黒板を取って来ちゃったり、くまさか先生の金時計をしっけいしたり。

かこさとしさんのユーモアは、いつも安心してクスッと笑えます。

 

リズム良い文章は、読んでいても楽しいです。

この本を読むことに私はかなり自信があるので(どろぼうになりきるのがポイント。子どもたちがクスクス笑いながら聞いてくれるのがうれしい)、
夜寝る前に子どもたちがこの本を持って来たときは、かなり張り切って読みます。

私がこの本を読みたくて、今日はこれね!と自ら選ぶときもありますが。

読み終わった後、読んだ人も読んでもらった人も「あー、楽しかった!」って思えるのは、とても気持ちがいいのです。

鳥山百合子

 

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私の一冊

西野内小代

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「フランス人は10着しか服を持たない」 ジェニファー・L・スコット 大和書房

 

私はこの本を断捨離の海外バージョンとしてとらえました。

一年前に土佐町へのUターンを決意した時、20数年ため込んだ荷物を整理して荷造りをする必要が発生、一年ほど手前から断捨離の開始です。

その時、とても刺激になったのがこの本です。

どんどん処分、まだまだ使えそうな品質の良いものは、欲しい方の手元に嫁いでいきました。

スッキリそしてこじんまりと引越しできた思い出があります。

ささやかな幸福の中、自分の歩幅を大切に生活する日常の大切さを再認識させられた一冊です。

西野内小代

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2018年9月8日と9日の両日で開催された「土佐町の写真展・物産展 とさちょうものがたり」が無事終了しました。

高知市帯屋町、&ギャラリーでの開催は、2日間ともあいにくの雨天となりましたが、「ここは土佐町かな?」と思うほど町の人たちが家族や友人を連れて足を運んでくださったことが本当にありがたかったです。

足を運んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。

 

ちょっとためらいがちに入り口をのぞき、たまらなく懐かしそうな、心の奥の大切な引き出しがそっと開いたようなそんな表情をする人たちがいました。
その方たちは大抵自分からはあまり話しかけてこないのだけれど、その表情を見て声をかけたくなるのはこちらの方でした。

どちらからいらしたんですか?」と聞くと「あ…、土佐町の出身なんです」。

結婚して今は高知市や南国市に住んでいる人、お孫さんが土佐町にいて何度も来たことがある人…、土佐町に縁のある人たちも多く来てくれました。

そして、懐かしそうに昔の話をしてくれるのでした。

笹ヶ峰に遠足に行ったこと、

家の前の橋が昔は石だったこと、

山の畑に行って刈った草を背中に背負って重かったこと、

神祭の時は学校が半日で終わってお菓子をもらいに行ったこと…。

いくつになってもふるさとの存在は特別であり、誰でもその人のものがたりを持っているのだなあと思います。

 

 

坂本民子さんと娘さん

「『とさちょう』という文字を見て懐かしくなって…。娘に連れてきてもらったのよ。」

南国市から来てくれた坂本民子さんはそう話してくれました。南国市の「道の駅風良里」に行った時に写真展・物産展のチラシを見つけたのだそうです。

坂本さんは「私は相川地区出身なのよ。」とのこと。「相川のどちらですか?」と聞くと「日浦」と言うではありませんか!「日浦」は、いつもお世話になっている上田覚さんと房子さんが住んでいるところ。覚さんと房子さんのことを知っているのでは、と聞いてみると「覚は兄です」。

こんなことがあるのかと心底驚きました。
坂本さんも覚さんと房子さんから私の話をよく聞いていたらしく「まさかこんなところで会うなんて!」。坂本さんも私も涙ぐみながら、笑いながら喜んだことでした。

 

 

雨の中、片方の手で傘をさし、もう片方の手で杖をつきながら歩いて来てくれた方がいました。土佐町にお孫さんがいるとのこと。

ネマ土佐町を3回ほど繰り返し見て「本当に素晴らしいわね…。これを全国の人にも届けられたらいいのにねえ。」としみじみと話してくれました。

帰る時「足元にお気をつけて。」と言うと「大丈夫、スローで行きますき!」と素敵な笑顔でゆっくりと帰っていきました。
ソファに深く座り映像を見つめていたその方の横顔や、雨の中帰っていく後ろ姿は、この場所でやる意味があったと思わせてくれるものでした。

 

 

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みんなのアルバム

昔のバス

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いろいろ不明ですが、写真を見てわかることは「昔のバスがかっこいい!」。

撮影された年代や写っている人物など、まったく不明です。(なにかご存知の方はぜひ教えてください)

写真を注意深く見てわかってきたことは、

  • バスは日野製である。(HINOの文字)
  • バスはこの日は貸切である。(「貸切」の文字)
  • 「土佐電気鉄道」の文字。土佐電気鉄道はちんちん電車を運営している会社です。
  • 写っている女性はおそらくガイドさんである。
  • 窓の男性はお調子者である。

だいぶ推測も混ざっています。

それ以外の事実はまったく不明なんですが、一つだけ確実に言えること。それは「昔のバスがかっこいい!」。

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私の一冊

石川拓也

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“NASA Graphics Standards Manual”           Standards Manual

先日紹介した”EPA Graphic Standards”の姉妹書。
こちらはNASAが内部用に発行していたデザインマニュアルを書籍化したものです。写真にあるように車体へのロゴの置き方や色の使い方まで指定してあります。スペースシャトルや人工衛星へのロゴの置き方も載っています。スペースシャトルのかっこよさは、機体そのものだけでなく、こういったグラフィックからのアクションも大きく影響していることがわかります。このかっこよさ、NASAにあやかってTOSAもできるかな‥‥笑 

興味深いのは、先のEPA本もそうですが、これを書籍化したのがアメリカの若いデザイン事務所であること。クラウドファンディングで資金を募り、出版し、きちんとビジネスとして成立させていること。

「いろんな人がいるなあ」という言葉を、100%ポジティブな意味で呟きました。

石川拓也

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土佐町ストーリーズ

秘薬ユグリ (黒丸)

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黒丸にカキチさん言うて家伝の薬をこしらえていた。

破傷風、梅毒、ハメ(蛇)にかまれた時に、その薬を湯にとかして、たらいの中に座らすときれいに毒を吸うた。

医者で治らんのがすぐによくなった。

九州や青森の方からも欲しい言うて来とった。

カキチさんはまたその人の生年月日と歳を聞くと、大きな古い暦をめくって、

あんたはどこそこの病気じゃ

言うて当てていた。

それがまた当たってよく見てもらいに来よったと言う。

 

町史

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とさちょうものづくり

こうほう とさちょう

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土佐町の広報、その名も「こうほう とさちょう」(そのままですが…)2018年9月分ができました。

土佐町のみなさまのお手元にもう届いている頃でしょうか?

今回も「土佐町ポストカードプロジェクト」から、表紙と裏表紙を作っています。

内容も大事なことばかりなので、みなさまぜひじっくり目を通してくださいね!

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みんなのアルバム

野村保太郎の出征

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「くだらな土佐弁辞典」の絵を描いてくれている和田亜美さんのお祖母さんが亡くなった際に、実家を整理していて出てきた写真だそうです。

お祖母さんのお兄さんが野村保太郎さん。つまり和田亜美さんから見ると大叔父さんですね。

時は昭和13~15年頃、保太郎さんが出征する際に撮影した記念写真です。

保太郎さんは南方に出征の後、無事帰国。

帰国後は森小学校(または中学校)の教員や南川の中学校の校長先生を歴任し、土佐町の社会教育にも尽力した人物として町史にお名前が残っています。

晩年は書道の先生として通っていて、保太郎先生に教わったという人は今でも土佐町には多いみたいです。

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私の一冊

石川拓也

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「おいしいデ」 梅原真   羽鳥書店

この欄でなんども紹介している高知のデザイナー梅原真さん。
近年の仕事を詳述した新刊が羽鳥書店から出版されました。タイトルは「おいしいデ」。 

梅原さんの考え方、仕事ぶりは、おそらくどんな業種の人にとっても勉強になり参考になるんじゃないでしょうか。デザイナーとして単に美しいパッケージを作るということよりも、(多くは高知で)土地と人の中を駆け入って、根本的な視点からアプローチして行く。
 
現場から離れない。地面から離れない。机の上からモノを言わない。その梅原さんがひとつひとつの仕事について丁寧に解説したのがこの一冊です。

石川拓也

書評サイトの記事にて梅原さんご本人を撮影する機会をいただきました。こちらの記事もおすすめです。

 

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私の一冊

石川拓也

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“EPA Graphic Standards System”           Standards Manual

EPAというのはアメリカの環境保護局(Environmental Protection Agency)のこと。

その環境保護局が内部向けに作成していたグラフィック・マニュアルを復刊したのがこの本。

グラフィック・マニュアルというのは例えば‥

・ロゴの使い方
・書類の作成
・使って良い色と使ってはいけない色

などなど、EPAとしてのビジュアル全般をこと細かにルール化したものです。こうやって大元のルールブックを作り、すべての作成物(印刷物に限らず、ありとあらゆるもの)をそれに則ってデザインしていく。

そうすることで対外的なイメージを統一的な強いものにしていく。これはEPAに限らず、イメージ戦略に敏感な企業もやっていることですね。

ビジュアル的にも面白いものなのですが、その根本の考え方が面白い一冊です。

石川拓也

 

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