私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

藤田英輔

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「お父さんのバックドロップ」 中島らも 集英社文庫

小学生(高学年)の皆さんへ

「早く大人になりたいか?」「こんな父親どう思う?」

そして男子に、「こんな父親になりたくないか?」

この本を読んでぜひ考えてみてほしい。

この本は子どもたちに読んでほしくて「大人」と「父親」へのオマージュ、リスペクト(尊敬・敬意)を持ち、書かれた児童書だと思います。

時間が経てば無条件に平等に「大人」になれます。

それまでにぜひ様々な経験をし、本を読み、知識を蓄えてください。

大好きな人と本を見つけてください。

〜あとがきより〜
子どもが大きくなって全く性質の違う「大人」という別の人間になるのではありません。子どもの部分は丸ごと残っています。

早く「大人」になってください。待ってますよ。

藤田英輔

 

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私の一冊

藤田純子

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「かばくん」 岸田衿子 福音館書店

なつかしい〜!!たしか子どもたちが保育園で月に1回絵本を購入していた本。家にはもうないけれど、記憶に残っている本です。

図書室の本棚で他の新しい本たちの中に渋く混ざっていました。

発行はいつ?

えーー?!今から56年前、1962年9月1日発行。びっくり!!

クラシックな雰囲気を漂わせてシンプル。

かばくんの迫力あるけどとても優しい表情。

ページをめくる度に違う色が目にとびこんでくる。

古くて新しい。

素敵な絵本です。

藤田純子

 

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私の一冊

西野内小代

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「声に出して読みたい日本語」 齋藤孝 草思社

 

話題になった時に購入したものの、積読(つんどく)状態となって早や数年…。

押し入れから探り出しやっと読み始めました。

和のリズムはDNAレベルで記憶されているのでしょうか、古典も漢文も心地よく耳に響きます。

そしてあまりにも有名な名文をいかに知ったつもりでいたのか…、思い知らされました。

知れば知るほど、知らないを知る。そんな一冊でした。

西野内小代

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私の一冊

鳥山百合子

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「地球家族」 ピーター・メンツェル著 TOTO出版

高校生だった時、題名に惹かれて購入したこの本は、度重なる引越しにいつもついて来ました。

世界中の様々な家族のもとを訪ね、家にある持ち物を出して見せてくださいと頼んで撮影した写真集です。

溢れるようなものの中に人間がちょこんと座っているような日本の家族。水をくみに行くためのロバを一頭しか持っていないというアフガニスタンの家族。

あまりの違いに驚き、そして、生活の仕方や言葉や肌の色、宗教などが違っても私たちは同じ人間であり、同じ地球に住んでいるんだという実感に背中がゾクゾクしたのでした。

世界は広い!いつだってどこへだって、飛んでいけるのです。

2枚目の写真はブータンの家族。

国民の大半が「幸せだ」と答えているブータン。「家にある持ち物」はこれだけです。

人にとって本当に必要なものは何なのでしょう。

鳥山百合子

 

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私の一冊

石川拓也

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「美しい川」 高橋宣之 小学館

「水が透明であるという喜びを知っていますか」

尊敬すべき先輩写真家・高橋宣之さんの写真集です。

ご存知の方は特に高知には多いと思いますが、高橋さんは仁淀川を撮り続けている写真家。「仁淀ブルー」という言葉はこの人の仕事から生まれました。

この本も川の美しさを冷凍保存のように切り取った写真で構成されています。一枚一枚の写真の美しさもさることながら、「川を撮る」という場合の、視点のバリエーションの豊かさに驚かされます。

言ってみれば、あるときは虫の眼になり、あるときは魚の眼に、鳥の眼で撮られたものもあります。そう考えると、この本自体がひとつの生態系を成しているようにも感じます。

「川」とひと言で言った時に、これほど豊かな撮り方がひとりの写真家の内部で息づいている。そのこと自体が真似のできることじゃないよなぁ、とため息の出る思いです。

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私の一冊

鳥山百合子

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「絵で読む子どもと祭り」 西村繁男 福音館書店

11月に土佐町に来てくれた西村繁男さんがプレゼントしてくれた一冊です。

今年7月に発行されたこの本を西村さんは2014年から4年をかけて制作、全国9箇所の子どもが参加するお祭りを描いています。

長野県松本市の「三九郎」、福島県福島市・浪江町の「安波祭」、大分県姫島村の「姫島盆踊り」…。そして高知県は仁淀川町の「秋葉まつり」。

西村さんは3年前にも土佐町に来てくださいましたが、この「秋葉まつり」の取材もあって高知県を訪れ、おじいさんの生まれ故郷である土佐町にも足を伸ばしてくれたのでした。

今年西村さんが土佐町に再訪してくださったことは、実は3年前からつながっていたのです。

この本をつくるために4年間という時間を重ねた西村さん。ページをめくるたび、筆を握り机に向かう西村さんの背中が見えるような気持ちがします。

鳥山百合子

 

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私の一冊

西野内小代

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「信長はなぜ葬られたのか」 阿部龍太郎 幻冬舎

 

 

時の勝者が残した圧倒的な数の資料が後の判断材料となる歴史において、念のためと隠し保存されていた資料の発見は、想像力をかきたて、やがて真実へと繋がっていくのでしょう。

筆者も述べられているように歴史は奥深い!

明智光秀一人に焦点が当たりがちな「本能寺の変」ですが、朝廷・キリシタンの思惑が複雑に絡み合っている様子が目の前に浮かびます。

西野内小代

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私の一冊

和田亜美

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「逃げるは恥だが役に立つ」 海野つなみ 講談社

数年前にドラマ化され、大流行したこの漫画。

最近初めて読んだのですが、思ってたのと大分違う!でも面白い!

色んな社会の問題がさりげなーく入ってて「あーわかるわかる!」ってなったり「あー、そんな考え方もあるのね」ってなります。

それぞれの恋の行方も気になるところです。

和田亜美

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「とびきりすてきなクリスマス」 キングマン作, バーバラ・クーニー絵 岩波書店

エルッキは10歳。仕事中に行方不明になってしまったお兄さんが毎年してくれていたように、妹弟たちにプレゼントを作ろうとします。

弟や妹たちがほしいと言っていたものをどうやってつくったらよいか考えるエルッキ。

物置から板や車輪を持ってきて、お父さんの作業場で作った手押し車。
お母さんのはぎれ袋からこっそり布をもらって、妹がほしがっていた人形を。針と糸はお姉ちゃんに借りて、指に何度も針をさしながら作りました。人形の家は、オートミールの入っていた古い箱でできています。お母さんには、台所の奥で埃まみれになっていたガラスの鉢に、森で見つけた苔をつめ、赤い実のつるをさしたものを。

お父さんはこう言うのでした。
「クリスマスは、プレゼントをもらうだけの日じゃない。大事なのは、プレゼントをあげたいと思う心なんだ」。

さて、エルッキはだれから何をもらうのでしょう。

もうすぐクリスマス。
世界中のこどもたちがしあわせでありますように。

鳥山百合子

 

 

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私の一冊

藤田英輔

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「Rock Between The Lines ロックの英詩を読む」 ピーター・バラカン 集英社

『戦争、何の役に立つ…?』

「War」(1970年発表) エドウィン・スター(1942~2003)

本山町にあるカフェ・ミシシッピの藤島君の歌とギターに注目しているとして、ピーター・バラカンさんが2003年11月21日に来られた時に購入した1冊。

収録されている6曲には、僕が知らなかった曲も、又、誰もが知っている曲もいくつもある。

僕が10代の終わり頃からはまって体感したのが上記の曲と、「What’s Going On」(1971年発表) マービン・ゲイ(1939~1984)の2曲。共に反戦歌だ。

特に考えなく聴いたり踊ったりなんかしていたのだけれど、僕がもしアメリカに生まれていれば、ヴェトナム戦争(僕が生まれた年に始まり、20才の時に終わった)や、イラクとの戦争に徴兵されていたかもしれない。

ヴェトナムでは南北合計での推定死・不明者(参戦者と民間人)が何と8157000人超と知った。壮絶であり、不毛であり、言葉を失う。

表記のあと『(戦争は)何の役にも立たない。もう一度言う(聞いてくれ)…」と続く。

平和な時代に平和な国に生きていられることに、真摯に感謝する。

これからも平和が続くように。

藤田英輔

 

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