「とびきりすてきなクリスマス」 キングマン作, バーバラ・クーニー絵 岩波書店
エルッキは10歳。仕事中に行方不明になってしまったお兄さんが毎年してくれていたように、妹弟たちにプレゼントを作ろうとします。
弟や妹たちがほしいと言っていたものをどうやってつくったらよいか考えるエルッキ。
物置から板や車輪を持ってきて、お父さんの作業場で作った手押し車。
お母さんのはぎれ袋からこっそり布をもらって、妹がほしがっていた人形を。針と糸はお姉ちゃんに借りて、指に何度も針をさしながら作りました。人形の家は、オートミールの入っていた古い箱でできています。お母さんには、台所の奥で埃まみれになっていたガラスの鉢に、森で見つけた苔をつめ、赤い実のつるをさしたものを。
お父さんはこう言うのでした。
「クリスマスは、プレゼントをもらうだけの日じゃない。大事なのは、プレゼントをあげたいと思う心なんだ」。
さて、エルッキはだれから何をもらうのでしょう。
もうすぐクリスマス。
世界中のこどもたちがしあわせでありますように。
鳥山百合子