とさちょうものがたり

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

石川拓也

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「おまんのモノサシ持ちや!」 篠原 匡  日本経済新聞出版社

梅原真さん関連の本が続きます。最近よく読んでます。
 
この本には梅原真さんが手がけた仕事の数々が、詳しいストーリーとしていくつも掲載されています。
その中でも、このタイトルとも梅原さんの流儀ともとても密接に関わる言葉、「モノサシ」。
 
若かりし日の梅原さん、高知県十和村の総合振興計画(自治体が10年に一回作るアレです)を依頼され、計画書に「十和ものさし」と命名します。
 
21世紀の未来に長く続く、十和村独自の視点でありながら世界にも繋がっていくような計画を、都会の価値観ではなく十和村のものさしで作る。
 
そんな意気込みを込めた計画、数十年以前に作られ、残念ながらその後の十和村で重用されることはなかったようですが、非常に示唆に富んだ内容です。
 
その計画書の表紙は梅原さんが庭で拾ってきた流木に目盛りを書き込み、「十和ものさし」としたもの。この表紙も素敵です。
石川拓也

 

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私の一冊

和田亜美

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「ひとり暮らしもプロの域」 カマタミワ KADOKAWA

すみません、同じシリーズを何冊も紹介してすみません。でもどれか一冊なんて選べなかったんです・・・!

ジーマーミ豆腐の擬人化、自宅でセルフカットのいでたち、色々とヤバいことになっている作者のカマタミワさんが面白すぎる。

たまに面白いを飛び越してヤバすぎて心配になる。

そんな漫画です。

 和田亜美

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「ぶたぶたくんのおかいもの」 土方久功 福音館書店

この写真の「やおやのおねえさん」は早口お姉さん。長いセリフを“すごい早口”で読むとこどもたちは大喜び。
その顔を見ながら「私のお母さんも同じように読んでくれていたような気がする…」と思うのです。
内容は覚えていなくても絵を見ただけで「この絵本、読んでもらった気がする」と思い開いてみると「あぁやっぱり、読んだことがある」と思う時があります。子どもの頃の記憶はふとした時に蘇ってきます。

子どもたちがいつか大人になってこの本を開く時「母さんがめっちゃ早口で読んじょったなあ」と思い出したりするかな?

「みんなが“ぶたぶたくん”って呼ぶから、お母さんまで本当の名前を忘れちゃって、“ぶたぶたくん”って呼ぶんです」っていうところがとても好きです。

     鳥山百合子

 

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私の一冊

氏次絹江

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「やさしさとおもいやり」 宮西達也 ポプラ社

大和と図書館へ行きだして知った本ですが、この本が私は大好きです。初めて読んだ時、私は泣いてしまいました。自分もこういう気持ちを忘れてはいけない。この恐竜達のように、大和も相手を思いやる気持ち、優しさを育んでもらいたいと感じた本でした。

氏次絹江

 

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私の一冊

石川拓也

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「水」 梅原真(制作) 四万十ドラマ

まず造りがいい。

贅を凝らした豪華本という訳ではないけれど、作り手の愛情が本の体温になって、持つと手先からじんわり暖かくなる。

著名人18人が、それぞれの「水」について書いた本。

作ったのは道の駅とおわでも名を馳せる四万十ドラマと梅原真さん。

地方が、地方でモノを作り地方から発信する。するとその地方独自のモノの見方が現れる。多少ヘタクソだって、ゴツゴツした手触りのものができてそのほうがおもしろい。(この本がヘタクソという意味ではないです)

個人的には、赤瀬川原平(作家)・黒田征太郎(イラストレーター)のページが好き。岡林信康(ミュージシャン)の語り口、これは酒を飲みつつ聞きたい。

石川拓也

 

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私の一冊

和田亜美

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「ひとり暮らしも神レベル」 カマタミワ  KADOKAWA

私自身は一人暮らしをしたことがないのですが、こんな風に楽しめるなら一人暮らしもいいな、って思うような思わないような…(笑)

一人暮らしじゃなくても「あるある!」って頷いちゃうネタがあったり、「いやホンマかいな!」ってツッコんじゃうネタがあったり…。

これから一人暮らしする方、参考にしてみては…参考になるかな…。

 和田亜美

 

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私の一冊

和田亜美

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「星の王子さま」 サン=テグジュベリ 岩波少年文庫

「大切なものは 目に見えない」

小さい頃に読んだ時はよく意味が分からなかった物語。

大人になって読み返した時、涙がこぼれました。

一番好きなのはキツネとのエピソード。

誰かにとって、誰かが大切な存在になる瞬間。

ただの10万人のうちの一人と一匹だった王子様とキツネが、お互いにとってたった一人と一匹になる。

もう一度読んでみたら、どんな言葉が胸に刺さるかなぁ。

         和田亜美

 

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私の一冊

森田悠貴

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「火の鳥」 手塚治虫 角川文庫

不老不死になる火の鳥の血をめぐり、人間の欲や争いといった黒い部分が漫画で表わされており、考えさせられます。

不老不死になることは幸せなことなのでしょうか?

     森田悠貴

 

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私の一冊

石川拓也

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「豊橋妖怪百物語」 ばったり堂(著) 豊川堂

 

「土佐町ゆるロゴ」やポストカードプロジェクトの宛名面をデザインしてくれているデザイナーの品川美歩さんが、土佐町を訪れた際に手渡してくれた本です。もちろん装丁・デザインは品川さんの仕事。

豊橋市在住のばったり堂店主・内浦有美さんが作り上げた豊橋に伝わる「怪」を集めて一冊にしたもの。

「わしは、狐塚の老狐。ここ神明町や魚町が未開の原野だったころから、この地に棲んでおる。」こんな妖怪たちの口を通して一人称で語られる文章、そして姿形を素朴な消しゴムはんこという手法で描いたこの本、とても魅力的な一冊です。

妖怪を語る(妖怪語る)ことで、自ずと豊橋という土地の輪郭が浮かび上がる。単純に読み物としても楽しいのは言うまでもなく、豊橋にとってとても貴重な資料になるでしょう。(実際、この土地のこの妖怪の話、ちゃんと整合性があるのかという裏付け作業をきっちりとされているそうで、脱帽です。)

品川さんをはじめ、たくさんの人の力を借りながらも、作り上げたのは内浦さんという一人の女性。なんというか、「みんなでなんかやろう」ということではなく、「私がやりたいことをやる」という清々しい決意のようなものをこの本の佇まいから感じます。

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「優しさごっこ」 今江祥智 新潮文庫

今まで何度この本を読んだでしょうか。この本に描かれている京都の町の様子はしっとりと鮮やかで、京都で暮らしてみたいと思ったくらいでした。「とうさん」と娘である「あかり」の暮らしぶりに惹かれ、この本をかばんに忍ばせて京都へ行きました。とうさんとあかりが通った京都の台所である錦市場へ行って、とうさんとあかりと同じようにだし巻き卵屋さんでだし巻き卵を買い、銭湯に入ってふたりのやりとりを思い浮かべたりしました。
この写真の葉は清水寺に落ちていた紅葉。もうかれこれ16年前(!)になるけれど、今でもあの日のことをまるで昨日のことのように思い出すことができます。

「人と人との出会いちゅうもんは、何やこう、胸のうちがぽっぽと暖(ぬく)うなっていくみたいに、桜の花が次々に開いていくみたいに、とても気持ちのええもんや……」。

とうさんのこの言葉は私の心の中にずっとあって、いつも大切なことを思い出させてくれます。

鳥山百合子

 

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