私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

川村房子

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「生きるヒント」五木寛之   角川書店

超ミニ版(10cm四方位)。

以前、何気なく読み過ごしたところも再度読むと深い。

「よろこび上手な人がいい」

日々のよろこびのある人は年老いて老人ホームで過ごすことになっても、過去のよろこびを想い出としてたくさんため込んでいる人は幸せですと書かれている。

健康に気をつけてよろこび上手になりたいと思った。

A 歓ぶ 惑う 悲む 買う

B 喋る 飾る 知る 占う

C 働く 歌う 笑う 想う

自分の人生を愛するために3冊に分かれている。

土佐町の青木幹勇館においてますので読んでみて下さい。

川村房子

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私の一冊

石川拓也

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「エンゲージド・ブディズム入門 しあわせの開発学」 スラック・シワラック  ゆっくり堂

エンゲージド・ブディズム(Engaged Buddhism)は日本語で「社会参画仏教」と訳されています。語感としては「行動する仏教」「闘う仏教」という意味。

「お坊さんは閉じこもって座禅や瞑想ばっかりしないで、社会の問題と真正面から立ち向かうべき」という姿勢を基にしています。

そういえば、とさちょうものがたりオープン直後に土佐町で講演をしていただいたインド仏教の指導者・佐々井秀嶺さんも「行動する仏教」を体現した人のひとり。「思想や知識は行動のためにある」ともはっきり仰ってました。

この本はエンゲージド・ブディズムの指導者スラック・シワラックの視点から、社会がなかなか解決できないでいる様々な問題について、また問題に対する考え方や解決法について語られます。「行動の人」が語る言葉には一種の重さと説得力がありますね。

GNH(国民総幸福度)の話も出てきます。印象的だったのは、「小さいビジネスをしよう」という文章。ビジネスを大きくすること、際限なく成長させることに目標を置くこと自体がそもそも間違っているし不可能なことなのではないか、という考え方。

現在、土佐町役場が準備中のGNH(国民総幸福度)による「土佐町のものさし作り」にもとても参考になる話です。

 

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私の一冊

藤田純子

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「すんだことはすんだこと」 ワンダ・ガアグ再話・絵 福音館書店

舞台は昔むかしのボヘミアの農家。赤ちゃんが一人いる夫婦のおはなし。

男と女、どっちが大変なんだ!っておはなし。

この本に出てくるおやじさんは「自分の仕事がずっと大変だ!」といつも思っていた。

「ちっとも楽じゃありませんよ!」と奥さん。

「ちっとも楽じゃないってか!おまえさんのやることといったら、ほんのちょっと家のまわりをのたりくたりぶらつくだけじゃないか」とおやじさん。

それじゃあ、お互いの仕事をとりかえっこしてみようじゃないの、となりました。

さてさて、その結末は…。

「すんだことはすんだこと」って、どっちのセリフでしょう。

藤田純子

 

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私の一冊

藤田英輔

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「キャベツの丸かじり」 東海林さだお 文春文庫

本を読むのは「何かおっくうなのよね〜。でも読みたいのよね〜」という方にお勧めの一冊(シリーズです)。

タイトルのものを食べたことがあるなら納得!

食べたことがなかったら食べたくなる(と思う)。そんな一冊(シリーズです)。

“注” 食欲のない時に(あまり深刻でない時にね)読んでみて!とても腹が空いている時には読まないでね!!

まあ一冊(シリーズです)手にとってみてください。

藤田英輔

 

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私の一冊

西野内小代

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「アラサーの平成ちゃん日本史を学ぶ」 もぐら×藤井青銅 竹書房

 

 

日本の元号は受験生泣かせ。

似たような元号が連なり、出来事の後先すらカオス状態となりがちです。

この本は元号の成り立ち、権力者による時間支配等々を今風の言葉とノリで楽しく学べる一冊です。

平成の次の元号は何かを自分なりに推理するのも楽しいかも・・・!

西野内小代

 

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私の一冊

藤田純子

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「チャルカといっしょに東欧の手づくり」 CHARKHA  雄鶏社

手仕事が大好きで、自分で使うものや実用的な物、何でもなるべく自分でつくってきた。

何もせずにボーッとすることがもったいない!手仕事をするゆとりがなくなるとストレスがたまる!

そんな風にせかせかと過ごしてきた気がする。

少し歳をとってこの頃は何もせず、ボーッとしていたい時がある。そんなときはお気に入りのこの本を眺めて癒される。

色々とやった気になる。ただ、うれしくなる。

藤田純子

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「もりのなか」 マリー・ホール・エッツ 福音館書店

「保育園で “はんかちおとし”、したよ」。
5歳の娘がある日、保育園から帰ってきた時に言いました。

あ、確かこの本にも“はんかちおとし”が出てきたはず。そう思って一緒にページを開きました。

「ぼく」が森へ散歩に行くといろんな動物がついてきて、一緒に歩いて、ひと休みして、誰かがピクニックをしたあとのピーナッツやジャムやアイスクリームを食べたり、かくれんぼしたり…。

そして、

「それから、“はんかちおとし”を ひとまわり しました。」

その文章で「一緒やねえ」と嬉しそうに笑った娘の顔を見たとき、絵本の世界と娘の生活がつながった瞬間に立ち合ったような気がして、何だか感慨深いものがありました。

マリー・ホール・エッツの描く線はとても温かい。もう亡くなっているので会うことはできませんが、エッツの残した作品から本人の人柄や大切にしていたことが伝わってくるようです。

作品を残すことは、私はこのように生きた、というひとつの証でもあるのだと思います。

鳥山百合子

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私の一冊

西野内小代

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「森小学校百十周年記念誌」 編集委員:西野内三春・野村保太郎・志和保三郎・藤田国男・川田勝

卒業生名簿の大正15年度の欄に編集委員の一人である私の義父の名前があります。そして「思い出」の一ページにこの義父の文章があります。

タイトルは「橋床とゲンコツの思い出」です。

私事ですが、この「とさちょうものがたり」の「ほのぼのと」欄に投稿させて頂いた「はしとこ」というタイトルの文章は、この義父の作品への嫁なりのアンサー的な意味合いを兼ねて書かせて頂きました。

昭和4年度には現在100歳の義母の名前、昭和39年度には夫の名前そして昭和41年度には私の名前がそれぞれ記載され、私と嫁ぎ先を繋ぐ記念誌でもあります。

西野内小代

 

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私の一冊

和田亜美

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「きのう何食べた?」 よしながふみ 講談社

登場人物(主にシロさん)の作る美味しそうなご飯が目に毒な漫画。誰か私に作ってほしい。

ゲイカップルのお話でもあり、2人の関係が年月を経て緩やかに変化していく様子やそれぞれの家族との関係性、他のゲイカップルとの交友関係などが描かれています。

よしながふみさんの漫画は基本的に素敵なものばかりだと思います。

和田亜美

 

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私の一冊

石川拓也

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「たて糸よこ糸」 窪内隆起 短歌芸術社

 

著者の窪内隆起さんは、土佐町石原の育ち。12歳までを西石原のお家で過ごし、現在は高知市にお住まいです。

長年、サンケイ新聞社に在籍し、文化部で司馬遼太郎さんなど数多くの作家を担当しました。

司馬さんが「竜馬がゆく」「坂の上の雲」をサンケイ紙上で連載していた、まさにその時に司馬さんを裏から支えていたのが窪内さんなのです。

この本「たて糸よこ糸」は窪内さんが司馬さんや土佐町、新聞記者時代の思い出、釣りや狩猟について書いたエッセイをまとめたもの。

写真にある「司馬さんの情」というお話は、窪内さんがどれほど司馬さんに信頼され、かわいがられていたのかが伝わってきます。作家と担当編集者というより師弟関係のような温かいものが流れています。

今回とさちょうものがたりで始まった新連載「山峡のおぼろ」は、その窪内さんが土佐町の思い出を描いた書き下ろしエッセイ集。必見です。

石川拓也

 

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